最近たまに見かける「溶連菌感染症」の文字。しかし意外とどんな病気でどんなものなのかピンときませんよね。。
今回はそんな溶連菌感染症はそもそも何なのか、溶連菌感染症の原因や症状、大人も感染するのか、潜伏期間はどのくらいなのかについて解説していきます。
目次
溶連菌感染症とは?
溶連菌感染症は、主にA群溶血性連鎖球菌(GAS)によって引き起こされる細菌感染症です。
この細菌は咽頭や皮膚に感染し、特に咽頭炎(喉の感染症)として知られていますが、皮膚感染症や他の組織にも影響を与えることがあります。溶連菌感染症は特に子供に多く見られますが、大人も感染することがあります。
溶連菌感染症の原因は?
溶連菌感染症の原因は、A群溶血性連鎖球菌(GAS)の感染です。
この細菌は飛沫感染や接触感染によって広がります。
感染者が咳やくしゃみをする際に飛び散る飛沫を吸い込んだり、感染者が触れた物に触れることで感染することがあります。
感染経路
- 飛沫感染: 感染者の咳やくしゃみから飛び散る飛沫を吸い込むことで感染します。
- 接触感染: 感染者が触れた物(ドアノブ、タオルなど)に触れ、その手で口や鼻に触れることで感染します。
溶連菌感染症の症状は?
溶連菌感染症の症状は、感染部位によって異なります。以下に代表的な症状を挙げます。
咽頭炎(喉の感染)
- 喉の痛み: 特に急激に喉の痛みが現れるのが特徴です。
- 発熱: 高熱(38.5度以上)になることが多いです。
- 咽頭の赤みや腫れ: 喉が赤く腫れることがあります。
- 扁桃腺の白い斑点: 扁桃腺に白い膿の斑点が見られることがあります。
- リンパ節の腫れ: 首のリンパ節が腫れ、触ると痛みを感じることがあります。
- 発疹: 体に赤い発疹が出ることがあり、これを猩紅熱(しょうこうねつ)と呼びます。
皮膚感染
- 蜂窩織炎(ほうかしきえん): 皮膚や皮下組織に炎症が起こり、赤く腫れて痛みを伴います。
- 丹毒(たんどく): 皮膚が赤く腫れ、境界がはっきりとした発疹が出ます。
溶連菌感染症は大人も感染する?
溶連菌感染症は子供に多く見られる感染症ですが、大人も感染することがあります。
特に免疫力が低下している場合や、感染者と密接な接触がある場合にリスクが高まります。
大人の場合、症状が子供よりも軽度であることが多いですが、重症化することもあるため、早期の診断と治療が重要です。
溶連菌感染症の潜伏期間は?
溶連菌感染症の潜伏期間は一般的に2~5日程度です。
この期間は、細菌が体内で増殖し始め、症状が現れるまでの時間を指します。潜伏期間中でも感染力があり、他人に感染させる可能性があるため、早期の予防と対策が重要です。
溶連菌感染症の治療方法は?
溶連菌感染症の治療には、主に抗生物質が使用されます。
抗生物質は、細菌を殺すか、その増殖を抑えることで症状を改善し、感染の広がりを防ぎます。以下に、治療の主な方法を詳しく説明します。
抗生物質治療
- ペニシリン系: 最も一般的に使用されるのはペニシリンやアモキシシリンです。これらは細菌の細胞壁を破壊することで効果を発揮します。
- セファロスポリン系: ペニシリンにアレルギーがある場合には、セファロスポリン系の抗生物質が使用されることがあります。
- マクロライド系: ペニシリンアレルギーがある場合や、他の抗生物質が効果がない場合には、エリスロマイシンなどのマクロライド系が使用されることがあります。
症状緩和
- 鎮痛剤: 喉の痛みや発熱を和らげるために、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛剤が使用されます。
- 水分補給: 十分な水分を摂取することで、喉の乾燥を防ぎ、体内のバランスを保ちます。
- 安静: 体を休めることで、免疫システムが感染と戦いやすくなります。
予防策
- 手洗い: 感染を防ぐ最も効果的な方法の一つは、手をこまめに洗うことです。
- マスクの着用: 感染者と接触する場合には、マスクを着用することで飛沫感染を防ぐことができます。
- 消毒: 感染者が触れた物を消毒することで、間接的な感染を防ぎます。
治療の継続
抗生物質を処方された場合、症状が改善しても医師の指示に従い、処方された薬を全て飲み切ることが重要です。途中で服用を止めると、細菌が完全に排除されず、再発や耐性菌の発生を引き起こす可能性があります。
終わりに
溶連菌感染症は一般的な感染症ですが、適切な治療と予防策を講じることで、重症化を防ぎ、感染の拡大を抑えることができます。
早期の診断と治療が重要であり、症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することをお勧めします。また、感染を予防するために、日常生活において手洗いやマスクの着用、消毒などの基本的な対策を徹底することが重要です。