冠動脈CT検査とは?心臓の血管を詳しく調べる最新検査を徹底解説

心臓の血管である冠動脈の状態を詳しく調べる検査として、近年注目されているのが「冠動脈CT検査」です。

従来のカテーテル検査と比べて体への負担が少なく、短時間で心臓の血管の状態を画像化できるため、心筋梗塞や狭心症のリスク評価に広く活用されています。

本記事では、冠動脈CT検査の仕組みや検査でわかること、検査前の準備や注意点まで詳しく解説します。

冠動脈CT検査とは

冠動脈CT検査は、CT装置を用いて心臓を栄養する冠動脈の状態を撮影する検査です。

正式には「冠動脈CT血管造影検査(CCTA:Coronary CT Angiography)」と呼ばれ、造影剤を静脈から注入しながら心臓の周囲をCTで撮影します。

心臓は常に拍動しているため、通常のCTでは鮮明な画像を得ることが困難でしたが、マルチスライスCTの技術進歩により、動いている心臓でも詳細な画像が撮影できるようになりました。

冠動脈CT検査でわかること

冠動脈狭窄の有無

冠動脈CT検査で最も重要な評価項目は、冠動脈の狭窄(血管が狭くなっている状態)の有無です。

動脈硬化によって血管壁にプラーク(脂肪の塊)が蓄積すると、血管内腔が狭くなります。

この狭窄が進行すると血流が低下し、狭心症や心筋梗塞の原因となります。冠動脈CT検査では、狭窄の程度を0〜100%で評価し、治療の必要性を判断します。

石灰化スコアの測定

冠動脈の壁に沈着したカルシウム(石灰化)の量を数値化したものが「石灰化スコア(カルシウムスコア)」です。

この検査は造影剤を使用せずに行うことができ、動脈硬化の進行度を客観的に評価できます。

石灰化スコアは0が正常で、100以上になると中等度のリスク、400以上では高リスクと判定されます。

プラークの性状評価

冠動脈CT検査では、血管壁に付着したプラークの性質も評価できます。

プラークには「安定プラーク」と「不安定プラーク」があり、不安定プラークは破裂して血栓を形成しやすく、急性心筋梗塞のリスクが高くなります。

CTでは石灰化した硬いプラークと、脂質成分の多い柔らかいプラークを区別することが可能です。

冠動脈CT検査の流れ

検査当日は、まず心電図の電極を胸に装着し、心拍数を確認します。

心拍数が高い場合は、β遮断薬などの薬剤を服用して心拍を落ち着かせることがあります。

これは心臓の動きを抑えて鮮明な画像を得るためです。次に、腕の静脈に点滴ルートを確保し、造影剤を注入する準備を行います。

撮影時間自体は10〜15秒程度と非常に短く、息を止めている間に撮影が完了します。

検査全体の所要時間は準備を含めて30分〜1時間程度です。

冠動脈CT検査と心臓カテーテル検査の違い

冠動脈CT検査は心臓カテーテル検査と比べて、体への負担が大幅に軽減される検査です。

項目 冠動脈CT検査 心臓カテーテル検査
検査方法 体外からCT撮影 カテーテルを血管内に挿入
入院の必要性 不要(外来で可能) 必要な場合が多い
検査時間 15〜30分 1〜2時間
侵襲性 低い 高い
治療の同時実施 不可 可能(ステント留置など)

ただし、カテーテル検査は狭窄が見つかった場合にそのまま治療(ステント留置など)を行えるという大きなメリットがあります。

そのため、冠動脈CT検査はスクリーニングや経過観察に、カテーテル検査は治療を前提とした精密検査に使い分けられています。

冠動脈CT検査を受ける際の注意点

検査前の準備

造影剤を使用するため、検査の4〜6時間前から絶食が必要です。

水分は検査2時間前まで摂取可能ですが、カフェインを含む飲み物は心拍数を上げるため避けてください。

また、服用中の薬がある場合は事前に医師に相談しましょう。特に糖尿病治療薬のメトホルミンは、造影剤使用時に注意が必要です。

造影剤のリスク

造影剤によるアレルギー反応(じんましん、かゆみ、まれにアナフィラキシー)が起こる可能性があります。

過去に造影剤で副作用を経験した方や、重度の腎機能障害がある方は検査を受けられない場合があります。

また、甲状腺疾患の治療中の方も事前に申告が必要です。

被曝について

CT検査では放射線を使用するため、ある程度の被曝があります。

最新の装置では被曝低減技術が進歩しており、従来と比べて大幅に被曝量が削減されています。

検査の利益とリスクを考慮し、必要性がある場合に実施されます。

冠動脈CT検査の費用と保険適用

冠動脈CT検査は、医師が必要と判断した場合には健康保険が適用されます。

3割負担の場合、造影CT検査で約8,000〜15,000円程度が目安です。

人間ドックのオプションとして受ける場合は自費診療となり、20,000〜40,000円程度かかることが一般的です。

施設によって料金は異なるため、事前に確認することをおすすめします。

まとめ

冠動脈CT検査は、心臓の血管の状態を体への負担少なく調べられる有用な検査です。

冠動脈狭窄の早期発見や石灰化スコアによる動脈硬化リスクの評価に役立ち、心筋梗塞や狭心症の予防につながります。

胸の症状がある方や、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病がある方は、医師と相談の上、検査を検討してみてはいかがでしょうか。

早期発見・早期治療が心臓病予防の鍵となります。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。