先天性代謝異常症検査とは?検査でわかることや施設基準について、拡大スクリーニングや再検査の意味を知りたい

新生児を対象に行われる、「先天性代謝異常症検査」。自分のからだではないからこそ、どんな検査でどんなことがわかるのか不安ですよね。

今回は、そんな先天性代謝異常症検査について、そもそも何がわかるのか、先天性代謝異常症検査の施設基準について、拡大スクリーニングや再検査の場合どんなことを意味するのか詳しく解説していきます。

先天性代謝異常症検査とは?

先天性代謝異常症検査とは、生まれつき持っている代謝異常を早期に発見するための検査です。

これらの異常は、特定の酵素が欠損しているか、その機能が不完全なために起こります。

酵素の欠損は、体内での特定の化学反応が正常に行われない原因となり、様々な症状を引き起こします。

先天性代謝異常症は、早期発見と適切な治療が重要であり、早期に対応することで重篤な合併症を防ぐことが可能です。

新生児スクリーニングは、一般的に生後数日以内に行われます。

かかりつけの小児科医や病院で、赤ちゃんのかかとの血を採取して検査が行われ、特定の代謝異常がないかを調べます。

これにより、早期に治療を開始することができ、赤ちゃんの健康を守るための重要なステップとなります。

先天性代謝異常症検査でわかることは?

先天性代謝異常症検査でわかることは、主に以下のような代謝異常です:

  1. フェニルケトン尿症(PKU):フェニルアラニンを適切に代謝できないため、神経障害を引き起こす。
  2. メープルシロップ尿症(MSUD):特定のアミノ酸を代謝できず、尿がメープルシロップのような甘い匂いを放つ。
  3. ホモシスチン尿症:ホモシスチンというアミノ酸が蓄積し、血管や神経に影響を及ぼす。
  4. ガラクトース血症:ガラクトースを適切に代謝できず、肝臓や脳に影響を与える。
  5. アデノシンデアミナーゼ欠損症(ADA):免疫系が正常に機能せず、重篤な感染症を引き起こす。

これらの異常を早期に発見することで、適切な食事療法や薬物療法を早期に開始し、障害の発症を予防することができます。

先天性代謝異常症検査の施設基準って何のこと?

先天性代謝異常症検査の施設基準とは、これらの検査を行う医療機関が満たすべき規定や要件を指します。

この基準は、検査の正確性と信頼性を確保するために設けられています。具体的には、以下のような要件が含まれます:

  1. 適切な設備と機器:最新の検査機器と設備を備え、正確な検査結果を提供できること。
  2. 専門知識を持ったスタッフ:代謝異常に関する専門知識を持ち、適切に検査を実施できるスタッフの配置。
  3. 標準化された検査手順:検査の手順や方法が標準化されており、一貫した結果を提供できること。
  4. 品質管理:定期的な品質管理と精度管理を行い、検査結果の信頼性を維持すること。

これらの基準を満たすことで、患者や家族が安心して検査を受けられるようになります。

先天性代謝異常症検査の拡大スクリーニングとは?

先天性代謝異常症検査の拡大スクリーニングとは、従来の標準的なスクリーニング項目に加えて、より多くの代謝異常症を検出するための検査です。

拡大スクリーニングにより、従来の検査では見逃されがちな希少な代謝異常症も早期に発見することが可能になります。

例えば、新たに追加された検査項目には以下のようなものがあります:

  1. 脂質代謝異常:脂質の代謝に関する異常を検出する。
  2. アミノ酸代謝異常:特定のアミノ酸の代謝異常を検出する。
  3. 有機酸代謝異常:有機酸の代謝異常を検出する。
  4. 尿素サイクル異常:尿素サイクルに関する異常を検出する。

拡大スクリーニングにより、より多くの代謝異常症を早期に発見し、適切な治療を迅速に開始することができます。

先天性代謝異常症検査の再検査の意味は?

先天性代謝異常症検査の再検査の意味は、初回検査で異常が疑われた場合に、確定診断を行うために追加で検査を行うことです。

初回検査で陽性反応が出た場合でも、それが必ずしも代謝異常症を意味するわけではありません。

再検査を行うことで、初回検査の結果が真の異常かどうかを確認し、誤検出のリスクを減らすことができます。

再検査には以下のような方法があります:

  1. 追加の血液検査:初回検査で異常があった項目について、再度詳細な血液検査を行う。
  2. 尿検査:特定の代謝産物の有無を確認するために尿検査を行う。
  3. 遺伝子検査:遺伝子レベルでの異常を確認するために遺伝子検査を行う。

これらの再検査により、確定診断を行い、適切な治療計画を立てることができます。

まとめ

先天性代謝異常症検査は、早期に代謝異常を発見し、適切な治療を開始するための重要な検査です。

検査により多くの代謝異常症を発見できる拡大スクリーニングや、施設基準に基づいた信頼性の高い検査が行われています。

再検査は確定診断のために必要であり、患者や家族が安心して治療を受けるために重要なステップとなります。

早期発見と適切な治療により、代謝異常症による合併症を防ぎ、健康な成長をサポートすることができます。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。