腫瘍マーカーSCCとは?基準値・上昇する原因・陽性率・関連する病気を徹底解説

腫瘍マーカーは、がんの診断や治療効果の評価に用いられる重要な指標のひとつです。中でも、SCC(扁平上皮がん関連抗原:Squamous Cell Carcinoma Antigen)は、扁平上皮がん(SCC)が発生した際に血液中で増加するタンパク質であり、特に子宮頸がん、肺がん、食道がん、皮膚がんなどの診断に役立ちます。

本記事では、SCC腫瘍マーカーの基礎知識、基準値、上昇する原因、陽性率、関連する病気について詳しく解説します。SCCの値が高くなると、必ずしもがんというわけではありませんが、どのような病気の可能性があるのかを知ることは、適切な対応をとるために重要です。


腫瘍マーカーSCCとは?─ 基礎知識とその重要性

SCC(扁平上皮がん関連抗原)は、扁平上皮細胞由来のがんが発生すると増加するタンパク質です。扁平上皮細胞は、皮膚や粘膜(口腔、食道、肺、子宮頸部など)に存在し、それらの部位に発生するがんでSCCが上昇することが確認されています。

SCC腫瘍マーカーの主な役割

  • 扁平上皮がんの診断の補助
  • がんの進行度や治療効果の評価
  • がんの再発リスクのモニタリング

SCCが関連する主ながん

  • 子宮頸がん
  • 肺がん(特に扁平上皮がん)
  • 食道がん
  • 皮膚がん(扁平上皮がん)
  • 頭頸部がん(口腔がん・咽頭がん・喉頭がん)

SCCはがんの有無を判定する唯一の指標ではなく、診断の補助的な役割を果たします。SCCの上昇だけでがんを確定することはできないため、CT・MRI・生検などの他の検査と組み合わせて評価されます。


腫瘍マーカーSCCの基準値を徹底解説

SCC腫瘍マーカーの正常値は、1.5 ng/mL以下とされています。しかし、この値を超えても必ずしもがんとは限らず、他の要因によっても上昇することがあります。

SCCの基準値一覧

SCC値(ng/mL) 判定の目安
1.5以下 正常範囲
1.5~2.0 軽度上昇(経過観察が推奨)
2.0~5.0 中等度上昇(がんの可能性あり・追加検査推奨)
5.0以上 高値(がんの可能性が高い)

SCC値が2.0 ng/mL以上である場合、がんの可能性を考慮し、CTやPET検査を行うことが一般的です。ただし、炎症や良性疾患による上昇もあるため、過度に心配する必要はありません。

まとめ

SCCは、扁平上皮がんの診断に役立つ腫瘍マーカーであり、子宮頸がん、肺がん、食道がん、皮膚がんなどの検出に用いられます。

正常範囲は1.5 ng/mL以下とされていますが、これを超えた場合でも必ずしもがんがあるとは限りません。慢性炎症や腎疾患、喫煙などによっても値が上昇することがあります。

SCCの数値が高い場合は、追加の精密検査が推奨されます。がんの診断には、画像診断や病理検査と組み合わせて評価することが重要です。SCCが上昇していると判明した場合は、自己判断せずに医師と相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。