狭心症と聞くと、少しびっくりしてしまいますよね。心臓の病気だよね、ということはわかりますが体にどんな影響があるのでしょうか?
今回は、わかるようで分かりづらい狭心症とは何か、狭心症の症状や前兆、そして、狭心症と心筋梗塞との違い、狭心症の治療方法について詳しく解説していきます!
目次
狭心症とは?
そもそも狭心症とは一体何なのでしょうか?
狭心症とは、心臓の一部に血流が減少することによって引き起こされる疾患のことです。
狭心症をわかりやすく言うと、心臓の血液が詰まってしまって十分に影響が行き渡らなくなる病気です。
心臓の冠動脈(かんどうみゃく)が詰まって狭くなり、十分な酸素や栄養分が届かなくなるために起こります。
重篤な場合は心臓発作を引き起こすこともあります。
狭心症の検査方法や詳しい内容については以下もご参考ください
狭心症の前兆はあるの?
狭心症の前兆として以下があります
- 胸の痛みや不快感
- 息切れ
- 疲れ
- 動悸
狭心症の前兆を引き起こす原因は様々ですが、以下が一般的なものです
動脈硬化
動脈壁が詰まって血流が減少することが原因です。これは高脂肪食、高コレステロール、高血圧などのライフスタイルと関連しています。
血栓
動脈に血栓が形成され、血流が減少することが原因です。これは静脈瘤、心臓手術、長期的な不動、長期的な病気などと関連しています。
心臓筋の異常
心臓筋が不健全なために血流が減少することが原因です。これは心疾患、食事療法、過度の運動などと関連しています。
高血圧
血圧が高いために動脈が詰まり、血流が減少することが原因です。これは過度のアルコール摂取、ストレス、過度の食事などと関連しています。
糖尿病
血糖値が高いために動脈が詰まり、血流が減少することが原因です。これは過度の食事、不健康な生活習慣、体重増加などと関連しています。
高脂血症
血液中の脂質のレベルが高いために動脈が詰まり、血流が減少することが原因です。これは過度の食事、不健康な生活習慣、体重増加などと関連しています。
狭心症は、これらの原因を持つ人々により高いリスクがあります。狭心症の発病リスクを減らすためには、健康的な生活習慣を維持することが大切です。
狭心症の症状は?どんなものがある?
狭心症には、3つの種類があります。以下がその解説です。
1.安定狭心症(労作性狭心症<ろうさせい>)
安定狭心症(Stable Angina)は、心臓からの血液供給が不足すると引き起こされます。
階段を上がったり、重いものを持ったり、運動をしたり、心理的なストレスを受けたりしたときに、胸に痛みや圧迫感を覚えるのが一つの特徴です。
通常、運動やストレスなどの原因で引き起こされますが、一定の時間後に自然に治まります。
この病気には、胸の痛み、息切れ、頭痛などがある場合があります。医師に診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
2.不安定性狭心症
不安定狭心症(Unstable Angina)は、安定狭心症とは異なり、突然起こり、長期間続くことがあります。
また、運動やストレス以外の原因でも起こる場合があります。それまで症状が安定していた人にそうした変化が現われたら、危険な兆候と言えます。
この病気は、心臓発作(心臓麻痺)や心臓停止などの予兆となることもあり、重症である可能性があります。
痛みが強くなる、発作の回数が増える、少しの動作や安静状態でも発作が起こるといった、痛みや圧迫感のパターンが変化します。
冠動脈が急速に狭まりつつあることを示している可能性があるので、不安定狭心症の患者は、急性期には速やかな治療を受けることが大切です。
3.異型狭心症
異型狭心症(Variant Angina)は、寝ているときや、安静にしているときに発症することが多いです。
胸の痛みは急性的に発症し、長時間続くことがあります。
これは、冠動脈が一時的に痙攣(けいれん)を起こして収縮して、血流を途絶えさせることによって起こります
異型狭心症は、血管狭窄によって引き起こされることが多いですが、心筋梗塞や心臓発作とは異なります。
この病気の治療には、薬物療法や冠動脈バイパス手術などがあります。医師の指示に従って治療を受けることが大切です。
狭心症と心筋梗塞の違いとは?
狭心症と聞くと混乱してしまうのは、狭心症と心筋梗塞で何が違うのか、という点ですよね。
狭心症と心筋梗塞の違いをわかりやすく言うと、
- 狭心症=冠動脈がつまる(狭いがまだ通っている)
- 心筋梗塞=冠動脈がふさがる(完全に血流が止まってしまう)
という違いになります。
こうなると、狭心症よりも心筋梗塞のほうが段階が上で、血流が止まってしまう分、症状も深刻になってしまうと言えるでしょう。
詳しい違いとしては、
狭心症
心臓からの血液供給が不足して胸の痛みや息切れを引き起こす疾患で、狭心症は、血管狭窄によって引き起こされますが、心臓組織自体は健康な状態であることが多い。
心筋梗塞
血管の堵りによって心臓組織への血流が減少し、心臓組織が缺血死する疾患です。心筋梗塞は、狭心症が長期間続いたり、急激に悪化したりする場合に起こることもあります。
両者も同じ心臓についての病気ですが、それぞれで対応が異なるので医師に相談しましょう。
狭心症の治療方法はある?
狭心症の治療方法は様々な方法が、その人の状況によって選ばれます。
狭心症の治療方法は以下のようなものがあります。
薬物療法
狭心症の治療には、薬物療法が使用されます。除細動薬、β遮断薬、ステロイド薬、酸化ストレス阻害薬などがあります。
生活習慣の改善
喫煙のやめ、適度な運動、健康的な食生活などが推奨されます。
手術
冠動脈バイパス手術や冠動脈ステント治療などがあります。手術は、狭心症の治療として有効であり、心筋梗塞の危険性を低減することもできます。
心臓カテーテル検査
狭心症の治療に必要な情報を収集するために行われます。この検査は、血管の状態や心臓の仕事状況を調べることができます。
これらの治療方法は個々の患者の状況に応じて適切に決定されます。医師の指示に従って治療を受けることが大切です。
狭心症のとき食べてはいけないものはある?
どこでも言われることですが、狭心症であってもなくても、バランスのよい食事と適度な運動を心がけたほうがいいでしょう。
特に心臓に負担をかけるため、避けたほうがいいものの代表例としては、以下が挙げられます。
高脂肪食品
牛肉、豚肉、チキン皮、油揚げなどの高脂肪食品は避けるべきです。
食塩
多量の食塩を含む食品は避けるべきです。これには塩分が多い食品、キャンベルのような加工食品、缶詰などが含まれます。
過度なカフェイン
コーヒー、紅茶、エナジードリンクなどの高カフェイン飲料は避けるべきです。
高グリコーゲン食品
白いパン、ピザ、パスタなどの高グリコーゲン食品は避けるべきです。
これらの食品は、血圧の増加や心臓の負担の増加などを引き起こす可能性があります。
狭心症の治療には、健康的な食生活も重要な要素です。心臓に優しい食生活を心がけ、医師の指示に従うことが大切です。