胸部CT検査とは?検査からわかることや病気について、検査前の食事や胸部X線検査との違いについて知りたい

人間ドックなどの際に行うこともある「胸部CT検査」。CT検査と聞くとなんだか不安になってしまいますよね。

今回は胸部CT検査について、そもそも検査でわかることはなにか?どんな病気がわかるのか?胸部CT検査の前の食事は摂っていいのか、胸部CT検査と胸部X線検査との違いなどについて詳しく解説していきます。

胸部CT検査とは?

胸部CT検査は、コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)を用いて胸部の詳細な画像を取得する医療検査です。

CTスキャナーはX線を利用し、身体の内部を多角的に撮影します。

得られた画像はコンピュータで再構築され、臓器や構造の詳細な断面図を提供します。この検査は、肺、心臓、血管、骨などの胸部構造を評価するために非常に有用です。

胸部CT検査のプロセス

胸部CT検査は以下のような手順で行われます:

  1. 準備:検査前に、金属製のアクセサリーや衣類を取り外すよう求められます。場合によっては病院のガウンに着替えることもあります。
  2. 位置合わせ:検査台に仰向けに横たわり、手を頭の上に置くよう指示されます。体が動かないように固定されることもあります。
  3. 撮影:CTスキャナーが体の周りを回転しながらX線を照射し、連続的に画像を取得します。検査は通常数分で終了します。
  4. 造影剤の使用:必要に応じて、血管や特定の臓器をより明確にするために造影剤を使用することがあります。造影剤は点滴を通じて注入されます。

胸部CT検査でわかることは?

胸部CT検査は、さまざまな胸部の異常や病状を検出するのに役立ちます。以下に、具体的に検査でわかることを挙げます:

  1. 肺の評価
    • 肺がんの早期発見
    • 肺炎、結核、肺気腫などの感染症や炎症
    • 肺の結節や腫瘤の詳細評価
  2. 心臓と血管の評価
    • 冠動脈疾患(冠動脈の狭窄や閉塞)
    • 大動脈瘤や動脈解離
    • 心膜の異常や心臓周囲の液体の有無
  3. 骨と筋肉の評価
    • 胸骨や肋骨の骨折
    • 胸郭の異常
    • 胸部の腫瘍や炎症
  4. その他の胸部構造
    • 食道、気管、気管支の異常
    • リンパ節の腫大や転移
    • 胸部の軟部組織の異常

胸部CT検査の前に食事は摂っていい?

一般的に、胸部CT検査の前に食事を摂ることは問題ありません。

しかし、造影剤を使用する場合は、食事制限が必要になることがあります。

造影剤は時に吐き気や不快感を引き起こすことがあり、また造影剤を用いる検査の前には一定時間絶食が推奨されることがあります。

具体的な指示は以下のような場合があります:

  1. 造影剤使用時の食事制限:検査の数時間前から飲食を控えるよう指示されることがあります。これは、造影剤による副作用を最小限に抑えるためです。
  2. 飲水の制限:造影剤の使用が予定されている場合、検査直前には水分摂取も控えるよう求められることがあります。

検査前には医師や放射線技師からの指示をしっかりと確認し、それに従うことが重要です。

胸部CT検査でわかる病気は?

胸部CT検査は、以下のような多岐にわたる病気や状態を検出・診断するのに有用です:

  1. 肺がん:CT検査は肺がんの早期発見に特に有効で、腫瘍の大きさ、位置、広がりを詳細に把握することができます。
  2. 肺炎:肺の感染症を検出し、炎症の広がりを評価します。肺炎の原因や重症度の判断に役立ちます。
  3. 気胸:肺に穴が開いて空気が漏れ、胸腔内に空気が溜まる状態を検出します。
  4. 血栓塞栓症:肺動脈に血栓が詰まる肺塞栓症を診断します。
  5. 大動脈瘤:大動脈壁が膨らむ状態を検出し、破裂のリスクを評価します。
  6. 間質性肺疾患:肺の間質(結合組織)の異常や炎症を診断します。
  7. 心膜炎:心臓周囲の膜の炎症を検出します。
  8. リンパ腫:リンパ節の腫大やがんの転移を評価します。

胸部CT検査と胸部X線検査の違いはある?

胸部CT検査と胸部X線検査は、どちらも胸部の内部構造を可視化するために使用される放射線診断技術ですが、いくつかの重要な違いがあります。

解像度と詳細度

  • 胸部CT検査
    • 高解像度の断面画像を提供し、細部まで鮮明に表示できます。
    • 多角的な画像取得により、立体的な構造解析が可能です。
    • 小さな病変や微細な異常も検出しやすいです。
  • 胸部X線検査
    • 単一方向からの平面的な画像を提供します。
    • 大まかな構造の評価には適していますが、微細な異常の検出には限界があります。

被曝量

  • 胸部CT検査
    • X線検査に比べて被曝量が高いですが、その分詳細な情報を得ることができます。
    • 被曝量の管理には注意が必要です。
  • 胸部X線検査
    • 被曝量は比較的低く、日常的な検査に適しています。

用途

  • 胸部CT検査
    • 詳細な診断が必要な場合に使用されます。例えば、がんの早期発見や転移の評価、血管の異常、細部の評価などです。
    • 急性の病状や複雑なケースでの使用が多いです。
  • 胸部X線検査
    • 一般的な健康診断や初期診断に適しています。
    • 疾患の大まかなスクリーニングに使用されます。

費用と時間

  • 胸部CT検査
    • 検査費用が高く、検査時間も長くなります(通常数分)。
    • 造影剤を使用する場合はさらに時間がかかることがあります。
  • 胸部X線検査
    • 比較的低コストで、迅速に実施できます(数秒から数分)。

まとめ

胸部CT検査は、胸部の詳細な画像を提供し、多くの疾患の診断に非常に有用です。

特に肺がんの早期発見や心血管系の異常、感染症の評価に役立ちます。

検査前には食事や飲水に関する指示を確認し、造影剤使用の有無を把握しておくことが重要です。

胸部X線検査とは異なり、CT検査は高解像度で詳細な情報を提供する一方、被曝量が高いという特性があります。

適切な診断と治療のために、どの検査が最適かは医師と相談して決めることが重要です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。