結節影は少し読み方が難しいですが、「けっせつえい」と呼ばれるもので、胸部レントゲンなどで影が現れたときの様子をあらわす言葉です。
初めて聞くとびっくりしてしまいますし、何がわかるのか不明なので心配になってしまいますよね。
今回は、そんな結節影について、結節影の原因や考えられる病気、肺との関連やどんなことが分かるのかについて詳しく解説していきます。
目次
結節影とは何?
結節影(けっせつえい)とは、胸部X線写真やCTスキャンなどの画像診断において、肺の中に丸いまたは楕円形の影として現れる異常を指します。
一般的に直径が3cm未満のものを結節と呼び、3cm以上のものは腫瘤と分類されることが多いです。
結節影は、単一の場合もあれば複数の場合もあり、その大きさや形、位置によって診断や対応が異なります。
結節影が見つかった場合、それが良性のものか悪性のものかを見極めることが重要です。
良性の結節は健康に問題を引き起こさない場合が多いですが、悪性の場合は肺がんなどの深刻な疾患が原因である可能性があります。そのため、結節影が見つかった際には追加検査が行われることが一般的です。
結節影の原因は?
結節影が生じる原因は多岐にわたります。以下に代表的な原因を挙げます:
1. 炎症性疾患
- 肺結核: 結核菌が肺に感染し、炎症や肉芽腫(しこり状の病変)を形成することで結節影が現れます。
- 肺炎: 細菌やウイルスによる感染で肺に炎症が起きると、結節影が見られることがあります。
- 真菌感染: 特定のカビや真菌による感染症(例:アスペルギルス症)が結節影を引き起こすことがあります。
2. 良性腫瘍
- 肺の過誤腫: 良性の腫瘍で、結節影として現れることがあります。特にカルシウムの沈着が見られる場合が多いです。
3. 悪性疾患
- 肺がん: 結節影が悪性腫瘍である場合、肺がんの可能性が考えられます。
- 転移性腫瘍: 他の臓器で発生したがんが肺に転移し、結節影を形成することがあります。
4. 血管疾患
- 動静脈奇形: 肺の血管が異常に拡張したり、絡み合った状態になることで結節影が現れることがあります。
5. その他の原因
- 異物吸引: 異物が肺に入り込むことで局所的な炎症や結節影を引き起こすことがあります。
- 肉芽腫性疾患: サルコイドーシスなど、全身性の炎症性疾患が原因となることもあります。
結節影と肺の病気の関連は?
結節影は、多くの場合、肺の病気と関連しています。
その影の特徴(大きさ、形、境界の鮮明さ、石灰化の有無など)によって、良性か悪性か、または特定の疾患を示唆しているかを判断することが可能です。
- 良性結節影: 境界がはっきりしている、形が均一である、石灰化が認められるなどの特徴を持つ場合が多いです。過誤腫や古い炎症の跡が原因であることが一般的です。
- 悪性結節影: 境界が不明瞭で形が不規則、急速に大きくなるなどの特徴を持つことがあります。特に、肺がんや転移性腫瘍が考えられます。
結節影が良性か悪性かを判断するためには、画像診断だけでなく、患者の症状や病歴、追加検査の結果を総合的に考慮する必要があります。
結節影で考えられる病気は何?
結節影が見られる場合、以下のような病気が考えられます。
1. 肺結核
結核菌による感染症で、特に結核患者との接触歴がある場合や免疫力が低下している場合に考えられます。結節影がある場合、他の結核症状(咳、痰、発熱、体重減少など)と合わせて診断が進められます。
2. 肺がん
肺がんは、結節影が悪性である場合の代表的な疾患です。特に喫煙歴がある人や、高齢者で結節影が見つかった場合は肺がんの可能性が高まります。
3. 転移性腫瘍
他の臓器で発生したがんが血流やリンパ流を通じて肺に転移し、結節影を形成することがあります。転移性腫瘍は複数の結節影を示すことが一般的です。
4. 良性腫瘍(過誤腫など)
肺の良性腫瘍は稀ですが、過誤腫がその代表例です。画像診断で石灰化が見られる場合、良性腫瘍である可能性が高まります。
5. 炎症性疾患
肺炎、サルコイドーシス、真菌感染症などが結節影を引き起こすことがあります。特に免疫力が低下している人では、真菌感染症が疑われます。
6. 肉芽腫性疾患
サルコイドーシスやWegener肉芽腫症などの疾患は、結節影として現れることがあります。これらは全身性の疾患であるため、他の臓器にも症状が出ることがあります。
7. 肺梗塞
血栓が肺の血管を詰まらせることで、肺組織に壊死が生じ、結節影が形成されることがあります。
まとめ
結節影は、胸部の画像診断で見つかる異常所見の一つで、その原因や関連疾患は多岐にわたります。
結節影が発見された場合、それが良性か悪性かを判断することが重要です。具体的には、その形状、大きさ、成長速度、石灰化の有無、患者の病歴や症状などを考慮して診断が進められます。
良性の結節影であれば、特に治療を必要としない場合も多いですが、悪性の場合は早期発見・早期治療が重要です。
結節影が見つかった場合は、専門医による診断と適切なフォローアップを受けることが健康管理の第一歩となります。