尋常性天疱瘡とは?原因・症状・口腔内の異常・診断・治療法まで徹底解説!

尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)は、自己免疫疾患の一つで、皮膚や粘膜に水ぶくれができる病気です。進行すると、口の中をはじめとする粘膜にも症状が現れ、食事や会話に支障をきたすことがあります

本記事では、尋常性天疱瘡の基本知識、発症原因、症状、診断方法、治療法について詳しく解説します。早期発見と適切な治療が大切な病気なので、正しい知識を身につけましょう。

尋常性天疱瘡とは何か?読み方から理解する基本ガイド

尋常性天疱瘡とは?

尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)は、皮膚や粘膜の細胞同士をつなぎとめるタンパク質(デスモグレイン)を自己免疫が攻撃してしまうことで発症する病気です。その結果、皮膚の表面がもろくなり、水ぶくれ(びらん)ができるのが特徴です。

尋常性天疱瘡の特徴

皮膚や粘膜に水ぶくれができやすい
水ぶくれが破れやすく、ただれが広がる
口の中の粘膜にも症状が現れやすい

進行すると食事や会話が困難になることもあるため、早期診断と治療が重要です。

尋常性天疱瘡の原因とは?症状と発症メカニズムを解説

発症の原因

尋常性天疱瘡の明確な原因は完全には解明されていませんが、自己免疫の異常が関係しているとされています。

考えられる要因

  • 遺伝的要因(家族に自己免疫疾患のある人)
  • ウイルスや感染症の影響
  • ストレスや過労
  • 薬剤の影響(特定の抗生物質や降圧剤)

主な症状

  1. 皮膚の症状

    • 水ぶくれが突然できる(体のどの部位にも発症する)
    • 水ぶくれが破れてただれになる
    • 傷が治りにくい
  2. 口腔内の症状

    • 口の中にびらん(ただれ)ができる
    • 食事や会話で痛みを感じる
    • 口内炎と間違えられることがある

尋常性天疱瘡の口腔内症状に注目!早期発見と治療のポイント

尋常性天疱瘡は、口腔内の症状から始まることが多いため、早期発見が重要です。

口腔内に見られる症状

歯ぐきや頬の内側にただれができる
口の中の皮膚がむけやすい
辛いものや熱いものを食べると痛みが強い
出血しやすい

口腔内症状の対処法

早めに皮膚科または歯科・口腔外科を受診する
刺激の少ない食事(やわらかいもの・冷たいもの)を摂る
口腔内を清潔に保つ(こまめにうがいをする)

口内炎と自己判断せず、症状が続く場合は専門医に相談することが大切です。

尋常性天疱瘡は難病?診断と治療法について詳しく解説

尋常性天疱瘡は難病指定されている?

尋常性天疱瘡は、日本で「指定難病」に指定されています。一定の基準を満たせば、医療費助成制度の対象となることがあります。

難病指定の基準

  • 症状が慢性的に続いている
  • 全身の皮膚や粘膜に影響を及ぼしている
  • 日常生活に支障をきたす

診断方法

皮膚生検(組織の一部を採取し、顕微鏡で確認)
血液検査(自己抗体の有無を調べる)
蛍光抗体法(皮膚に異常な抗体が沈着しているか確認)

治療法

  1. ステロイド治療(最も一般的)

    • 副腎皮質ステロイド薬で免疫の過剰反応を抑える
    • 高用量から開始し、徐々に減量
  2. 免疫抑制剤

    • 免疫系の異常な働きを抑えるために使用
  3. 生物学的製剤

    • 新しい治療法として研究が進められている

まとめ

尋常性天疱瘡は、自己免疫の異常によって皮膚や粘膜に水ぶくれやびらんを引き起こす病気です。

症状:水ぶくれ、ただれ、口の中の痛み
原因:自己免疫異常、遺伝的要因、ストレスなど
診断方法:皮膚生検、血液検査、抗体検査
治療法:ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤

早期発見・早期治療が重要な疾患なので、皮膚や口腔内に異常を感じたら、できるだけ早く皮膚科・歯科・口腔外科を受診することをおすすめします