心臓ドックとは?検査内容・費用・受けるべき人を徹底解説

日本人の死因の第2位を占める心臓病は、突然発症して命に関わることも少なくありません。

しかし、心臓病の多くは自覚症状がないまま進行するため、定期的な検査で早期発見することが重要です。

「心臓ドック」は、心臓の状態を総合的にチェックできる専門的な健診です。

本記事では、心臓ドックの検査内容や費用、受けるべき人の特徴について詳しく解説します。

心臓ドックとは

心臓ドックは、心臓や血管の状態を詳しく調べるための専門的な健康診断です。

通常の人間ドックでは心電図程度の検査しか含まれていませんが、心臓ドックでは冠動脈CT、心エコー、血液検査(心臓マーカー)などを組み合わせて、心臓病のリスクを総合的に評価します。

狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、心不全などの心臓疾患を早期に発見し、適切な予防・治療につなげることが目的です。

心臓ドックの主な検査内容

冠動脈CT検査

心臓を栄養する冠動脈の状態を詳しく調べる検査です。

造影剤を使用してCT撮影を行い、血管の狭窄や動脈硬化の程度を評価します。

心臓カテーテル検査と比べて体への負担が少なく、外来で受けられるメリットがあります。

また、造影剤を使わない石灰化スコア検査では、冠動脈壁のカルシウム沈着量から動脈硬化リスクを数値化できます。

心臓超音波検査(心エコー)

心エコーは心臓の動きや弁の状態をリアルタイムで観察できる検査です。

超音波を使用するため放射線被曝がなく、繰り返し検査を受けても安全です。

心臓の収縮力(駆出率)、心臓の壁の厚さ、弁膜症の有無、心臓内の血流状態などを評価します。

検査時間は15〜30分程度で、痛みもありません。

心電図検査

心臓の電気的な活動を記録する基本的な検査です。

安静時心電図では不整脈や心筋虚血の兆候を調べます。

心臓ドックでは、運動負荷心電図やホルター心電図(24時間心電図)が含まれる場合もあり、日常生活中に現れる不整脈や、運動時にのみ出現する心筋虚血を発見できます。

NT-proBNP検査

NT-proBNPは心臓から分泌されるホルモンで、心臓に負担がかかると血中濃度が上昇します。

この血液検査により、自覚症状が出る前の早期心不全を発見できます。

基準値は125pg/mL以下で、数値が高いほど心臓への負担が大きいことを示します。

頸動脈エコー検査

首にある頸動脈の状態を超音波で調べる検査です。

頸動脈は全身の動脈硬化の指標となるため、この検査で動脈硬化の進行度を評価できます。

血管壁の厚さ(IMT:内膜中膜複合体厚)やプラークの有無を確認し、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを判定します。

ABI・PWV検査

ABI(足関節上腕血圧比)は足と腕の血圧を比較して末梢動脈疾患を調べる検査です。

PWV(脈波伝播速度)は血管の硬さを測定し、動脈硬化の程度を評価します。

これらの検査により、血管年齢を算出することができます。

心臓ドックで発見できる病気

心臓ドックでは、以下のような疾患を早期に発見することが可能です。

疾患名 主な検査 特徴
狭心症 冠動脈CT、負荷心電図 冠動脈の狭窄による胸痛発作
心筋梗塞リスク 冠動脈CT、石灰化スコア 冠動脈閉塞による心筋壊死のリスク
心臓弁膜症 心エコー 心臓弁の異常による血流障害
心不全 NT-proBNP、心エコー 心臓ポンプ機能の低下
不整脈 心電図、ホルター心電図 心臓リズムの異常
動脈硬化 頸動脈エコー、ABI/PWV 血管壁の肥厚・硬化

心臓ドックを受けるべき人

以下に該当する方は、心臓ドックの受診を検討することをおすすめします。

生活習慣病がある方

高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)、肥満などの生活習慣病は、動脈硬化を進行させ心臓病のリスクを高めます。

これらの疾患がある方は、定期的な心臓ドックで心臓の状態をチェックすることが重要です。

喫煙習慣がある方

喫煙は動脈硬化を著しく促進させる最大のリスク因子です。

長年の喫煙歴がある方は、心筋梗塞や狭心症のリスクが高いため、心臓ドックでの評価が推奨されます。

家族歴がある方

親や兄弟姉妹に心筋梗塞や狭心症、突然死の方がいる場合、遺伝的に心臓病のリスクが高い可能性があります。

特に若い年齢(男性55歳未満、女性65歳未満)で発症した家族がいる場合は注意が必要です。

40歳以上の方

心臓病のリスクは年齢とともに上昇します。

40歳を過ぎたら、症状がなくても一度は心臓ドックを受けてベースラインを確認しておくことをおすすめします。

心臓ドックの費用

心臓ドックは健康診断の一種であるため、基本的に自費診療となります。

費用は施設や検査内容によって異なりますが、30,000〜80,000円程度が相場です。

冠動脈CTを含む充実したコースでは10万円を超える場合もあります。

加入している健康保険組合や会社の福利厚生で補助が出る場合もあるため、事前に確認しましょう。

まとめ

心臓ドックは、心臓病を早期に発見し、予防するための重要な健診です。

冠動脈CT、心エコー、心電図、血液検査などを組み合わせて、心臓の状態を総合的に評価します。

生活習慣病がある方、喫煙者、心臓病の家族歴がある方は、積極的に心臓ドックを検討してください。

心臓病は発症前に予防することが最も効果的です。定期的な検査で心臓の健康を守りましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。 数々の書籍などからわかりやすく、手軽に病気の予防に活用してほしいとの思いで「からだマガジン」を運営しています。