前置胎盤とは?原因・リスク・出血対策・帝王切開の可能性まで詳しく解説

前置胎盤は、妊娠中に胎盤が子宮の出口(子宮頸部)を覆ってしまう状態のことで、出血リスクや分娩方法に影響を与える可能性がある重要な疾患です。特に妊娠後期には大量出血のリスクが高まるため、正しい知識を持ち、適切な管理をすることが必要です。

本記事では、前置胎盤の原因・リスク・出血対策・帝王切開の可能性について詳しく解説していきます。妊娠中の安全対策をしっかりと理解し、安心して出産に臨みましょう。

前置胎盤とは?その原因とリスクを徹底解説

前置胎盤とは?

前置胎盤(placenta previa)とは、通常、子宮の上部に付着するはずの胎盤が、子宮の下部に位置し、子宮頸部(子宮の出口)を部分的または完全に覆ってしまう状態を指します。

前置胎盤の種類

完全前置胎盤:胎盤が子宮頸部を完全に覆っている
部分前置胎盤:胎盤の一部が子宮頸部を覆っている
辺縁前置胎盤:胎盤が子宮頸部の近くまで広がっている

前置胎盤のリスク

  • 妊娠後期の出血(特に30週以降)
  • 分娩時の大量出血
  • 帝王切開が必要になる可能性が高い
  • 早産・低出生体重児のリスクが高まる

前置胎盤は、妊娠初期には診断されることが少なく、妊娠20週以降のエコー検査(超音波検査)で確定診断されることが多いです。

前置胎盤による出血リスクと対処法

前置胎盤がある場合、妊娠中や分娩時に出血のリスクが高まるため、注意が必要です。

前置胎盤での出血が起こる原因

子宮が大きくなるにつれ、胎盤が引っ張られ出血する
子宮収縮によって胎盤が剥がれやすくなる
膣内診や性交渉によって刺激を受ける

前置胎盤による出血への対処法

🔹 安静に過ごす(特に妊娠後期は運動を控える)
🔹 出血があったらすぐに病院を受診する
🔹 入院管理が必要な場合もあるため、医師の指示に従う
🔹 早産のリスクに備え、NICU(新生児集中治療室)のある病院を選ぶ

出血の量が多くなった場合、母体や胎児の安全を考え、早めの帝王切開が選択されることが一般的です。

前置胎盤の原因を知り、安全な妊娠を目指そう

前置胎盤の主な原因

  1. 子宮内の過去の手術歴(帝王切開、流産手術、子宮筋腫手術など)
  2. 高齢出産(35歳以上)
  3. 多胎妊娠(双子・三つ子など)
  4. 喫煙・生活習慣の影響
  5. 人工授精や体外受精による妊娠

前置胎盤を予防するためにできること

  • 禁煙を心がける(喫煙は胎盤異常のリスクを高める)
  • 妊娠前の健康管理を徹底する(体重管理・栄養バランス)
  • 不要な子宮手術を避ける(帝王切開・子宮筋腫手術など)
  • 妊娠中は定期的なエコー検査を受け、胎盤の位置を確認する

前置胎盤は妊娠後に修正されることもあるため、早期の診断後も経過観察を続けることが重要です。

前置胎盤で帝王切開になる可能性と準備すべきこと

前置胎盤では帝王切開が必要なケースが多い

前置胎盤の診断を受けた場合、ほとんどのケースで帝王切開が選択されます。特に完全前置胎盤や部分前置胎盤では経腟分娩は困難であるため、予定帝王切開が基本となります。

帝王切開の準備としてできること

手術予定日を決め、計画的な入院準備をする
輸血の可能性があるため、血液検査を受けておく
出産後の回復期間を考慮し、育児のサポート体制を整える
退院後の生活を見据えて家族と相談する

前置胎盤の場合、通常の妊娠よりも計画的な帝王切開が必要となるため、早めの準備をしておくことが大切です。

前置胎盤による出血が心配?妊娠中の安全対策

前置胎盤の妊婦さんにとって、妊娠後期の出血リスクに備えることが重要です。

日常生活で気をつけること

🔹 過度な運動を避け、できるだけ安静に過ごす
🔹 性交渉を控える(刺激による出血リスクを減らす)
🔹 便秘にならないよう食事管理をする(排便時の負担を軽減)
🔹 早めに出産する可能性を考え、入院準備を整える

自宅で過ごしている間に出血があった場合は、すぐに病院へ連絡し、医師の指示を仰ぎましょう。

まとめ

前置胎盤は妊娠後期に大量出血を引き起こす可能性があるため、慎重な管理が必要な疾患です。

胎盤が子宮頸部を覆うことで、分娩や妊娠継続に影響を及ぼす
妊娠後期の出血リスクがあるため、定期的なエコー検査が重要
完全前置胎盤・部分前置胎盤の場合は帝王切開が必要となる
出血があったらすぐに医師の指示を仰ぐことが大切

前置胎盤と診断された場合でも、正しい知識を持ち、医師の指示に従えば、安全な出産を迎えることができます。事前にしっかりと準備をし、妊娠中のリスク管理を行いましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。