神経内分泌腫瘍とは?特徴・診断・治療法を徹底解説

神経内分泌腫瘍(NET)は比較的稀な腫瘍であり、一般的な癌とは異なる特徴を持ちます。近年、診断技術や治療法の進化により、より適切なアプローチが可能になってきました。しかし、「神経内分泌腫瘍とは何か?」「癌とはどう違うのか?」「どのように診断・治療されるのか?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、神経内分泌腫瘍の特徴や診断方法、免疫染色を用いた診断技術、そして最新の治療法について詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、早期発見や適切な治療の選択が可能になります。

神経内分泌腫瘍とは?癌との違いを徹底解説

神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine Tumors, NETs)は、神経内分泌細胞から発生する腫瘍で、消化管や肺、膵臓などの臓器に多く見られます。一般的な癌(上皮性悪性腫瘍)とは異なり、ホルモンを分泌するという特徴を持つことが多く、腫瘍によっては特定のホルモン症状を引き起こすことがあります。

神経内分泌腫瘍と一般的な癌の違い

神経内分泌腫瘍は、比較的ゆっくりと成長するものが多いですが、悪性のものは転移しやすいという特徴があります。一方、一般的な癌は急速に増殖し、早期に転移する傾向があります。また、神経内分泌腫瘍はホルモンを分泌することがあり、特定の症状を引き起こすことがあります。

この違いを理解することで、適切な診断と治療を受けるための第一歩となります。

悪性神経内分泌腫瘍の特徴と診断方法

神経内分泌腫瘍の中には悪性のものもあり、これらは神経内分泌癌(NEC)と呼ばれます。NECは進行が早く、転移しやすいため、早期診断と治療が非常に重要です。

診断方法

診断には血液検査や画像診断が用いられます。特にクロモグラニンA(CgA)尿中5-HIAAといったマーカーを測定することで、腫瘍の有無を確認します。また、CTやMRI、PET/CTを活用し、腫瘍の広がりを調べます。

さらに、確定診断には腫瘍組織の生検が必要であり、免疫染色による詳細な検査が行われます。

神経内分泌腫瘍の免疫染色:正確な診断に欠かせない手法

免疫染色(IHC)は、神経内分泌腫瘍を診断するための重要な技術です。特に、クロモグラニンA(CgA)やシナプトフィジン(Synaptophysin)の発現を確認することで、腫瘍の性質を特定できます。

また、腫瘍の増殖速度を評価するためにKi-67指数が測定されます。この指数が高いほど、腫瘍の悪性度が高いことを示します。こうした診断技術を活用することで、患者さん一人ひとりに最適な治療を選択することが可能になります。

神経内分泌腫瘍の最新治療法とは?患者さんに合わせたアプローチについて

近年、神経内分泌腫瘍の治療は進化しており、より患者さんの状態に合わせたアプローチが可能になっています。

主な治療法

  • 外科手術:早期の段階では、腫瘍の完全切除が最も有効な治療法です。
  • 放射性リガンド療法(PRRT):177Lu-DOTATATEを用いた治療が有効であり、転移した腫瘍にも効果が期待できます。
  • 分子標的薬:エベロリムス(アフィニトール)やスニチニブ(スーテント)などの薬剤が用いられます。
  • ソマトスタチンアナログ(SSA):オクトレオチドやランレオチドがホルモン症状の抑制に役立ちます。
  • 化学療法:特に高グレードの神経内分泌腫瘍では、シスプラチン+エトポシドなどの化学療法が行われます。

患者さんの腫瘍のタイプや進行度に応じて、最適な治療法を選択することが重要です。

まとめ

神経内分泌腫瘍は一般的な癌とは異なり、ホルモンを分泌することがあり、診断や治療方法が異なります。診断には血液検査・画像診断・免疫染色が活用され、治療には外科手術・放射性リガンド療法・分子標的薬・ソマトスタチンアナログなどの選択肢があります。

この疾患は早期発見と適切な治療が鍵となるため、少しでも気になる症状がある場合は専門医の診察を受けることをおすすめします。また、治療法は日々進化しており、新しいアプローチが確立されつつあります。正しい知識を持ち、適切な医療機関で診断を受けることが、健康への第一歩となるでしょう。

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20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。