胆嚢炎と聞いて、みなさんはどんな症状を想像しますか?胆嚢がそもそもどんな臓器なのか、日常だとイメージがわきづらいですよね..
今回は、そんな胆嚢炎とはそもそも何か?胆嚢炎の症状や原因について、胆嚢炎の治療の方法や胆嚢炎を改善するための食事療法などについて詳しく解説していきます!
目次
胆嚢炎とは?
まず、胆嚢炎が起きてしまう胆嚢(たんのう)の役割について見ていきましょう。
胆嚢は、肝臓で作られた胆汁(たんじゅう)を溜めておく臓器です。胆汁は体の中の脂肪を分解するための液体で、とても大切な役割を果たしています。
そんな大切な臓器である、胆嚢に炎症が起きる状態を、胆嚢炎といいます。
胆嚢炎の症状は?
炎症と聞くと少し軽く聞こえてしまいますが、実際に症状が出る場合、以下のような症状がでます。
- 突然の激しい上腹部から右季肋部痛
- 発熱、黄疸
また、胆嚢炎は慢性的なものと急性のものがあり、様々な要因によって引き起こされます。
発熱、腹痛、食欲不振などのほか、重症の場合は、吐き気、嘔吐、肝臓の腫れなども起こる可能性があります。
胆嚢炎の原因は?
胆嚢炎は、その名の通り胆嚢が炎症を起こしているため、以下のような原因が考えられます。
胆石
胆管内に蓄積された硬い結石が原因となることがあります。
胆管狭窄
胆管が狭くなっている場合、胆汁の流れが妨げられることがあります。
胆道感染
ウイルスや菌によって引き起こされる感染症が原因となることがあります。
薬物性
一部の薬物が胆嚢の炎症を引き起こす可能性があります。
また、日々の生活習慣とも密接に関係しているため、胆嚢炎になりやすい生活習慣として、
過度な飲酒
特にアルコールを多量に摂取することは胆嚢の炎症を引き起こす可能性があります。
食生活
油っこい、肥満、糖質を多く含む食生活は胆嚢炎のリスクを高めます。
過度のストレス
ストレスが長期に続くと、免疫力が低下し、胆嚢炎のリスクが高まる可能性があります。
過度のダイエット
食事を抜くことや栄養不足になることは、胆嚢の炎症を引き起こす可能性があります。
上記のような生活習慣の乱れも胆嚢炎の原因として大きく関係しています。
胆嚢炎と胆石の関係は?
胆嚢炎に大きく関係する「胆石(たんせき)」。
胆石とは、胆嚢内に形成される固い物質のことです。胆石は、胆汁、カルシウム、線維質、コレステロールなどの物質が結合して形成されます。
胆石は小さなものであっても、胆嚢、胆管、膵臓などに障害を引き起こすことがあり、痛み、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。
胆石が大きくなると、手術を必要とすることもあります。
また、胆石が急性胆嚢炎と大きく関係しており、ぜひ気にしていただきたいものです。
胆石はコレステロールなど脂肪分の多い食事が原因でできるといわれているため、先ほどの胆嚢炎の原因にもあった生活習慣飲み直しを行っていきましょう。
胆嚢炎の治療方法は?
やはり胆嚢炎の状態によって、選ばれる治療法は異なります。
軽度の胆嚢炎の場合
抗生物質や飲み薬での治療を行います。その後、生活習慣を見直し、食生活の改善、ストレスの緩和、適度な運動などを行うことが重要です。
重度の胆嚢炎の場合
急性胆嚢炎の場合、胆石が原因であることが多いため、開腹手術による胆石の除去を行います。
ただ、手術を必要とする場合でも、適切な治療を行うことで多くの場合治ります。
ただし炎症が強いと胆のうの袋が破れてしまい、おなかの中に胆汁が漏れて腹膜炎になってしまうこともあります。
急性胆嚢炎になってしまった場合は、すぐに医師に相談してください。
胆嚢炎は食事療法で改善する?
胆嚢炎は胆石が大きな原因となることは、何度も説明させていただきました。
胆石が油分の多い食事が原因ということは、やはり健康的な生活習慣を継続していくというのが近道と言えるでしょう。
胆嚢炎を食事療法で改善していく場合、以下のようなことに気をつけてみて下さい。
- 胆嚢の炎症を減らすために脂質を減らした食事を心がける
- 食物からの膵臓刺激を減らすために、繊維質が豊富な野菜や果物を多く取り入れます。
- 飲酒や喫煙を減らす
- 不要な負担をかけないように、小さな食事を頻繁にとることが望ましい
これらの食事療法に加えて、適切な運動、ストレスの緩和なども重要です。胆嚢炎は治療を怠ると重症化する可能性があるため、医師の指示に従って治療を行うことが大切です。