血液検査で見慣れないRFという値を見たことがありますか?
今回は、そんな血液検査でみるRFとはそもそもどんなものか、RF値の基準値や高い原因とは、リウマチとの関連性やその他の病気との関係について詳しく解説していきます。
目次
血液検査のRF定量とは?
RFとは?
RF(Rheumatoid Factor、リウマトイド因子)は、主に関節リウマチ(RA)の診断に利用される自己抗体です。
自己抗体とは、自分自身の体の細胞や組織を攻撃する抗体のことで、RFは免疫系が誤って自分の体を攻撃する際に産生されます。
RFは主にIgM型の抗体ですが、IgG、IgA、IgE型のRFも存在します。
RF定量検査の目的
RF定量検査は、血液中のRFの量を測定することで、関節リウマチなどの自己免疫疾患の診断や、病気の進行状況、治療効果のモニタリングに利用されます。
また、RFの値は他の疾患でも上昇することがあるため、他の診断方法と組み合わせて総合的に評価されます。
血液検査のRFの基準値を知りたい
RFの基準値は、検査を実施する施設や検査方法によって異なる場合がありますが、一般的な基準値は以下の通りです。
- RF陰性(正常値):15 IU/mL未満
ただし、基準値を超える場合でも必ずしも関節リウマチであるとは限らないため、医師の判断が重要です。
血液検査のRFが高い原因は?
RFの値が高い原因は、主に関節リウマチや他の自己免疫疾患が挙げられますが、それ以外にもさまざまな原因が考えられます。
関節リウマチ
RFは関節リウマチの患者の約70-80%で陽性となります。関節リウマチは慢性的な自己免疫疾患で、関節の痛みや腫れ、変形を引き起こします。
ただし、リウマチ因子が高値(陽性)であっても、それが必ずしも関節リウマチであることを意味するわけではありません。
関節リウマチ患者の多くは高値(陽性)を示しますが、他の膠原病や感染症、肝疾患などでも高値が見られることがあります。
さらに、高齢者の約10%でもリウマチ因子が高値となることがあるため、リウマチ因子(RF)検査だけでは関節リウマチの診断はできません。
他の自己免疫疾患
RFの値は、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎、皮膚筋炎などの他の自己免疫疾患でも上昇することがあります。
感染症
RFは、一部の感染症(例えば、慢性肝炎、結核、サルコイドーシス)でも上昇することがあります。これらの感染症は免疫系の過剰反応を引き起こすことがあります。
その他の疾患
慢性肝疾患や特定の腫瘍性疾患(例えば、リンパ腫、白血病)でもRFが高値を示すことがあります。
RFとリウマチとの関連について
関節リウマチの診断
RFは関節リウマチの診断において重要なマーカーですが、RF陽性だけでは診断が確定しません。
関節リウマチの診断には、RF以外にも抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド抗体)、CRP(C反応性タンパク)、ESR(赤血球沈降速度)などの血液検査や、X線、MRIなどの画像診断が総合的に利用されます。
RFの役割
RFは関節リウマチの病態に関与していると考えられており、関節内の炎症を促進する役割を持つとされています。RFが関節内で免疫複合体を形成し、炎症反応を引き起こすことで関節の痛みや腫れが生じます。
RFが高いと、どんな病気の可能性がある?
RFが高い場合、関節リウマチ以外にもいくつかの病気が考えられます。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺を攻撃する自己免疫疾患で、RFが陽性となることが多いです。
口や目の乾燥が主な症状です。
全身性エリテマトーデス(SLE)
SLEは全身に影響を及ぼす自己免疫疾患で、皮膚、関節、腎臓、脳など多くの臓器に症状が現れます。
RFが陽性となることがあります。
慢性肝疾患
慢性肝疾患、特に肝硬変などの進行した肝疾患では、RFが高くなることがあります。
肝臓の機能が低下し、免疫系の異常が生じるためです。
リンパ腫・白血病
特定の血液系腫瘍、例えばリンパ腫や白血病でもRFが高値を示すことがあります。
これらの疾患は免疫系に影響を与えるため、RFが増加することがあります。
まとめ
RF定量検査は、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患の診断やモニタリングにおいて重要な役割を果たします。
しかし、RFの値が高いことだけで特定の疾患を診断することはできず、他の診断方法や検査結果と総合的に評価する必要があります。
RFが高値を示した場合、主治医と相談し、必要な追加検査や診断を受けることが重要です。これにより、適切な治療計画を立て、病気の進行を抑えることができます。