血液検査のCPKとは?基準値や高い・低い原因、筋トレや腎臓と関わりがある?

人間ドックや健康診断のとき、血液検査で計測されるCPK。パッと聞くとよくわかりませんよね。

今回は、そんな血液検査のCPKとはなにか、基準値や高値・低値になっている原因、CPKと激しい筋トレや腎臓の病気などとの関連がないかについて詳しく解説していきます。

血液検査のCPKとは?

CPK(クレアチンホスホキナーゼ)は、体内のエネルギー代謝に関与する酵素で、特に筋肉や心臓、脳などの組織で多く存在します。

CPKは、クレアチンと呼ばれる分子のリン酸基を転移させ、エネルギー供給を助ける役割を果たしています。

血液検査でCPKの値を測定することにより、筋肉や心臓の損傷や疾患の存在を評価することができます。

CPKは、3つのアイソザイム(CPK-MM、CPK-MB、CPK-BB)に分類され、それぞれが異なる部位に多く存在します。CPK-MMは主に骨格筋に、CPK-MBは心筋に、CPK-BBは脳に存在します。

血液中のCPKレベルが上昇することで、特定の組織や臓器の異常を判断することができます。

血液検査のCPKの基準値を知りたい

CPKの基準値は性別や年齢、検査機関によって若干異なる場合がありますが、一般的な基準値は以下の通りです。

  • 男性59~248 U/L
  • 女性41~153 U/L

これらの値はあくまで一般的なものであり、基準値は検査を受ける機関によって異なることがあります。検査結果を解釈する際は、医師や検査機関から提供された基準値を参考にすることが重要です。

血液検査のCPKが高い原因は?

血液中のCPKレベルが高い場合、以下のような原因が考えられます。

筋肉の損傷

筋肉の損傷や炎症は、CPKの値を大きく上昇させます。

激しい運動や筋トレ、筋肉の打撲や外傷などが原因となることが多いです。筋肉痛や腫れを伴うこともあります。

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉が酸素不足により壊死する状態です。

この場合、心筋のCPK-MBアイソザイムが血液中に放出されるため、CPKレベルが上昇します。心筋梗塞の疑いがある場合は、迅速な医療対応が必要です。

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは遺伝性の筋肉疾患で、筋肉の萎縮や弱化が進行します。

この疾患では、慢性的にCPKの値が高くなることがあります。

肝臓や腎臓の障害

肝臓や腎臓の機能障害もCPKの値を上昇させることがあります。

これらの臓器が正常に機能しない場合、体内の老廃物や酵素の代謝に影響を及ぼします。

薬剤の影響

特定の薬剤(例:スタチン系薬物)は筋肉に副作用を引き起こし、CPKの値を上昇させることがあります。

薬剤使用中にCPKの値が異常に高くなった場合は、医師に相談することが必要です。

血液検査のCPKが低い原因は?

CPKの値が低い場合、以下のような原因が考えられます。

筋肉量の減少

筋肉量が減少すると、CPKの値も低下します。これは、長期間の寝たきり状態や加齢による筋肉の萎縮が原因となることがあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症では、新陳代謝が低下し、筋肉のエネルギー代謝が減少します。その結果、CPKの値が低くなることがあります。

栄養不良

栄養不良や飢餓状態では、体内のエネルギー代謝が低下し、CPKの値が低くなることがあります。

特にタンパク質不足が影響を与えます。

血液検査のCPKと筋トレや激しい運動は関連している?

筋トレや激しい運動は、筋肉に微細な損傷を引き起こし、CPKの値を一時的に上昇させます。

これは筋肉の修復過程の一部であり、通常は数日以内に元のレベルに戻ります。

運動後にCPKの値が高くなることは異常ではありませんが、異常に高い場合や長期間続く場合は、医師の診断を受けることが重要です。

判断の基準は場合によって異なりますが、4桁の数値を超えることが慢性的に起こっているのであれば、医師の判断をあおいだほうがいいでしょう。

血液検査のCPKは腎臓の病気とどう関連しているの?

CPKの値が高い場合、特に急激に上昇した場合は、腎臓に負担をかける可能性があります。

これは、CPKの分解産物であるクレアチニンが腎臓を通じて排出されるためです。

急性腎不全(急性腎障害)は、CPKの値が極端に高くなる横紋筋融解症(筋肉の急激な崩壊)に関連することがあります。

腎臓の機能が低下すると、CPKの排出が妨げられ、血中のCPKレベルがさらに上昇することがあります。

まとめ

血液検査のCPKは、体内のエネルギー代謝や筋肉、心臓、脳の健康状態を評価するための重要な指標です。

CPKの基準値は性別や年齢によって異なりますが、一般的には男性で59~248 U/L、女性で41~153 U/Lです。

CPKの値が高い場合は筋肉損傷や心筋梗塞、薬剤の影響などが考えられ、低い場合は筋肉量の減少や甲状腺機能低下症などが原因と考えられます。

運動後にCPKの値が上昇することは通常の反応ですが、異常に高い場合や長期間続く場合は医師の診断が必要です。また、CPKの値が高いと腎臓に負担がかかる可能性があり、特に急性腎不全に関連する場合があります。

適切な診断と治療のために、血液検査の結果を専門医と共有し、必要な対応を行うことが重要です。