膝の痛みの原因と治療法|変形性膝関節症の症状・予防・運動療法を解説

「階段の上り下りがつらい」「正座ができなくなった」など、膝の痛みは年齢を重ねるとともに多くの方が経験する症状です。特に変形性膝関節症は、40歳以上の方に非常に多く見られ、進行すると日常生活に大きな支障をきたします。

本記事では、膝の痛みの原因として最も多い変形性膝関節症について、その症状や治療法、予防策を詳しく解説します。膝の健康を守り、いつまでも自分の足で歩くための参考にしてください。

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかることで痛みや炎症が起こる病気です。日本では約2,500万人以上が罹患していると推定され、特に女性に多い傾向があります(男女比1:4)。

40歳以上では男性の約43%、女性の約62%にレントゲン上の変化が見られるという報告もあり、非常に身近な疾患といえます。

膝の痛みの原因

変形性膝関節症の原因は大きく2つに分類されます。

一次性(約90%)

明らかな原因疾患がなく、加齢、肥満、生活習慣などの複合的な要因によって軟骨がすり減るタイプです。

BMIが5上昇すると発症リスクが約1.3倍になるとの報告があり、体重管理が重要です。また、O脚の方は膝の内側に負担がかかりやすく、発症リスクが高まります。

二次性

半月板損傷、靱帯損傷、骨折などの外傷や、関節リウマチ、痛風などの疾患が原因で発症するタイプです。スポーツによるケガや事故後に発症することがあります。

変形性膝関節症の症状

症状は進行度によって異なります。

初期症状

立ち上がるときや歩き始めに膝がこわばる、違和感がある程度で、動き出すと楽になります。正座がしにくくなることもあります。この段階で適切な対策を取ることが重要です。

中期症状

階段の上り下りで痛みを感じるようになり、特に下りで強くなります。膝に水がたまる(関節水腫)こともあり、曲げ伸ばしがつらくなります。

進行期症状

安静にしていても痛みが続き、歩行が困難になります。膝が完全に伸びなくなったり、O脚の変形が目立つようになったりします。

変形性膝関節症の治療法

治療は保存療法を第一選択とし、症状の改善が見られない場合に手術を検討します。

運動療法

大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)を鍛えることが最も重要です。膝を支える筋力が強くなることで、関節への負担が軽減されます。

椅子に座った状態で膝をゆっくり伸ばす運動や、仰向けに寝て足を上げる運動が効果的です。水中ウォーキングも膝への負担が少なくおすすめです。

薬物療法

消炎鎮痛薬(内服・外用)で痛みを和らげます。膝関節内へのヒアルロン酸注射は、軟骨の保護と潤滑作用があり、広く行われています。

物理療法・装具療法

温熱療法で血行を促進し、痛みを和らげます。膝のサポーターや足底板(インソール)を使用することで、膝への負担を軽減することもできます。

手術療法

保存療法で改善しない場合は、関節鏡手術、骨切り術、人工膝関節置換術などの手術が検討されます。人工関節手術は痛みの改善と歩行機能の回復に高い効果があります。

膝の痛みを予防する方法

日常生活での心がけで、膝の痛みを予防・軽減することができます。

体重管理

肥満は膝への最大の負担です。適正体重を維持することで、軟骨のすり減りを防ぐことができます。

筋力トレーニング

大腿四頭筋を中心に、膝周りの筋肉を鍛えましょう。毎日少しずつでも継続することが大切です。

生活習慣の工夫

正座を避け、椅子を使う生活スタイルに切り替えましょう。洋式トイレの使用もおすすめです。膝を冷やさないように注意し、入浴で温めることも効果的です。

長時間の立ち仕事や重い荷物の持ち運びは避け、適度に休憩を取りましょう。

まとめ

膝の痛みの原因として最も多いのは変形性膝関節症で、加齢や肥満、生活習慣が主な原因です。初期には立ち上がりや歩き始めの痛み、進行すると階段昇降の困難や安静時の痛みが現れます。

治療は運動療法が基本で、大腿四頭筋を鍛えることが重要です。薬物療法やヒアルロン酸注射、必要に応じて手術も選択肢となります。

予防には体重管理、筋力トレーニング、正座を避けるなどの生活習慣の工夫が効果的です。膝の痛みを感じたら早めに整形外科を受診し、適切な治療を始めることで、症状の進行を抑えることができます。いつまでも自分の足で歩き続けるために、膝の健康を大切にしましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。