人間ドックなどで検査すると、脂肪肝の疑いがあると言われたことはありませんか?私の父も、あまりアルコールを飲まなかったのにも関わらず「非アルコール性脂肪肝炎」と診断されて不安になりました。
今回は、そんな非アルコール性脂肪肝炎について、非アルコール性脂肪肝炎の原因や症状、そして、アルコール性脂肪肝との違いなどについて詳しく解説していきます。
目次
非アルコール性脂肪肝炎とは?
非アルコール性脂肪肝炎(Non-alcoholic fatty liver disease, NAFLD)は、肝臓に脂肪が異常に蓄積する病気の一種です。
アルコールを摂取していなくても脂肪肝が進行することから、非アルコール性脂肪肝炎と呼ばれます。この状態は、肝臓細胞が脂肪に置き換わることで特徴付けられます。
非アルコール性脂肪肝炎の原因は?
非アルコール性脂肪肝炎の原因は複雑で、主に生活習慣、遺伝、および環境要因が関与しています。
肥満や高脂血症、糖尿病、高血圧などのメタボリックシンドロームがリスク因子として挙げられます。また、遺伝的な要因や遺伝子の変異もNAFLDの発症に関連していると考えられています。
非アルコール性脂肪肝炎とアルコール性の違いは?
非アルコール性脂肪肝炎とアルコール性脂肪肝炎は、それぞれ異なる原因によって引き起こされる病態です。
アルコール性脂肪肝炎は、長期間のアルコール摂取によって肝臓に脂肪が蓄積する疾患であり、アルコールを摂取していなくてもNAFLDが進行する非アルコール性脂肪肝炎とは異なります。
NASHとNAFLDの違いについて
NASH(非アルコール性脂肪性肝炎、Non-Alcoholic Steatohepatitis)とNAFLD(非アルコール性脂肪肝炎、Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)は、肝臓に関連する疾患であり、しばしば混同されることがありますが、それぞれ異なる病態と進行を示します。
NAFLDとは?
NAFLDは、非アルコール性脂肪肝炎の総称であり、肝臓に脂肪が異常に蓄積する疾患を指します。
この状態は、アルコールの摂取が原因ではなく、肥満や糖尿病などの代謝性疾患がリスク因子として関与しています。
NAFLDは、単純脂肪肝(Steatosis)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へと進行することがあります。
NASHとは?
NASHは、NAFLDの一部であり、肝臓の脂肪蓄積に加えて、肝臓組織の炎症や細胞の損傷が認められる状態です。
NASHはNAFLDの進行形であり、肝臓が炎症性変化や線維化を経て肝硬変や肝がんに進展するリスクが高まります。
主な違い
- 肝臓の状態: NAFLDは単純脂肪肝から始まり、NASHは肝臓の炎症性変化が認められる段階です。
- 進行性: NASHは進行性の疾患であり、肝硬変や肝がんなどの合併症を引き起こすリスクが高まりますが、NAFLDは炎症や線維化がない段階も含まれるため、必ずしも進行するとは限りません。
非アルコール性脂肪肝炎は治る?
非アルコール性脂肪肝炎は進行性の疾患であり、早期に発見されて適切な管理が行われれば進行を遅らせることができます。
根本的な治療法はありませんが、ライフスタイルの改善、適切な栄養、運動、減量、薬物療法などが症状の管理に役立ちます。
非アルコール性脂肪肝炎の疑いがあったらどうすればいい?
非アルコール性脂肪肝炎の疑いがある場合は、まずは医師の診察を受けることが重要です。
医師は症状や検査結果に基づいて診断を行い、適切な治療法や管理計画を提案します。定期的なフォローアップと血液検査、肝臓エコーなどの検査を受けることで、病気の進行をモニタリングすることが重要です。
非アルコール性脂肪肝炎と肝硬変の関係について
非アルコール性脂肪肝炎は、進行すると肝硬変や肝臓がんなどの合併症を引き起こす可能性があります。
肝硬変は、肝臓の組織が線維化して硬くなり、正常な肝機能が損なわれる状態です。非アルコール性脂肪肝炎の進行を防ぐために、定期的な医療チェックや適切な治療が重要です。
非アルコール性脂肪肝炎のときの食事はどうすればいい?
非アルコール性脂肪肝炎のときの食事は、肝臓と代謝状態を改善することを目指して調整される必要があります。以下は一般的なアドバイスです。
- 低脂肪食: 高脂肪食品を避け、肝臓に負担をかけないようにします。
- 低GI食品: 低GI(グリセミック・インデックス)食品を選択し、血糖値の上昇を抑えます。
- バランスの取れた食事: 野菜、果物、全粒穀物、良質なタンパク質源など、栄養バランスの取れた食事を摂取します。
- 減量: 肥満がリスク因子の一つであるため、減量が推奨されます。
以上のような食事の工夫は、非アルコール性脂肪肝炎の管理に役立ちますが、個々の状況に応じて医師や栄養士と相談することが重要です。