尿蛋白とは何か?基準値やプラスマイナスの意味、クレアチニン比について知りたい

尿検査で計測する尿蛋白。尿蛋白は腎臓の機能が低下すると増加して陽性になります。

今回はそんな尿たんぱくについて、そもそも尿たんぱくとは何か、尿蛋白の基準値や+-(プラスマイナス)の表示の意味、クレアチニン比や関わる病気について詳しく解説していきます。

尿蛋白とは何?

尿蛋白(たんぱく)は、尿中に存在する蛋白質を指します。

通常、腎臓は血液から老廃物や余分な水分を濾し取って尿を作りますが、健康な腎臓では蛋白質はほとんど尿に出てきません。

これは、腎臓の糸球体と呼ばれるフィルターが蛋白質を血液中に留める働きをするためです。

しかし、何らかの原因でこのフィルターが損傷すると、蛋白質が尿中に漏れ出すことがあります。

尿中に蛋白質が検出される状態を「尿蛋白」と呼び、これは腎臓の異常を示す重要な指標となります。

尿蛋白の基準値は?

尿蛋白の基準値は、一般的には尿中にほとんど蛋白質が含まれないことが正常とされています。

具体的な基準値としては、定性検査で「陰性」となるのが通常です。

  • 定性検査:陰性(-)

尿蛋白のプラスマイナス(+-)の意味は何?

尿蛋白の検査結果には、定性検査で「-」や「+」の記号が使われます。

これは、尿中の蛋白質の量を示す簡易的な指標です。

  • – (陰性): 尿中に蛋白質がほとんど存在しない、正常な状態を示します。
  • ± (微量陽性): 微量の蛋白質が検出されるが、正常範囲内であり、臨床的には特に問題がないことが多いです。
  • + (1+、陽性1): 尿中に少量の蛋白質が存在することを示し、軽度の腎機能障害の可能性があります。
  • ++ (2+、陽性2): 尿中に中等量の蛋白質が存在することを示し、腎機能の異常が疑われます。
  • +++ (3+、陽性3): 尿中に大量の蛋白質が存在することを示し、重度の腎機能障害の可能性があります。
  • ++++ (4+、陽性4): 非常に多量の蛋白質が尿中に存在し、腎臓の重篤な異常を示唆します。

これらの結果は、腎臓の健康状態や他の検査結果と合わせて評価されるべきです。

医療機関や医師によって判断が異なるため、検査結果だけではなく医療機関を受診して判断するようにしてください。

尿蛋白とクレアチニン比の関係は?

尿蛋白とクレアチニン比(Protein-to-Creatinine Ratio, PCR)は、尿中の蛋白質の排泄量を評価するための重要な指標です。

クレアチニンは、筋肉の代謝産物であり、一定の割合で尿中に排泄されます。

尿蛋白とクレアチニン比は、尿中の蛋白質濃度をクレアチニン濃度で補正することで、一回の尿サンプルから腎機能の状態を評価できる方法です。

通常、この比率は以下のように解釈されます:

  • 正常範囲: 0.2未満
  • 軽度の蛋白尿: 0.2~0.5
  • 中等度の蛋白尿: 0.5~1.0
  • 重度の蛋白尿: 1.0以上

尿蛋白とクレアチニン比が高い場合は、腎臓が正常に機能していない可能性が高く、さらなる詳細な検査や医療機関での診断が必要です。

尿蛋白が陽性だと、どんな病気と関係がある?

尿蛋白が陽性であることは、さまざまな疾患の可能性を示唆します。

以下は、尿蛋白陽性が関係する代表的な病気です。

  1. 腎臓病:
    • 糸球体腎炎(急性・慢性)
    • ネフローゼ症候群
    • 糖尿病性腎症
    • 腎不全
  2. 高血圧:
    • 高血圧による腎障害は、尿蛋白の増加を引き起こすことがあります。
  3. 糖尿病:
    • 糖尿病性腎症は、糖尿病患者における腎障害の一形態であり、尿蛋白が重要な指標となります。
  4. 感染症:
    • 腎盂腎炎や尿路感染症などの感染症は、尿蛋白の増加を引き起こすことがあります。
  5. 免疫系の異常:
    • ループス腎炎などの自己免疫疾患は、尿蛋白の増加を伴うことがあります。
  6. 心血管疾患:
    • 心不全などの心血管疾患も、腎機能に影響を与え、尿蛋白の増加を引き起こすことがあります。
  7. その他の原因:
    • 劇烈な運動や脱水症状、発熱など、一時的なストレスや身体的負担も尿蛋白の一時的な増加を引き起こすことがあります。

尿蛋白が陽性である場合は、単に一時的な現象かもしれませんが、持続する場合は専門医の診断を受けることが重要です。適切な診断と治療が早期に行われることで、腎機能の悪化を防ぐことができます。

まとめ

尿蛋白は、腎臓の健康状態を示す重要な指標であり、その異常はさまざまな病態や疾患を示唆します。

尿蛋白の基準値やプラスマイナスの意味、尿蛋白とクレアチニン比の関係、そして尿蛋白陽性が示す可能性のある病気について理解することは、健康管理において重要です。

尿蛋白が陽性である場合は、医師の指導の下で適切な検査と治療を受けることが推奨されます。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。