ED(勃起不全)の原因と治療法|バイアグラ・シアリスの効果と生活習慣改善を解説

ED(勃起不全)は「40代以降の男性特有の問題」と思われがちですが、実は20〜30代でも発症することが珍しくありません。国内の推計患者数は約1,000万人以上とも言われており、決して珍しい悩みではありません。しかし恥ずかしさから受診をためらう男性が多く、生活の質(QOL)が長期間低下してしまうケースも多いです。本記事では、EDの原因・治療薬の特徴・生活習慣での改善法まで詳しく解説します。

EDとはどのような状態か

ED(Erectile Dysfunction)とは、性行為を行うために十分な勃起を得られない、または維持できない状態が継続することを指します。偶発的に起こる場合は病気とは見なされませんが、性生活に問題が生じるほど頻繁に起こる場合はEDと診断されます。

加齢とともに有病率が上昇し、40代で約30〜40%、50代で約50〜60%、70代以上では約70%以上の男性に何らかの勃起機能の低下が見られると報告されています。

EDの主な原因

EDは大きく「器質性ED」「心因性ED」「混合型ED」の3種類に分類されます。

器質性ED(身体的原因)

最も多いタイプで、血管・神経・ホルモンの異常が主な原因です。動脈硬化による血管性EDが代表的で、糖尿病・高血圧・脂質異常症・喫煙・肥満などの生活習慣病と深い関連があります。実際にEDの約50〜70%に血管の障害が関与しているとされており、EDは「動脈硬化の早期警戒サイン」と捉えることも重要です。

このほか、脊髄損傷・前立腺がん手術後の神経損傷、テストステロン(男性ホルモン)の低下なども器質性EDの原因となります。

心因性ED

ストレス・不安・うつ病・パートナーとの関係性の問題などが原因で起こるEDです。「失敗したらどうしよう」という予期不安が悪循環を生み、症状が慢性化することがあります。若年層のEDはこのタイプが多く、ポルノ動画の過度な視聴が原因となる「ポルノ誘発性ED」も近年注目されています。

薬剤性ED

高血圧治療薬(β遮断薬・利尿薬)・抗うつ薬・前立腺肥大症治療薬(5α還元酵素阻害薬)など、一部の医薬品がEDの原因となることがあります。服薬中でEDが気になる場合は主治医に相談してください。

EDの診断

EDの診断では問診が中心となります。国際勃起機能スコア(IIEF)などの評価尺度を用いて重症度を確認します。また、糖尿病・高血圧・脂質異常症・テストステロン低下などの基礎疾患の有無を調べるために血液検査が行われることもあります。夜間睡眠中の自然勃起(NPT)の確認が、器質性か心因性かの鑑別に役立ちます

EDの治療法

PDE5阻害薬(内服薬)

現在EDの治療の中心となっているのは、PDE5阻害薬と呼ばれる内服薬です。代表的なものにシルデナフィル(バイアグラ)・バルデナフィル(レビトラ)・タダラフィル(シアリス)があります。

バイアグラは服用後30〜60分で効果が現れ、作用時間は4〜6時間です。シアリスは「週末の薬」とも呼ばれ、服用後30〜60分で効果が現れ、約36時間と長時間持続するのが特徴です。いずれも性的刺激があって初めて勃起効果を発揮する薬であり、勃起が自動的に起こる薬ではありません。

副作用として顔のほてり・頭痛・消化不良・鼻づまりが起こることがあります。硝酸薬(狭心症の薬)との併用は血圧が急激に低下する危険があるため絶対禁忌です。

低強度体外衝撃波治療(LSWT)

PDE5阻害薬が効かない血管性EDに対して、低エネルギーの衝撃波を陰茎に照射して血管新生を促す治療法です。週1〜2回・計6〜12回の治療を要しますが、薬を使わずに勃起機能の改善が期待できることから注目が高まっています。

生活習慣の改善

適度な有酸素運動・禁煙・節酒・適正体重の維持は、血管機能を改善してEDを根本から改善する可能性があります。週150分以上の有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)はED改善に有効とする研究が多数あります。また、亜鉛はテストステロン産生に関わる栄養素であり、牡蠣・牛赤身肉・ナッツ類から積極的に摂取することも助けになります。

EDは何科を受診すればよいか

EDは泌尿器科が専門です。最近は「メンズクリニック」「男性外来」というED専門のクリニックも全国的に増えており、受診しやすい環境が整っています。EDの背後に糖尿病・高血圧・心血管疾患が潜んでいる可能性があるため、内科的な検査も受けることが推奨されます。

心因性EDが疑われる場合は精神科・心療内科との連携が行われることもあります。

まとめ

EDは多くの場合、生活習慣の改善と適切な治療で症状を改善できる病気です。「年だから仕方ない」「パートナーに申し訳ない」と一人で抱え込まず、泌尿器科やメンズクリニックに相談してみましょう。また、EDは動脈硬化や生活習慣病の早期サインである可能性もあるため、基礎疾患の有無を確認することも重要です。正しい知識と適切な治療で、充実した生活を取り戻すことは十分可能です。