乳がんドックとは?検査内容・費用・受けるべきタイミングを解説

乳がんは日本人女性がかかるがんの中で最も多く、11人に1人が生涯のうちに乳がんを発症するとされています。

しかし、乳がんは早期に発見できれば治癒率の高いがんでもあります。

「乳がんドック」は、マンモグラフィや乳腺エコーなどを組み合わせて、乳房の状態を詳しく調べる専門的な健診です。

本記事では、乳がんドックの検査内容や費用、受けるべきタイミングについて詳しく解説します。

乳がんドックとは

乳がんドックは、乳がんの早期発見を目的とした専門的な健康診断です。

通常の乳がん検診ではマンモグラフィのみが行われることが多いですが、乳がんドックではマンモグラフィに加えて乳腺エコー(超音波検査)を組み合わせ、より精度の高い検査を行います。

さらに詳細な検査として乳房MRIを実施する施設もあり、乳がんのハイリスク群には特に推奨されています。

乳がんドックの主な検査内容

マンモグラフィ

マンモグラフィは、乳房をX線で撮影する検査です。

乳房を装置で圧迫して薄く広げ、上下方向と斜め方向から撮影します。

石灰化(カルシウムの沈着)を発見するのに優れており、触診では見つからない早期の乳がんを検出できることがあります。

40歳以上の女性に推奨される検査ですが、乳腺が発達している若い女性や高濃度乳房の方では、がんを見つけにくい場合があります。

乳腺エコー(乳腺超音波検査)

超音波を使って乳房内の構造を画像化する検査です。

放射線を使用しないため被曝がなく、妊娠中や授乳中でも安全に受けられます。

しこり(腫瘤)の発見に優れており、特に乳腺が発達している20〜30代や、高濃度乳房の方に適しています。

マンモグラフィと組み合わせることで、乳がんの発見率が向上します。

乳房MRI検査

MRIは磁場を利用して乳房の断層画像を撮影する検査です。

造影剤を使用することで、がんに特有の血流パターンを捉えることができます。

マンモグラフィや乳腺エコーでは判断が難しい病変の評価や、乳がんのハイリスク群のスクリーニングに使用されます。

費用は高めですが、感度が非常に高く、小さながんも検出できる可能性があります。

視触診

医師が目で見て手で触れて、乳房のしこりや皮膚の変化、乳頭分泌物などを確認する検査です。

画像検査だけでは見落とされることがある所見を発見できる場合があります。

ただし、視触診だけでは早期のがんを発見することは難しいため、画像検査と組み合わせて行います。

高濃度乳房について

高濃度乳房(デンスブレスト)とは、乳腺組織の割合が多い乳房のことです。

日本人女性の約4割が高濃度乳房とされています。

高濃度乳房ではマンモグラフィで乳腺が白く映るため、同じく白く映るがんを見つけにくくなります(マスキング効果)。

そのため、高濃度乳房の方はマンモグラフィに加えて乳腺エコーを併用することが推奨されています。

乳がんドックを受ける際は、自分が高濃度乳房かどうかを確認し、適切な検査を選択しましょう。

乳がんドックで発見できる所見

所見 検出に優れた検査 特徴
石灰化 マンモグラフィ カルシウムの沈着、早期がんの兆候
腫瘤(しこり) 乳腺エコー 乳房内の塊状の病変
構築の乱れ マンモグラフィ、MRI 乳腺の正常な構造が崩れた状態
嚢胞 乳腺エコー 液体がたまった袋状の良性病変
乳管拡張 乳腺エコー、MRI 乳管が拡がった状態

乳がんドックを受けるべき人

以下に該当する方は、乳がんドックの受診を検討することをおすすめします。

40歳以上の女性

乳がんの発症リスクは40歳以降に急増し、40代後半から50代前半がピークとなります。

40歳を過ぎたら、2年に1回は乳がん検診を受けることが推奨されています。

より詳しい検査を希望する方は、乳がんドックでマンモグラフィと乳腺エコーを併用した検査を受けましょう。

乳がんの家族歴がある方

母親、姉妹、娘に乳がんを発症した方がいる場合、乳がんリスクは約2倍になります。

特に近親者が若年(40歳未満)で乳がんを発症した場合や、複数の近親者に乳がん患者がいる場合は、遺伝性乳がんの可能性があり、より入念な検査が必要です。

BRCA遺伝子変異を持つ方

BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異がある方は、生涯の乳がんリスクが40〜80%と非常に高くなります。

このようなハイリスク群の方には、25〜30歳からの乳房MRIによるスクリーニングが推奨されています。

高濃度乳房の方

マンモグラフィで「高濃度」と判定された方は、マンモグラフィ単独では乳がんを見逃す可能性があります。

乳腺エコーを追加することで、発見率を向上させることができます。

乳房に気になる症状がある方

しこり、乳頭からの分泌物、乳房の形の変化、皮膚のくぼみなど、気になる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

症状がある場合は検診ではなく、保険診療で精密検査を受けることができます。

乳がんドックの費用

乳がんドックは自費診療となります。

マンモグラフィと乳腺エコーを組み合わせた基本コースで10,000〜20,000円程度が相場です。

乳房MRIを含む精密コースでは30,000〜50,000円程度かかります。

自治体の検診では40歳以上の女性を対象にマンモグラフィを無料または少額で受けられる場合があるため、活用しましょう。

乳がんドックの注意点

検査のタイミング

閉経前の方は、月経周期によって乳房の張りが変わるため、生理開始後1週間程度の乳房が柔らかい時期に検査を受けるのがおすすめです。

授乳中の方は乳腺が発達しているため、卒乳後に検査を受けることをおすすめします。

マンモグラフィの痛み

マンモグラフィでは乳房を圧迫するため、痛みを感じることがあります。

痛みの感じ方は個人差がありますが、圧迫時間は数秒〜十数秒程度と短時間です。

痛みが心配な方は事前に伝えておきましょう。

まとめ

乳がんドックは、乳がんを早期に発見するための重要な健診です。

マンモグラフィと乳腺エコーを組み合わせることで、より精度の高い検査が可能になります。

40歳以上の女性、乳がんの家族歴がある方、高濃度乳房の方は、積極的に乳がんドックを検討してください。

乳がんは早期発見・早期治療で治癒が期待できます。定期的な検査で乳房の健康を守りましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。