人間ドックで肝機能検査をすると出てくる「コリンエステラーゼ」。名前だけではさっぱりイメージもわきませんよね..
今回は、そんなコリンエステラーゼとは?簡単に言うとどういう役割なのか、そして基準値やコリンエステラーゼが低くなってしまう原因、改善するための対策について詳しく解説していきます!
目次
コリンエステラーゼとは?
コリンエステラーゼは簡単に言うとどんなものなのでしょうか?
コリンエステラーゼ (Cyclooxygenase) は、酸素と脂質を反応させて、抗炎症性ホルモンであるプロスタグランデイン (PG) の生成に関与する酵素です。
ちょっと専門的なので簡単に言うと、肝臓で作られる酵素なのですが、肝機能が低下するとコリンエステラーゼの値が低下します。また、脂質代謝にも関わっているため、栄養過多で起こる脂肪肝や脂質異常症では、値が上昇します。
また、2種類のコリンエステラーゼが存在します。COX-1は常に体内で存在し、正常な細胞の機能を維持するために必要な酵素です。
一方、COX-2は炎症や疼痛などの状況において発現される酵素です。
COX-2阻害薬 (NSAIDs: Non-steroidal Anti-inflammatory Drugs) は、鎮痛や抗炎症作用を持つ薬剤として広く用いられていますが、一方で、胃腸障害などの副作用も引き起こすことがあります。
その他肝機能についての知っておきたい指標は以下です。
コリンエステラーゼの基準値は?
コリンエステラーゼの数値は、肝機能の状態を表すので正常値の範囲であることが大切です。
コリンエステラーゼの基準値は、
229~521 IU/L
となります。
コリンエステラーゼが基準値より高い原因は?
コリンエステラーゼが高いのは、栄養過多による脂肪肝や脂質異常症などが考えられます。
コリンエステラーゼ のレベルが高い場合、炎症や疼痛などに対応する反応が強くなっている可能性があります。
長期にわたり高いレベルを維持する場合、慢性疾患や心血管疾患などの原因となることもあります。また、慢性的な炎症は肥満や糖尿病などの代謝障害を引き起こすこともあります。
以上の理由から、コリンエステラーゼのレベルに関連する問題が疑われる場合は、医師に相談することが最も重要です。医師からの指示に従って適切な検査や治療を受けることが大切です。
コリンエステラーゼが基準値より低い原因は?
コリンエステラーゼが基準値より低くなってしまうのは、肝機能低下と低栄養状態があり、急性・慢性肝炎や肝硬変、急性重症感染症、慢性消耗性疾患、悪性腫瘍などが感がられます。
コリンエステラーゼのレベルが低い原因は、様々な要因があります。一部の原因には次のようなものがあります。
薬物の副作用
COX阻害薬 (NSAIDs) の長期使用や高用量の使用は、コリンエステラーゼのレベルを低下させる可能性があります。
遺伝的な要因
特定の遺伝子変異によって、コリンエステラーゼのレベルが低下することがあります。
腎臓または肝臓の疾患
腎臓や肝臓の疾患は、ホルモンや薬物の代謝に影響を与えることがあり、コリンエステラーゼのレベルを低下させる可能性があります。
栄養不足
特定の重要な栄養素の欠乏は、ホルモンや酵素のバランスを乱すことがあり、コリンエステラーゼのレベルを低下させる可能性があります。
以上のような要因から、コリンエステラーゼのレベルが低いことが疑われる場合は、医師に相談することが最も重要です。必要な検査を受けて、適切な診断と治療を受けることが大切です。
コリンエステラーゼを正常に保つための対策は?
コリンエステラーゼのレベルを正常値に保つための改善策は次のようなものがあります:
適切な食生活
健康的な食生活は、必要な栄養素を摂取することができます。特に、ビタミンB6、ビタミンC、銅、マグネシウムなどは、ホルモンや酵素のバランスを保つ上で重要です。
適度な運動
適度な運動は、血流を促進し、代謝を促進することができます。
薬物使用の見直し
COX阻害薬 (NSAIDs) の長期使用や高用量の使用は、コリンエステラーゼのレベルを低下させる可能性があります。このような場合は、医師に相談して、適切な薬物使用のアドバイスを受けることが大切です。
ストレス管理
長期的なストレスは、ホルモンや酵素のバランスを乱すことがあります。ストレスを適切に管理することが、コリンエステラーゼのレベルを正常値に保つのに役立つ可能性があります。
以上の改善策を適切に実施することで、コリンエステラーゼのレベルを正常値に保つことができます。ただし、具体的な改善策は個人の状況や健康状態によって異なるため、医師に相談することが最も重要です。