MCVとは?基準値や血液検査で数値が高い・低いとどうなる?MCH/MCHCとの関わりについて

血液検査で見慣れない言葉が出ておや?と思ったことも多いのではないでしょうか?その代表例が、MCVだと思います。

今回は、血液検査でわかるMCVとは何か?そして、血液検査でMCVが高い・低いとどうなるのか、他の指標であるMCH/MCHCも合わせて詳しく解説していきます!

MCVとは?

MCV (Mean Corpuscular Volume) は、血液検査の一つの項目で、血液中の一つの血管内赤血球の大きさの平均値を表します。

MCVは、貧血の種類を特定するために使用されます。例えば、MCVが低い場合はマイクロシアミアと呼ばれる小さな赤血球を特徴とする貧血が疑われます。

一方、MCVが高い場合はメガロシアミアと呼ばれる大きな赤血球を特徴とする貧血が疑われます。

MCVの値は他の血液検査と組み合わせて使用することで、貧血の原因を正確に特定することができます。

ただし、MCVの値だけでは貧血の原因を特定することはできませんので、他の血液検査と組み合わせて使用することが重要です

MCVとMCHC/MCH

また、MCVと合わせてわかるのがMCHC/MCHです。

MCH (Mean Corpuscular Hemoglobin) と MCHC (Mean Corpuscular Hemoglobin Concentration) は、血液検査の項目です。

MCHは、血管内の1つの赤血球に含まれているヘモグロビン (赤血球に含まれている酸素を運ぶタンパク質) の平均量を表します。単位はピグロム (pg) です。

MCHは、貧血の原因を特定するために使用されます。例えば、MCHが低い場合は貧血が原因でヘモグロビンの数が減っていることが示されます。

MCHCは、血管内の1つの赤血球に含まれているヘモグロビンの量を、血管内の1つの赤血球の体積に対する割合として表したものです。単位はグラム/デシリットル (g/dL) です。

MCHCは、貧血の原因を特定するために使用されます。例えば、MCHCが低い場合は血管内の赤血球に含まれているヘモグロビンの量が少ないことが示されます。

というわけで、MCHは血管内の1つの赤血球に含まれているヘモグロビンの平均量を示しますが、MCHCは血管内の1つの赤血球に含まれているヘモグロビンの量を体積に対する割合として示します。

MCVの基準値は?

MCVの基準値は、以下とされています。

80~98fl

医療機関によって、若干基準が異なりますので注意してください。

MCVの数値でわかることは?

ここまでMCVなどの数値の説明をしてきましたが、みなさんが気になるのは、結局MCVが高いとどうなるの?ということだと思います。

結論から言うと、MCVでわかるのは貧血の種類となります。

  • MCV=赤血球の大きさ
  • MCH=赤血球1個あたりの平均ヘモグロビン量
  • MCHC=赤血球1個あたりのヘモグロビンの濃度

そして、MCVだけではなく、MCH/MCHCも合わせて比較して疑われる貧血を知る目安になります。

MCVが低い+MCHCが低い

  • 鉄欠乏性貧血
  • 鉄芽球性貧血
  • 慢性感染症

など

MCVがほぼ正常+MCHCが正常

  • 溶血性貧血
  • 再生不良性貧血
  • 白血病
  • 腎性貧血
  • 急性出血

など

MCVが高い+MCHCが正常

  • 巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症)

など

MCVが高いとどうなる?

MCVが高い場合は、上記の通り、巨赤芽球性貧血を疑ったほうがいいでしょう。

MCVは血液の中の、赤血球数の一個あたりの大きさを表します。

血管内の赤血球は、血液を循環させて体内の各器官へ酸素を運びます。

赤血球には、酸素を運ぶためのヘモグロビン (hemoglobin) が含まれています。血管内の赤血球が大きい場合、多くのヘモグロビンを含むことになります。

そして、ビタミンB12と葉酸は、赤血球が作られるときに必要とされます。

MCVが高いということは、より多くのビタミンB12と葉酸を使うことになりますから、意識して接種しないとどんどん不足していきます。

これが、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、いわゆる巨赤芽球性貧血といわれるものの簡単な仕組みです。

MCVが低いとどうなる?

では、逆にMCVが低い場合はどうなのでしょうか?その場合は、

  • 鉄欠乏性貧血
  • 鉄芽球性貧血
  • 慢性感染症

を疑ったほうがいいでしょう。

MCVが低く、MCHC(ヘモグロビンの濃度)が低い場合、赤血球の大きさが小さく、ヘモグロビンが少ないということになります。

血管内の赤血球は、血液を循環させて体内の各器官へ酸素を運びます。

赤血球には、酸素を運ぶためのヘモグロビンが含まれています。血管内の赤血球が小さい場合、少ないヘモグロビンを含むことになります。

MCVが低いときは赤血球が小さくなっているため、当然そこに含まれるヘモグロビンも減少します。これによって全身に十分な酸素が行き渡らず、貧血が起こります。

ヘモグロビンを作る原料となるのが、鉄なので、鉄欠乏性貧血と呼ばれるわけです。

食物から鉄を十分に摂取していないこと

鉄は赤血球形成に必要ですが、不足すると赤血球形成に問題が生じます。このため、小さな赤血球が形成されます。

大きな怪我や生理等による出血が多いこと

血液から鉄が抜かれてしまうため、十分な鉄が血管内に存在しません。このため、小さな赤血球が形成されます。

妊娠中に起こること

妊娠中には、血液の供給量が増加するため、鉄が不足することがあります。このため、小さな赤血球が形成されます。

MCVを正常に保つための対策は?

MCVを正常に保つための対策には次のようなものがあります:

健康的な食生活

鉄分、ビタミンB12、葉酸などを含む栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
手軽に取れる栄養ドリンクや比較的飲みやすい青汁などを活用するとよいでしょう。

適量の鉄分を摂取する

鉄分を多く含む食品、サプリメントなどを摂取することが大切です。

血液損失を防ぐ

血液損失を防ぐことが大切です。例えば、外傷、長期間の大量の出血など。

健康的なライフスタイル

健康的なライフスタイルを心がけましょう。適度な運動、不規則な生活習慣の修正、ストレスの軽減など。

適切な医療を受ける

適切な医療を受けましょう。特に、貧血や血液に関連する問題がある場合は、専門医に相談しましょう。

これらの対策を実施することで、MCVを正常に保つことができます。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「生活習慣」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断のあと、自力で生活習慣の改善にとても苦労しました。頼れるものがあるだけで、本人も家族も安心ですよね。