血液検査のCRP定量とは?基準値、高い原因や高値でどうなるのか、病気との関連について

血液検査のCRP定量ですが、炎症に反応するタンパクで手術や分娩などのときに血中に増加するものです。

今回はそんなCRP定量について、基準値はどのくらいか、CRPが高い原因や高値の場合どうなるのか、CRP定量と病気との関連について詳しく解説していきます。

血液検査のCRP定量とは?

血液検査のCRP定量とは、血液中のC反応性蛋白(C-reactive protein, CRP)の量を測定する検査です。

CRPは肝臓で生成される蛋白質で、炎症や感染症が体内で発生するとその濃度が急速に増加します。

そのため、CRPは炎症の程度や存在を評価するための重要なマーカーとされています。

CRP検査は、炎症性疾患の診断や治療効果の評価、手術後の感染症の早期発見などに利用されます。

また、急性の炎症反応だけでなく、慢性的な炎症状態を示すこともできるため、様々な病態のモニタリングに役立ちます。

血液検査のCRPの基準値を知りたい

血液検査のCRPの基準値は、一般的に0.14 mg/dL以下とされています。

この値を下回る場合、体内に顕著な炎症反応がないと判断されます。

ただし、基準値は検査を行う施設や使用する検査キットによって若干の差異がありますので、検査結果の解釈は医師に相談することが重要です。

血液検査のCRPが高い原因は?

CRPが高い原因は、体内で何らかの炎症や感染が発生していることを示唆します。具体的には以下のような原因が考えられます。

  1. 感染症
    • 細菌感染(例:肺炎、尿路感染症、敗血症など)
    • ウイルス感染(例:インフルエンザ、風邪など)
  2. 炎症性疾患
    • 関節リウマチ
    • 炎症性腸疾患(例:クローン病、潰瘍性大腸炎)
    • リウマチ熱
  3. 外傷や手術後
    • 外傷や手術に伴う組織損傷とその修復過程
  4. 慢性疾患
    • 糖尿病
    • 心血管疾患(例:心筋梗塞、動脈硬化)
  5. 腫瘍
    • 一部のがん(例:リンパ腫、骨髄腫)
  6. その他
    • 自己免疫疾患(例:全身性エリテマトーデス)
    • アレルギー反応

CRPが高いとどうなる?

CRPが高いことは、体内で何らかの炎症反応が進行していることを示しています。CRP値が高い場合、以下のような影響やリスクが考えられます。

  1. 炎症の存在
    • 体内のどこかで炎症が発生していることを示し、痛みや腫れ、発熱などの症状を引き起こすことがあります。
  2. 感染症のリスク
    • CRP値が急激に上昇する場合、感染症の存在が疑われます。特に細菌感染が疑われる場合、早期に適切な治療が必要です。
  3. 慢性疾患の悪化
    • CRPが高い状態が続くと、慢性疾患(例:心血管疾患、糖尿病など)の悪化が懸念されます。慢性的な炎症はこれらの疾患の進行を助長する可能性があります。
  4. 治療の評価
    • CRP値の変動は治療の効果を評価する指標として利用されます。治療が効果的であれば、CRP値は徐々に低下します。

CRPと関連のある病気について知りたい

CRPは様々な病気と関連しています。以下に主な関連疾患を挙げます:

  1. 感染症
    • 細菌感染症(例:肺炎、敗血症、尿路感染症)
    • ウイルス感染症(例:インフルエンザ、COVID-19)
  2. 炎症性疾患
    • 関節リウマチ:慢性的な関節の炎症を引き起こし、CRPが高値になることが多いです。
    • 炎症性腸疾患:クローン病や潰瘍性大腸炎など、消化管の炎症を伴う疾患でCRPが上昇します。
  3. 心血管疾患
    • 心筋梗塞:心臓の血管が詰まり、心筋が損傷する際にCRPが上昇します。
    • 動脈硬化:血管の炎症が進行し、CRPが慢性的に高い値を示すことがあります。
  4. 自己免疫疾患
    • 全身性エリテマトーデス(SLE):自己免疫反応が全身の臓器に炎症を引き起こし、CRPが上昇します。
    • リウマチ熱:溶血性連鎖球菌感染後に発症し、関節炎や心臓炎を引き起こすことがあります。
  5. 腫瘍
    • 一部のがん(例:リンパ腫、骨髄腫):腫瘍の進行に伴いCRPが上昇することがあります。
  6. その他の疾患
    • 肝疾患:肝炎や肝硬変などでCRPが高くなることがあります。
    • アレルギー反応:アレルギー性疾患においてもCRPが上昇することがあります。

CRPの値が高い場合、これらの疾患の可能性が考えられますが、正確な診断には他の検査結果や臨床症状を総合的に評価する必要があります。医師との相談の上で、適切な治療やフォローアップを行うことが重要です。