サルコイドーシスは、全身のさまざまな臓器に炎症性の肉芽腫(免疫細胞の塊)が形成される病気です。特に肺や目に症状が現れることが多く、日本では指定難病として認定されています。
本記事では、サルコイドーシスの原因・診断方法・症状・治療法・患者支援制度について詳しく解説します。早期発見が重要な疾患のため、適切な知識を身につけ、必要な対応をとりましょう。
目次
サルコイドーシスとは?原因と診断方法を詳しく解説
サルコイドーシスとは?
サルコイドーシスは、免疫系の異常により、体のさまざまな組織に炎症性の肉芽腫(こぶ状の炎症)が形成される病気です。原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫系の異常反応や遺伝的要因、環境因子が関与していると考えられています。
サルコイドーシスの主な診断方法
- 胸部X線・CT検査:肺やリンパ節の異常を確認
- 血液検査:ACE(アンジオテンシン変換酵素)やリゾチームの数値を測定
- 生検(組織検査):皮膚やリンパ節の肉芽腫の確認
- 眼科検査:目に症状が出ることが多いため、眼底検査を実施
診断には除外診断(他の病気ではないことを確認)が必要であり、複数の検査を組み合わせて総合的に判断されます。
サルコイドーシスの主な症状とは?早期発見のために知っておくべきポイント
サルコイドーシスは全身のさまざまな部位に症状が現れるのが特徴です。
一般的な症状
- 発熱・倦怠感
- 体重減少
- 関節痛・筋肉痛
臓器別の症状
肺(最も多い)
- 息切れ、咳、胸の痛み
- X線検査で肺のリンパ節の腫れが見られることがある
皮膚
- 赤い発疹(結節性紅斑)やしこりができる
眼
- ぶどう膜炎(目の充血、かすみ目)
心臓
- 不整脈、動悸、息切れ
特に肺・目・心臓に症状が出ることが多いため、早期の診断と治療が重要です。
目に現れるサルコイドーシスの症状とその対策
サルコイドーシスでは、約30〜50%の患者に目の症状(眼サルコイドーシス)が発生するとされています。
主な目の症状
- ぶどう膜炎(目の充血・かすみ目・まぶしさ)
- 視力低下(重症の場合、失明のリスクも)
- 目の乾燥や違和感
対策と治療法
- 眼科検査の定期的な受診(視力の低下を防ぐため)
- ステロイド点眼薬・内服薬の使用(炎症を抑える)
- 紫外線対策(サングラスの着用)(目の炎症を悪化させないため)
目の異常を感じたらすぐに眼科を受診することが重要です。
肺に影響を与えるサルコイドーシス:症状と治療法を徹底解説
サルコイドーシスで最も影響を受ける臓器は肺です。患者の90%以上で肺の異常が認められるとされています。
肺サルコイドーシスの主な症状
- 長引く咳
- 息切れ(階段を登ると苦しい)
- 胸痛や違和感
無症状のことも多く、健康診断のX線検査で偶然発見されるケースもあるため、定期的な検査が重要です。
肺サルコイドーシスの治療法
✔ 経過観察(軽症の場合)
✔ ステロイド治療(炎症が強い場合)
✔ 免疫抑制剤(ステロイドが効かない場合)
サルコイドーシスは難病?その特徴と患者支援制度について知ろう
サルコイドーシスは難病指定されているのか?
サルコイドーシスは日本の「指定難病」に指定されており、一定の基準を満たせば医療費助成の対象になります。
難病指定を受けるための条件
- 症状が慢性化し、長期にわたり継続する場合
- 全身にわたり広範な症状が見られる場合
- 生活に支障をきたすレベルであること
患者支援制度について
医療費助成制度(指定難病の医療費負担軽減)
障害年金の受給可能性(重症化した場合)
難病支援センターの相談窓口
まとめ
サルコイドーシスは、全身の臓器に炎症性の肉芽腫を形成する原因不明の病気です。
主な症状:肺・目・心臓・皮膚に異常が出ることが多い
診断方法:X線検査・血液検査・生検などを組み合わせる
治療法:軽症は経過観察、重症はステロイドや免疫抑制剤を使用
難病指定:一定の条件を満たせば医療費助成が受けられる
無症状でも健康診断で偶然発見されることがあるため、定期検査が重要です。気になる症状があれば早めに専門医の診察を受けましょう!