腫瘍マーカーCEAとは?上昇している原因・数値が高い原因は何?基準値はどのくらいか知りたい

人間ドックの検査で腫瘍マーカーの検査をすることも多いと思います。その中の一つ「CEA」。

数多くある腫瘍マーカーのうちのひとつなので、一体どんな腫瘍マーカーなのか気になりますよね。今回は、腫瘍マーカーのCEAについて、数値が高い原因や上昇する原因、基準値はどのくらいか、どんな病気と関連性があるのかについて詳しく解説していきます。

腫瘍マーカーのCEAとは?

腫瘍マーカーの一つであるCEA(Carcinoembryonic Antigen、癌胎児性抗原)は、特に消化器系の癌の診断や治療経過のモニタリングに用いられる重要なタンパク質です。

CEAは胎児の消化管や肝臓、膵臓で生成され、胎児期には高濃度で存在しますが、出生後にはその量が急激に減少します。

成人では血中のCEA濃度は非常に低いのが通常ですが、癌の発生や成長に伴って再び増加することがあります。

CEA(癌胎児性抗原)は、主に消化器系や肺、甲状腺を含む多くの臓器の悪性腫瘍に関連する腫瘍マーカーです。

しかし、CEAは悪性腫瘍以外の条件でも上昇することがあります。例えば、慢性肝炎や糖尿病、喫煙などもCEAの値を上昇させる要因となります。

 

CEAの役割

CEAは主に以下のような目的で利用されます:

  1. 癌の診断:CEAは大腸癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌など、様々な癌の診断に用いられます。特に大腸癌では、CEAが最も広く使用されている腫瘍マーカーです。
  2. 治療経過のモニタリング:癌治療後のCEAの測定は、治療の効果や再発の早期発見に役立ちます。治療によりCEAの値が減少する場合、治療が成功していると考えられます。
  3. 予後の評価:CEAの値が高いほど、癌の進行度や予後が悪いと関連付けられることがあります。

重要性

CEAは癌の診断や治療計画の立案において非常に重要です。

特にリスクが高い患者に対しては、CEAの定期的な測定が推奨され、早期発見と早期治療のための重要な手段となります。

CEAの基準値は?

CEAの血中濃度の基準値は、一般的に使用される測定方法や機器によって若干異なることがありますが、一般的には以下の範囲が正常とされています:

  • 非喫煙者:0〜3.0 ng/mL(ナノグラム・パー・ミリリットル)
  • 喫煙者0〜5.0 ng/mL

CEAの基準値は、非喫煙者で0〜3.0 ng/mL、喫煙者で0〜5.0 ng/mLですが、この範囲を超えても必ずしも悪性腫瘍が存在するわけではありません。良

性疾患や喫煙による上昇もあり得ます。高いCEA値が続く場合は、消化器内科や呼吸器内科などの専門医に相談し、必要に応じて内視鏡検査や画像検査を受けることが推奨されます。

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基準値の重要性

これらの基準値は、健康な個人での通常のCEA濃度を反映しており、これを超える値は異常と見なされ、さらなる検査や診断が必要となる場合があります。

特に喫煙者では、正常値がやや高く設定されていますが、それでも基準値を超える場合には注意が必要です。

CEAが高いときの原因は?

CEAが基準値を超えて高くなる原因はさまざまです。以下に代表的な原因を挙げます:

1. 癌

CEAの値が高くなる最も一般的な原因は癌です。

特に大腸癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌などの患者では、CEAの値が上昇することがあります。これらの癌では、腫瘍細胞がCEAを大量に産生し、血中に放出します。

2. 慢性疾患

慢性の肝疾患や膵疾患、肺疾患などでもCEAの値が上昇することがあります。例えば、肝硬変や慢性膵炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが原因となることがあります。

3. 炎症

重度の炎症や感染症もCEAの値を上昇させる原因となります。例えば、腸炎や肺炎、膵炎などの炎症性疾患では、CEAの濃度が一時的に上昇することがあります。

4. 良性疾患

一部の良性疾患でもCEAの値が高くなることがあります。例えば、大腸ポリープや胆嚢炎などです。

これらの疾患でも腫瘍マーカーの値が上昇することがありますが、癌とは異なり、一般的には急激な上昇は見られません。

5. 喫煙

喫煙者では、非喫煙者に比べてCEAの値が高くなる傾向があります。

喫煙は慢性的な気道の炎症を引き起こし、それがCEAの値を上昇させる要因となることがあります。

CEAを正常値に戻すためにできることは?

CEAの値を正常に戻すためには、

まずその上昇原因を特定し、適切な治療を行うことが重要です。以下に具体的な対策を示します。

1. 原因疾患の治療

CEAが高くなる原因が癌である場合、外科的切除、化学療法、放射線療法などの適切な治療が必要です。癌の治療によりCEAの値が減少することが期待されます。

2. 慢性疾患の管理

慢性肝疾患や膵疾患、肺疾患が原因でCEAが上昇している場合、以下のような対策が有効です:

  • 抗ウイルス治療:肝炎ウイルスによる慢性肝疾患の場合、抗ウイルス薬が使用されます。
  • 生活習慣の改善:アルコールの摂取を控え、禁煙し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。
  • 定期検査:定期的に健康チェックを受け、病状の進行をモニタリングします。

3. 健康的な生活習慣

健康的な生活習慣を維持することは、全体的な健康の維持とCEAの正常化に寄与します:

  • 禁煙:喫煙はCEAの値を上昇させる要因となるため、禁煙が推奨されます。
  • 適度な運動:運動は全身の健康を保つために重要であり、適度な運動を心がけましょう。
  • バランスの取れた食事:野菜や果物、全粒穀物を含むバランスの取れた食事が健康維持に役立ちます。

4. 定期的な健康チェック

定期的に健康チェックを受けることで、CEAの値やその他の健康状態をモニタリングし、早期に異常を発見することができます。特に癌のリスクがある人は、定期的な検査が重要です。

5. ストレス管理

ストレスは体全体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、適切なストレス管理も重要です。リラクゼーション法や趣味の時間を持つことで、ストレスを軽減することができます。

終わりに

CEA(癌胎児性抗原)は、消化器系を中心とした様々な癌の診断や治療経過のモニタリングに重要な役割を果たす腫瘍マーカーです。

CEAの値が基準値を超えて高くなる原因は多岐にわたり、正確な診断と適切な治療が必要です。

CEA検査は、各種健康診断や人間ドックで行われることが多いですが、これだけで癌の有無を確定することはできません。

正常範囲内の軽微な変動は特に気にする必要はなく、特定の癌があればCEA値は継続的に上昇する傾向があります。

したがって、CEA値が一時的に高くなったとしても、すぐに癌を疑うのではなく、他の症状や検査結果と合わせて総合的に判断する必要があります。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。