甲状腺検査でわかることは?FT3・FT4・TSHについて、検査値の見方や何科にいけばいいのか教えてほしい

人間ドックで検査する甲状腺検査ですが、一体どんな検査をしてどんなことがわかるのでしょうか?

今回は甲状腺検査についてそもそもどんな検査なのか、甲状腺検査でわかること、検査項目のft3,ft4,tshとは?検査値の見方や検査で異常があったら何科にいけばいいのかについて詳しく解説していきます。

甲状腺検査とは?

甲状腺検査は、甲状腺の機能や構造を評価するために行われる一連の検査です。

甲状腺は喉の前部に位置する小さな蝶形の臓器で、代謝、成長、エネルギーの調整に重要な役割を果たすホルモン(トリヨードサイロニン(T3)およびサイロキシン(T4))を生成します。

甲状腺検査は、甲状腺機能の異常を早期に発見し、適切な治療を提供するために欠かせません。

甲状腺検査でわかることは?

甲状腺検査により、以下の情報が得られます:

  1. 甲状腺機能:甲状腺が適切な量のホルモンを生成しているかどうかを評価します。これにより、甲状腺機能亢進症(過剰なホルモン産生)や甲状腺機能低下症(不十分なホルモン産生)の診断が可能です。
  2. ホルモンバランス:血中の甲状腺ホルモン(T3、T4)のレベルを測定し、ホルモンバランスの異常を検出します。
  3. 甲状腺刺激ホルモン(TSH):脳下垂体から分泌されるTSHのレベルを測定し、甲状腺機能を間接的に評価します。
  4. 構造的異常:超音波検査や放射性ヨードスキャンを使用して、甲状腺の形状や構造的な異常(結節、腫瘍、肥大など)を確認します。

甲状腺検査でFT3・FT4・TSHは何のこと?

FT3とFT4は甲状腺ホルモンで、TSHは脳下垂体ホルモンです。TSHは甲状腺からのFT4の分泌を刺激し、そのFT4は体内でFT3に変換されます。

つまり、TSHはFT3やFT4の生成を促進する役割があります。

TSHが非常に高いにもかかわらず、FT3とFT4が正常値より低くなっている場合、甲状腺機能が低下していることを示しており、甲状腺ホルモンの補充が必要な状態です。

そのため、甲状腺ホルモン製剤が処方されたのだと思われます。

甲状腺機能の評価において、以下の3つのホルモンが重要な指標となります:

  1. FT3(フリーT3)
    • トリヨードサイロニン(T3)は、甲状腺ホルモンの一種で、体内の代謝を活性化する役割があります。FT3は血液中の自由型(結合していない)T3を測定し、より正確な甲状腺機能の評価が可能です。
  2. FT4(フリーT4)
    • サイロキシン(T4)は、T3の前駆体であり、甲状腺ホルモンの主要な形態です。FT4は血液中の自由型T4を測定し、甲状腺機能のバランスを評価します。
  3. TSH(甲状腺刺激ホルモン)
    • 脳下垂体から分泌されるTSHは、甲状腺を刺激してホルモンの産生を促進します。TSHのレベルは、甲状腺が適切に機能しているかどうかを示す重要な指標です。高TSH値は甲状腺機能低下症を、低TSH値は甲状腺機能亢進症を示すことがあります。

甲状腺検査値の見方が知りたい?

甲状腺検査値の解釈は、以下のように行います:

  1. FT3
    • 正常範囲:2.3〜4.0 pg/mL(検査機関により異なる)
    • 高値:甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、グレーブス病などの可能性
    • 低値:甲状腺機能低下症、重症疾患、栄養不良などの可能性
  2. FT4
    • 正常範囲:0.9〜1.7 ng/dL(検査機関により異なる)
    • 高値:甲状腺機能亢進症、甲状腺炎などの可能性
    • 低値:甲状腺機能低下症、重症疾患などの可能性
  3. TSH
    • 正常範囲:0.5〜5.0 mIU/L(検査機関により異なる)
    • 高値:甲状腺機能低下症、甲状腺炎などの可能性
    • 低値:甲状腺機能亢進症、グレーブス病などの可能性

甲状腺検査で要治療のとき何科にいけばいい?

甲状腺検査で異常が検出され、治療が必要とされる場合は、内分泌科または内科を受診することが一般的です。

内分泌科は特にホルモン関連の疾患を専門とする診療科であり、甲状腺の異常に対して専門的な治療を提供します。

以下は、甲状腺の異常に対して考えられる主な治療方法です:

  1. 甲状腺機能低下症
    • レボチロキシン(合成T4)などのホルモン補充療法が一般的です。定期的な血液検査でホルモンレベルをモニタリングし、適切な薬物調整を行います。
  2. 甲状腺機能亢進症
    • 抗甲状腺薬(メチマゾール、プロピルチオウラシルなど)を使用して、甲状腺ホルモンの産生を抑制します。場合によっては、放射性ヨード治療や手術が必要となることもあります。
  3. 甲状腺結節や腫瘍
    • 結節や腫瘍の性質に応じて、経過観察、細胞診検査、手術などの治療が行われます。悪性の場合は、さらに専門的な治療が必要です。

まとめ

甲状腺検査は、甲状腺の機能や構造の評価を目的とする重要な検査です。

FT3、FT4、TSHの測定により、甲状腺の健康状態を詳しく評価し、適切な治療方針を立てることができます。

検査結果に異常が見られた場合は、内分泌科または内科を受診して専門的な治療を受けることが推奨されます。甲状腺の健康を維持するためには、定期的な検査と適切な生活習慣の維持が重要です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。