「夏でも手足が冷たい」「布団に入っても足が冷えて眠れない」——冷え性は日本人女性の多くが悩む症状で、厚生労働省の調査でも女性の約3人に1人が冷え性を自覚しているといわれています。
冷え性は「体質だから仕方ない」と諦めている方も多いですが、タイプに合った対処をすることで大幅に改善できます。また稀ながら、冷え性の背景に甲状腺機能低下症などの疾患が潜んでいる場合もあるため、正しい知識を持つことが重要です。
目次
冷え性とは?体温調節のしくみと原因
冷え性とは、手足・腰・お腹などが冷えていると感じる状態で、血流の低下や自律神経の乱れが主な原因です。人体は熱を産生して体温を一定に保つ機能を持っていますが、この調節がうまく働かなくなることで末梢部分(手足の先など)への血液供給が不十分になります。
冷え性を引き起こす主な原因としては、筋肉量の少なさ(熱産生の低下)、自律神経の乱れ(血管の収縮・拡張をコントロールする機能の低下)、貧血・低血圧による血流不足、ホルモンバランスの乱れ(女性に多い理由の一つ)などが挙げられます。
冷え性のタイプ:自分はどの種類?
末端冷え性
最も一般的なタイプで、手の指・足の指など末端だけが冷えている状態です。体の中心部(体幹)は正常な温度を保っているため、コア体温は正常でも手足だけ冷えます。若い女性・痩せている方・筋肉量が少ない方に多く見られます。
下半身冷え性
腰から下・足全体が冷える一方、上半身は温かい、または顔がほてるタイプです。デスクワークなど座りっぱなしの生活習慣による血流停滞が原因となることが多く、むくみを伴うこともあります。
内臓冷え性
手足は冷えていないのにお腹・腸・子宮などの内臓が冷えているタイプです。冷たい飲食物の摂りすぎ・エアコンによる冷えが原因になりやすく、便秘・下痢・腹痛・生理痛などを伴います。
全身冷え性
体全体が冷え、基礎体温が低い(35度台)タイプです。甲状腺機能低下症・貧血・低血圧など疾患が原因のこともあるため、医療機関での検査が必要な場合があります。
冷え性の改善方法:食事・運動・入浴
冷えに効く食事
体を温める食材として、生姜・にんにく・ねぎ・根菜類(ごぼう・にんじん・れんこん)・発酵食品などが有効です。逆に生野菜・冷たい飲み物・白砂糖・アルコールは体を冷やす働きがあるため、冷え性の方は控えめにするのが望ましいです。
体を温めるためにはタンパク質の摂取も重要です。筋肉が熱産生の主要な場所であるため、肉・魚・卵・豆類などタンパク質を十分に摂ることが冷え性改善に直結します。
運動・筋トレ
冷え性改善に最も効果的な方法の一つが筋肉量を増やすことです。スクワット・ランジなど下半身の大きな筋肉を動かす運動が特に有効です。また、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も血行促進に効果的です。
デスクワーク中はこまめに立ち上がってストレッチを行い、長時間同じ姿勢でいることを避けましょう。
入浴・温活
38〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分間全身浴するだけで血行が促進されます。シャワーだけで済ませず、毎日湯船に浸かる習慣をつけましょう。炭酸ガス系の入浴剤や生姜湯も血行促進効果が期待できます。
冷え性に効く漢方薬
冷え性に対して漢方薬が有効な場合があります。代表的なものとして、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・加味逍遥散(かみしょうようさん)などが、それぞれのタイプに応じて処方されます。
市販でも購入できますが、自分のタイプに合ったものを選ぶことが重要です。漢方専門医や薬剤師に相談して選択するのが望ましいでしょう。
冷え性が病気のサインである場合
全身冷え性や突然の冷えには、甲状腺機能低下症・貧血・低血圧・糖尿病の末梢神経障害などが背景にある場合があります。冷えとともに疲れやすさ・体重増加・むくみ・皮膚の乾燥・抜け毛などが見られる場合は、血液検査で甲状腺ホルモンやフェリチンを調べてもらいましょう。
まとめ:タイプを知って正しいアプローチを
冷え性の改善には、自分のタイプを把握して適切な対策を取ることが大切です。末端冷え性なら筋力アップ・血行促進、内臓冷え性なら食事内容の見直し・温かい食べ物を心がけることが有効です。
生活習慣の改善(運動・食事・入浴)を継続することで多くの場合は改善が期待できます。ただし、疾患が疑われる場合は自己流の対処だけでなく、医療機関を受診して原因を確認することが根本的な解決への近道です。










