痛風とは?症状・原因・治療法・予防法を徹底解説

痛風は、尿酸値の上昇により関節に炎症を引き起こす疾患で、突然の激しい痛みが特徴です。特に足の親指の付け根に発症しやすく、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

男性に多く、現代の食生活や生活習慣の乱れが発症リスクを高めています。本記事では、痛風の症状、原因、診断方法、治療法、予防策について詳しく解説し、痛風に対する理解を深めることを目的としています。

痛風とは?基本的な知識をわかりやすく解説

痛風は、血液中の尿酸が過剰になり、関節に尿酸結晶が沈着することで炎症を引き起こす疾患です。

血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断され、特に痛風のリスクが高まります。尿酸は、体内でプリン体と呼ばれる物質が代謝されることで生成され、通常は腎臓から尿として排泄されます。

しかし、尿酸の生成量が多すぎる、または排泄がうまくいかないと血液中に尿酸が蓄積し、結晶化して関節に沈着します。

この結晶が免疫系を刺激し、激しい炎症と痛みを引き起こします。特に冷えやすい末端部位(足の指や膝など)に結晶が沈着しやすく、初回の発作はほとんどが足の親指の付け根に現れます。

痛風の主な症状と診断方法

主な症状

痛風の代表的な症状は、関節の激しい痛み、腫れ、発赤、熱感です。これらは通常、突然に発症し、夜間や早朝に痛みで目が覚めるほどの激痛を伴うことが多いです。関節を少しでも動かすと強い痛みが生じ、衣類や布団が触れるだけでも耐え難い感覚になる場合があります。

作は通常、数日から1週間程度で自然に軽快しますが、治療を行わない場合は再発を繰り返し、発作の頻度が増加し、関節の変形や腎機能障害などの合併症を引き起こすこともあります。慢性期には、皮下に痛風結節と呼ばれる硬いしこりが現れることもあります。

診断方法

痛風の診断には、まず血液検査によって尿酸値を測定します。発作時は尿酸値が一時的に正常になることもあるため、平常時の定期的な検査が重要です。さらに、関節液を採取して顕微鏡で観察することで、尿酸結晶の有無を確認できます。

加えて、X線や超音波検査を用いて関節の状態を評価し、他の関節炎(リウマチや感染性関節炎など)との鑑別を行います。痛風が進行している場合は、尿酸結節や関節破壊などが画像で確認されることがあります。

痛風の原因を理解する リスク要因と予防法

主な原因とリスク要因

痛風の主な原因は、尿酸の過剰な産生や排泄の低下です。尿酸の生成には食事からのプリン体摂取も関与しており、内因性(体内代謝による)と外因性(食事などからの摂取)の両面から影響を受けます。以下のようなリスク因子が痛風の発症を高めます

  • プリン体を多く含む食品の摂取(レバー、魚卵、干物、肉類など)
  • アルコール(特にビール、日本酒)
  • 肥満やメタボリックシンドローム
  • 慢性的な腎機能低下
  • 脱水状態や激しい運動の後
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症
  • 遺伝的要因

予防法

予防には、尿酸値のコントロールとリスク因子の管理が重要です。食生活の見直しやアルコール制限、肥満の解消に加え、十分な水分補給によって尿中への尿酸排泄を促すことが有効です。特にビールはプリン体が多く含まれる上に尿酸の排泄も妨げるため、控えるべきとされています。

また、ストレスや過労も体内の代謝バランスを崩し、尿酸値を上げる要因になります。心身の安定を保つことも予防の一環として重要です。

痛風の治療法を詳しく解説:最新の医療と対策

発作時の治療

痛風発作が起きた際には、まず炎症と痛みを抑える治療が中心となります。以下の薬剤が主に使用されます

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):インドメタシン、ナプロキセンなど
  • コルヒチン:発作初期に用いると効果的ですが、副作用に注意が必要です
  • ステロイド:NSAIDsが使用できない場合や重症例に対して使用されます

安静と患部の冷却も有効で、発作中は関節をできるだけ動かさず、安静に保つことが望まれます。

発作がない時期の治療

発作が落ち着いた後は、再発予防を目的に尿酸値を管理する薬物療法が行われます。代表的な薬剤は以下の通りです

  • 尿酸産生抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット)
  • 尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシド)

尿酸値は6.0mg/dL以下に維持することが目標とされ、治療には継続的な通院と生活習慣の改善が不可欠です。服薬開始初期には痛風発作が誘発されることがあるため、医師の指導のもと段階的に治療を進めます。

痛風を予防するための生活習慣と注意点

痛風の予防には、以下のような日常生活の見直しが効果的です:

  • 食事の改善:プリン体の少ない食材を選び、野菜、海藻、きのこ類、低脂肪乳製品などを積極的に取り入れます。過食を避け、腹八分目を心がけましょう。
  • アルコールの制限:ビールや日本酒を避けるだけでなく、全体のアルコール摂取量を減らすことが推奨されます。休肝日を設けるのも効果的です。
  • 運動の習慣化:肥満を解消し、代謝を改善するために、週3回以上の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を取り入れます。
  • 水分補給:1日2リットルを目安に水分を摂取することで、尿酸の排泄が促進されます。
  • 医療との連携:尿酸値や腎機能、血圧などの定期的なチェックを受け、必要に応じて医師と相談しながら治療を継続します。

まとめ

痛風は、尿酸値の管理と生活習慣の見直しによって予防・改善が可能な疾患です。発作の激痛は日常生活に大きな影響を与えるため、初期段階での対応が極めて重要です。

早期に症状を認識し、適切な診断と治療を受けることで、発作の頻度を減らし、合併症を防ぐことができます。特に高尿酸血症と診断された方や、家族に痛風歴がある方は、自分の体と向き合い、継続的なケアを行うことが求められます。

日々の食事や運動、水分摂取に注意を払い、無理のない範囲で生活を改善していくことで、健康な体を維持しましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。