男性の胃がんを予防するには?ピロリ菌除菌の重要性と生活習慣の見直し

胃がんは日本人男性に多く見られるがんの一つであり、早期の予防と対策が重要です。

特に中高年の男性では、喫煙や飲酒、食生活の乱れがリスクとなるだけでなく、ピロリ菌感染が最も強い危険因子として知られています。胃がんの発症を防ぐためには、日常生活の見直しとともに、ピロリ菌の有無を確認し、必要に応じて除菌を行うことが極めて重要です。

本記事では、胃がんの予防方法やピロリ菌除菌の意義、日常生活で気をつけたいポイントについて詳しく解説します。

胃がんの主な原因と男性に多い理由

胃がんの発症にはさまざまな因子が関係していますが、主な原因として以下が挙げられます。

ピロリ菌感染

日本人の胃がんの多くはヘリコバクター・ピロリ菌(H. pylori)の感染が引き金になっているとされています。ピロリ菌は胃の粘膜に長くとどまり、慢性的な炎症を引き起こし、萎縮性胃炎や胃潰瘍を経てがん化するリスクを高めます。

男性に多い生活習慣

男性は女性に比べて、喫煙、塩分の多い食事、飲酒などの胃に負担のかかる生活習慣が多い傾向があります。これらはピロリ菌の影響と相まって、胃がんの発症リスクをさらに高めます。

年齢と遺伝

50代以降は胃がんのリスクが急増し、家族に胃がんの既往がある人も注意が必要です。

ピロリ菌の除菌がなぜ大切なのか?

ピロリ菌の除菌でがんのリスクを大幅に低減

ピロリ菌に感染している人が除菌治療を行うことで、胃がんの発症リスクを最大3分の1程度に減らすことが可能とする研究結果が複数報告されています。

除菌治療の流れ

  1. 胃の内視鏡検査や血液・尿検査などでピロリ菌感染の有無を確認
  2. 感染が認められた場合、抗菌薬と胃酸抑制薬の1週間程度の服用で除菌を行う
  3. 除菌後、再検査で効果を確認

なお、除菌後も年に一度の内視鏡検査を継続することが重要です。すでに胃の粘膜が変性しているケースも多いため、定期的なフォローが必要です。

胃がんを予防するための日常習慣

塩分を控えた食生活

過剰な塩分摂取は胃の粘膜を傷つけ、胃がんリスクを高めるとされています。漬物や干物、インスタント食品の摂取を控え、和食でも薄味を意識することが大切です。

野菜・果物を多く摂る

ビタミンCや食物繊維は胃の健康を保つ効果があります。緑黄色野菜や果物を積極的に取り入れる食事を心がけましょう。

禁煙と節酒

タバコは胃がんを含む多くのがんの原因となり、アルコールも過剰摂取は胃に悪影響を及ぼします。可能な限り禁煙し、節度ある飲酒を意識することが重要です。

ストレス管理

慢性的なストレスは胃の粘膜を弱くし、消化器官全体に影響を与えることがあります。適度な運動や趣味の時間を持つなど、リフレッシュの習慣も予防につながります。

ピロリ菌対策と生活習慣の見直しが鍵

胃がんの予防は、早期からのピロリ菌チェックと除菌治療の実施、そして日々の生活習慣の改善が最も効果的な方法です。

特にリスクが高まりやすい中年以降の男性は、定期的な健康診断と内視鏡検査、バランスの取れた生活を実践することで、将来的な胃がんリスクを大幅に軽減できます。

「自分はまだ大丈夫」と思わずに、できることから早めに取り組んでいきましょう。

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20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。