バリウム検査とは?胃透視の流れ・前処置・飲み方・副作用を徹底解説

人間ドックや健康診断でおなじみのバリウム検査(胃透視検査)は、胃の形態や粘膜の状態を観察するための重要な検査です。

バリウムを飲んでX線撮影を行うこの検査は、胃がんや胃潰瘍、ポリープなどの早期発見に役立ちますが、独特の飲みにくさや検査後の便秘などに不安を感じる方も少なくありません。

本記事では、バリウム検査の仕組みから前処置、飲み方のコツ、検査後の注意点まで詳しく解説し、安心して検査を受けていただけるよう情報をお届けします。

バリウム検査(胃透視検査)とは?基本的な仕組みを解説

バリウム検査は、正式には「上部消化管X線検査」または「胃透視検査」と呼ばれる画像診断検査です。

造影剤である硫酸バリウムを飲み、X線を照射して胃の内部を撮影することで、胃の形態異常や粘膜の変化を確認します。

硫酸バリウムは人体に吸収されない物質で、X線を通さない性質を持っています。

そのため、バリウムが胃の粘膜に付着した状態でX線撮影を行うと、胃の輪郭や粘膜のひだ、凹凸などが白く映し出され、異常の有無を判断することができます。

検査時間は通常10〜15分程度で、体位を変えながら複数の角度から撮影を行います。

バリウム検査で発見できる病気と検査の目的

バリウム検査では、さまざまな胃の疾患を発見することが可能です。

最も重要な目的は胃がんの早期発見であり、定期的な検査により早期段階での発見率を高めることができます。

胃がん

バリウム検査で最も注目される疾患が胃がんです。

粘膜面の不整や陥凹、隆起性病変などの形態変化を捉えることで、早期胃がんの発見につながります。

特に進行がんでは、胃壁の硬化や狭窄なども確認できるため、病変の広がりを把握する上でも有用です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の粘膜が傷ついてできる潰瘍も、バリウム検査で発見されることがあります。

潰瘍部分にバリウムが溜まることで、ニッシェと呼ばれる特徴的な所見として描出されます。

胃ポリープ

胃粘膜にできる良性の隆起性病変であるポリープも、バリウム検査で確認できます。

ポリープの大きさや形状、数などを把握し、経過観察や精密検査の必要性を判断します。

慢性胃炎・萎縮性胃炎

胃粘膜のひだの変化や萎縮の程度を観察することで、慢性的な胃炎の状態を評価することができます。

萎縮性胃炎は胃がんのリスク因子とされており、定期的な経過観察が推奨されます。

バリウム検査の前処置と準備方法

バリウム検査を正確に行うためには、適切な前処置と準備が欠かせません。

胃の中を空にした状態で検査を受けることで、鮮明な画像を得ることができます。

検査前日の注意事項

検査前日は、夕食を21時までに済ませることが一般的なルールです。

消化の良い食事を心がけ、脂っこいものや繊維質の多い食品は避けましょう。

アルコールの摂取も控えることが推奨されます。

検査当日の注意事項

検査当日は、朝から絶食となります。

水やお茶などの水分摂取も原則として禁止されますが、少量の水で薬を服用することは認められる場合があります。

喫煙も胃液の分泌を促すため、検査前は控えてください。

服用中の薬がある場合は、事前に医療機関に確認することが重要です。

バリウムの飲み方のコツと検査の流れ

バリウム検査で多くの方が苦労するのが、バリウムの飲みにくさです。

しかし、いくつかのコツを知っておくことで、スムーズに検査を受けることができます。

発泡剤の服用

検査開始時に、まず発泡剤を少量の水で飲みます。

この発泡剤は胃を膨らませて粘膜のひだを伸ばし、より詳細な観察を可能にします。

発泡剤を飲んだ後はゲップを我慢することが重要で、胃が十分に膨らんだ状態を維持する必要があります。

バリウムの飲み方

バリウムは約100〜150ml程度を指示に従って飲みます。

一気に飲み干す必要はなく、数回に分けて飲むこともできます。

飲みにくいと感じる場合は、息を止めて一気に流し込むようにすると比較的楽に飲めることがあります。

最近のバリウムは味や飲みやすさが改良されており、以前ほどの苦痛はなくなっています。

検査中の体位変換

バリウムを飲んだ後、検査台の上でさまざまな体位をとりながら撮影を行います。

右を向いたり、左を向いたり、うつ伏せになったり、仰向けになったりと、技師の指示に従って体位を変えます。

これにより、胃の各部位にバリウムを行き渡らせ、あらゆる角度から観察することが可能になります。

検査後の下剤服用と白い便について

バリウム検査後は、体内に残ったバリウムを速やかに排出することが重要です。

バリウムは時間が経つと腸内で固まる性質があるため、検査後に下剤が処方されます。

下剤の服用方法

検査終了後、医療機関から下剤が渡されます。

通常は検査直後に服用し、その後も水分を多めに摂取することが推奨されます。

下剤の効果が現れるまでの時間は個人差がありますが、数時間から半日程度で排便が促されます。

白い便が出る理由

バリウム検査後は、白い便が排出されます。

これはバリウムがそのまま便として排出されるためで、異常ではありません。

通常、1〜2日程度で便の色は元に戻ります。

白い便が出なかったり、便秘が続く場合は医療機関に相談してください。

水分摂取の重要性

検査後は意識的に水分を多く摂取することが大切です。

水分をしっかり摂ることでバリウムの排出が促進され、便秘を予防することができます。

検査当日から翌日にかけて、1.5〜2リットル程度の水分摂取を心がけましょう。

バリウム検査の副作用と注意すべき症状

バリウム検査は安全性の高い検査ですが、いくつかの副作用や注意点があります。

事前に知っておくことで、適切に対処することができます。

便秘

最も多い副作用が便秘です。

バリウムが腸内で固まると排出が困難になるため、下剤の服用と十分な水分摂取が重要です。

2〜3日経っても白い便が出ない場合は、早めに医療機関を受診してください。

腹痛・腹部膨満感

発泡剤による胃の膨張や、バリウムによる腸への刺激で、一時的に腹痛や膨満感を感じることがあります。

通常は時間の経過とともに改善しますが、激しい痛みが続く場合は医療機関に相談してください。

アレルギー反応

まれにバリウムに対するアレルギー反応が起こることがあります。

じんましん、かゆみ、呼吸困難などの症状が現れた場合は、直ちに医療スタッフに伝えてください。

過去にバリウムでアレルギー反応を起こしたことがある方は、事前に申告することが必要です。

バリウム検査を受けられない方・注意が必要な方

バリウム検査には、受けられない方や注意が必要な方がいます。

該当する場合は、代替の検査方法を検討することが推奨されます。

妊娠中または妊娠の可能性がある方は、X線被曝のリスクがあるため検査を受けられません。

また、腸閉塞の既往がある方、消化管穿孔のリスクがある方、重度の便秘がある方も注意が必要です。

バリウムに対するアレルギーがある方、誤嚥のリスクが高い高齢者なども、医師との相談の上で検査の可否を判断します。

まとめ

バリウム検査(胃透視検査)は、胃がんをはじめとする胃の疾患を発見するための重要なスクリーニング検査です。

検査前日からの絶食、発泡剤とバリウムの服用、検査後の下剤服用と十分な水分摂取が、検査を安全かつ正確に行うためのポイントとなります。

バリウムの飲みにくさや検査後の便秘に不安を感じる方も多いですが、適切な準備と対処を行えば、大きな負担なく検査を受けることができます。

定期的な検査により胃がんの早期発見につなげることが最も重要ですので、年に一度の健康診断や人間ドックでのバリウム検査を積極的に活用してください。

検査に不安がある場合は、胃カメラ検査(内視鏡検査)という選択肢もありますので、医療機関に相談して自分に合った検査方法を選ぶことをおすすめします。