肺機能検査(スパイロメトリー)とは?検査方法・数値の見方・わかる病気を解説

健康診断や人間ドックで「肺機能検査」を受けたことはありますか。大きく息を吸って吐くという簡単な検査ですが、COPDや喘息など呼吸器疾患の早期発見に重要な役割を果たします。

本記事では、肺機能検査(スパイロメトリー)の検査方法から数値の見方、発見できる病気まで詳しく解説します。検査を受ける前に知っておきたい情報をお伝えします。

肺機能検査(スパイロメトリー)とは

肺機能検査は、呼吸によって肺から出入りする空気の量を測定し、肺の容積や気道の状態を調べる検査です。スパイロメトリーとも呼ばれ、呼吸器疾患の診断や経過観察に欠かせない基本的な検査となっています。

この検査によって、肺が十分に膨らむかどうか(拘束性障害)、空気の通り道が狭くなっていないか(閉塞性障害)を評価することができます。

検査の方法と流れ

肺機能検査は痛みを伴わない非侵襲的な検査です。検査時間は10〜15分程度で、以下の流れで行われます。

まず、鼻をクリップでとめ、マウスピースを口にくわえます。次に、通常の呼吸を数回繰り返した後、最大限に息を吸い込みます。そして、できるだけ速く、勢いよく一気に息を吐き出します

正確な測定のために、この動作を2〜4回繰り返し、最も良い結果を採用します。検査技師の指示に従い、全力で息を吐くことがポイントです。

検査でわかる主な数値

肺機能検査では複数の数値が測定されますが、特に重要なのは以下の2つです。

%肺活量(%VC)

性別・年齢・身長から算出される予測肺活量に対して、実際の肺活量がどの程度かを示す割合です。80%以下の場合は「拘束性障害」と判定され、肺が十分に膨らまない状態を示唆します。

間質性肺炎、じん肺、筋肉・神経の異常などで低下することがあります。

1秒率(FEV1%)

最大限に息を吸い込んだ後、勢いよく吐き出した空気のうち、最初の1秒間に吐き出された割合です。70%未満の場合は「閉塞性障害」と判定され、気道が狭くなっている状態を示します。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、慢性気管支炎などで低下します。COPDの診断には1秒率が最も重要な指標となります。

肺機能検査で見つかる病気

検査結果によって、以下のような病気が疑われます。

閉塞性障害が見られる病気

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長年の喫煙が主な原因で肺の組織が壊れ、空気の通り道が狭くなる病気です。息切れ、咳、痰が主な症状で、進行すると日常生活に支障をきたします。

気管支喘息は気道の慢性的な炎症により、発作的に気道が狭くなる病気です。慢性気管支炎、肺気腫なども閉塞性障害を示します。

拘束性障害が見られる病気

間質性肺炎は肺の組織が硬くなり、肺が十分に膨らまなくなる病気です。じん肺は粉塵を長期間吸入することで起こります。その他、胸膜の病気や神経筋疾患でも拘束性障害が見られることがあります。

混合性障害

閉塞性障害と拘束性障害の両方が認められる状態です。進行した呼吸器疾患や複数の病気が合併している場合に見られます。

検査前の注意点

正確な結果を得るために、検査当日は以下の点に注意してください。

上半身を締め付けない楽な服装で臨みましょう。検査直前の食事は避け、2時間程度空けることが望ましいです。

吸入薬を使用している方は、事前に医師に相談してください。また、風邪をひいている場合やぜんそくの発作が出ている場合は、検査を延期することがあります。

検査の限界と追加検査

肺機能検査(スパイロメトリー)単独では特定の疾患を診断することはできません。異常が見つかった場合は、胸部X線検査、胸部CT検査、血液検査などと組み合わせて総合的に評価します。

喫煙歴がある方や、息切れ・咳・痰が続く方は、肺機能検査を定期的に受けることでCOPDなどの早期発見につながります。

まとめ

肺機能検査(スパイロメトリー)は、呼吸によって肺から出入りする空気の量を測定し、呼吸器疾患の診断に役立つ検査です。主な指標は%肺活量と1秒率で、それぞれ拘束性障害と閉塞性障害の判定に用います。

1秒率70%未満はCOPDや喘息などの閉塞性障害、%肺活量80%以下は間質性肺炎などの拘束性障害を示唆します。検査は痛みがなく、10〜15分程度で終わります。

喫煙歴がある方、息切れや咳が続く方は、肺機能検査を受けて自分の肺の状態を確認することをおすすめします。早期発見により適切な治療を開始することで、症状の進行を抑えることができます。

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20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。