女性に多い「全身性エリテマトーデス(SLE)」とは?初期症状と早期発見のポイント

全身性エリテマトーデス(SLE)は、主に女性に発症する自己免疫疾患の一つで、体のさまざまな部位に炎症を引き起こします。 初期段階では風邪や疲労と見分けがつきにくいため、発見が遅れることが多い疾患です。しかし、早期発見と適切な治療によって、症状の進行を抑え、日常生活を快適に過ごすことが可能です。

この記事では、SLEの初期症状に焦点を当て、女性に多く見られる体調の変化や早期に注意すべきサインについて詳しく解説します。

全身性エリテマトーデス(SLE)とは?

SLEは、免疫システムが自己の組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。

皮膚、関節、腎臓、心臓、神経など、複数の臓器や組織に炎症を引き起こす全身性の病気です。 日本では女性患者が多く、20~40代の女性に好発するといわれています。

SLEの初期症状とは?

慢性的な疲労感

風邪のような疲労が長期間続く場合は要注意です。休んでも回復しない倦怠感が特徴です。

発熱

微熱や38℃前後の発熱が長引くことがあります。感染症とは異なり、原因が特定できないのが特徴です。

顔の蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)

頬から鼻の周辺にかけて蝶の形のような赤い発疹が出ることがあります。日光に当たると悪化する傾向があります。

関節痛や関節の腫れ

指や手首、膝などの関節が痛む・腫れるなどの症状が現れることがあります。リウマチと誤診されることもあります。

皮膚症状

蝶形紅斑以外にも、日光過敏症による発疹が腕や顔に現れることがあります。

髪の毛の脱毛

原因不明の脱毛が見られる場合もあります。円形脱毛症のような症状が急に始まることがあります。

SLEの初期症状と他の病気との違い

SLEの初期症状は、風邪やストレスによる体調不良と似ているため、見逃されがちです。 また、症状が多岐にわたることから、複数の診療科を受診しても診断がつかないケースもあります。 このため、以下のようなポイントに注意しましょ

  • 疲れや発熱が長く続いている
  • 日光を浴びると体調が悪くなる
  • 発疹や関節痛が慢性的に現れる

早期発見で症状のコントロールを

全身性エリテマトーデス(SLE)は早期に気づくことが、進行を抑え、生活の質を保つ鍵になります。

原因不明の体調不良が続く場合は、自己判断せずに医療機関での検査を受けることが大切です。 特に女性で上記の症状が複数当てはまる場合は、リウマチ内科や膠原病専門医への相談を検討してください。

正しい知識と早めの行動が、未来の安心につながります。