難聴の原因と治療|突発性難聴・加齢性難聴・補聴器まで徹底解説

「最近テレビの音量を上げることが増えた」「電話の声が聞き取りにくい」「片耳だけ急に聞こえなくなった」——これらは難聴のサインかもしれません。日本では約1,200万人(推計)が難聴を抱えており、特に加齢とともに急増します。

難聴は種類によって治療法が異なり、突発性難聴は発症から48〜72時間以内の治療開始が予後を大きく左右する緊急疾患です。本記事では難聴の種類・原因・治療・補聴器まで解説します。

難聴の種類

伝音性難聴

外耳・中耳の障害で音が内耳に伝わりにくくなる難聴です。耳垢栓塞・中耳炎・鼓膜穿孔・耳硬化症などが原因です。「音が小さく聞こえる」ものの、明瞭に聞こえる(言葉の聞き取り自体は比較的保たれる)のが特徴です。多くは治療で改善します。

感音性難聴

内耳(蝸牛)や聴神経の障害による難聴で、「音は聞こえるが言葉がはっきり聞き取れない(明瞭度の低下)」が特徴です。加齢性難聴・突発性難聴・騒音性難聴・メニエール病・聴神経腫瘍などが含まれます。

混合性難聴

伝音性と感音性の両方の要素を持つ難聴です。

突発性難聴:緊急対応が必要

突発性難聴は明らかな原因がなく、突然(数時間〜数日以内)片側の難聴が起きる疾患です。耳鳴り・めまいを伴うことも多く、毎年約35,000人が発症するといわれています。

症状と緊急性

「朝起きたら片耳が急に聞こえなくなった」「突然大きな耳鳴りがして聞こえなくなった」という状況は突発性難聴の典型例で、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。発症から治療開始までの時間が短いほど、聴力の回復率が高くなります。

治療

ステロイド療法(プレドニゾロンの大量投与)が第一選択で、入院または外来で行われます。ビタミンB12・血液循環改善薬が併用されます。高気圧酸素療法を行う施設もあります。

治療を受けた場合の回復率は約1/3が完全回復、1/3が部分回復、1/3が改善なしとされています。早期治療が最重要です。

加齢性難聴:最も多い難聴

加齢性難聴は内耳の有毛細胞・聴神経の老化による難聴で、60歳代から急増します。高音域から聞こえにくくなるため、「サシスセソ」「タチツテト」などの高音の子音が聞き取りにくくなり、特にうるさい環境での会話が困難になります。

対処法

加齢性難聴は基本的に元に戻らないため、補聴器を適切に使うことが生活の質の維持に重要です。補聴器は医療機器であり、耳鼻咽喉科での聴力検査・診断を受けてから購入することを強くすすめます。

近年は充電式・Bluetooth対応・耳穴型など目立ちにくい補聴器も増えています。

騒音性難聴と予防

大音量の音に長期間さらされることで内耳が損傷し、難聴が起きます。工事現場・工場での作業・イヤホンで大音量の音楽を聴き続けることが原因です。

イヤホン・ヘッドホン使用は「60%の音量・60分以内」のWHO推奨ルールを守り、ノイズキャンセリング機能の活用や定期的な聴力検査で予防しましょう。

耳鳴りとの関係

多くの難聴に耳鳴り(キーン・ジー・ザーなどの音)が伴います。耳鳴りは難聴の進行サインであることが多く、長く続く場合は耳鼻咽喉科での聴力検査が必要です。メニエール病の場合は回転性のめまいも伴います。

何科を受診すべきか

難聴・耳鳴りは耳鼻咽喉科を受診してください。純音聴力検査・語音明瞭度検査・ティンパノグラムなどで難聴の種類と程度を診断します。突発性難聴が疑われる場合は当日中に受診してください。

まとめ

難聴は「年齢だから仕方ない」と放置しがちですが、突発性難聴は緊急疾患であり、加齢性難聴も早めに補聴器を使うことで認知症予防にもつながることがわかっています。

片耳の急な難聴・強い耳鳴り・めまいの組み合わせは放置せず、すぐに耳鼻咽喉科へ。「聞こえにくさ」を感じたら、早めに聴力チェックを受けましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。