腎臓病(CKD)とは?初期症状・ステージ・食事療法と透析予防を解説

腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、機能が低下してもなかなか症状が現れません。

気づいたときには透析が必要な状態になっていることも少なくありません。

日本では成人の約8人に1人が慢性腎臓病(CKD)を患っているといわれています。

本記事では、腎臓病の初期症状や食事療法、透析を予防するための方法について詳しく解説します。

慢性腎臓病(CKD)とは

慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能が慢性的に低下した状態を指します。

尿検査で蛋白尿や血尿が見られる、またはeGFR(推算糸球体濾過量)が60未満の状態が3か月以上続くとCKDと診断されます。

腎臓は一度機能が低下すると回復が難しいため、早期発見と適切な管理が極めて重要です。

放置すると末期腎不全に至り、透析や腎移植が必要になります。

腎臓の働きと機能低下の影響

腎臓の主な役割

腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出する臓器です。

体内の水分量や電解質のバランスを調整し、血圧の調節にも関わっています。

赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)や、骨を強くするビタミンDの活性化も担っています。

機能低下で起こる問題

腎機能が低下すると老廃物が体内に蓄積し、むくみや疲労感を引き起こします。

貧血や骨粗鬆症、高血圧の悪化などの合併症も現れます。

末期には尿毒症となり、透析なしでは生命を維持できなくなります。

腎臓病の初期症状とチェックポイント

初期のCKDはほとんど自覚症状がありません。

進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

尿の泡立ちが強い、尿の色が濃い、夜間頻尿などの尿の変化があります。

足や顔のむくみ、疲れやすさ、息切れ、食欲不振なども腎機能低下のサインです。

健康診断でクレアチニン値やeGFRの異常を指摘されたら、早めに精密検査を受けましょう。

CKDのステージ分類

CKDはeGFRの値によって5つのステージに分類されます。

ステージG1(eGFR 90以上)は腎機能正常だが蛋白尿などの異常がある段階です。

ステージG2(eGFR 60〜89)は軽度の機能低下が見られます。

ステージG3(eGFR 30〜59)は中等度の機能低下で、積極的な治療が必要です。

ステージG4(eGFR 15〜29)は高度な機能低下、G5(eGFR 15未満)は末期腎不全で透析の準備が必要となります。

腎臓病の原因とリスク因子

糖尿病性腎症

透析導入の原因として最も多いのが糖尿病性腎症です。

高血糖の状態が続くと腎臓の毛細血管が傷つき、徐々に機能が低下します。

糖尿病の方は定期的な尿検査と腎機能検査が欠かせません。

高血圧と動脈硬化

高血圧は腎臓の血管に負担をかけ、腎機能低下を促進します。

脂質異常症や肥満も動脈硬化を進め、腎臓への血流を悪化させます。

腎臓病の食事療法

タンパク質の制限

腎機能が低下している場合、過剰なタンパク質摂取は腎臓に負担をかけます。

ステージに応じて1日のタンパク質摂取量を調整します。

ただし、制限しすぎると栄養不足になるため、医師や管理栄養士の指導を受けましょう。

塩分の制限

塩分の過剰摂取は高血圧を悪化させ、腎臓に負担をかけます。

1日6g未満を目標に、減塩調味料の活用や調理法の工夫を行いましょう。

カリウムの制限

腎機能が進行すると、カリウムの排泄が困難になります。

野菜や果物、芋類に多く含まれるカリウムの摂取量に注意が必要です。

野菜は茹でこぼすことでカリウムを減らすことができます。

透析を予防するための生活改善

血圧と血糖値のコントロールが腎機能低下の進行を遅らせる最も重要な対策です。

禁煙も腎臓を守るために欠かせません。

適度な運動は血圧や血糖値の改善に効果的ですが、激しい運動は避けましょう。

定期的な通院と検査で、腎機能の変化を継続的に観察することが大切です。

まとめ

慢性腎臓病は初期には症状がほとんどなく、健康診断での発見が重要です。

eGFRやクレアチニン値に異常があれば、早めに専門医を受診しましょう。

適切な食事療法と生活習慣の改善で、腎機能の低下を遅らせ、透析を予防することができます。

糖尿病や高血圧のある方は特に注意し、腎臓を守る生活を心がけてください。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。