定期健康診断で行われる毎年のチェック。しかし、意外とどんな検査が行われているのかイメージがつかないかたも多いのではないでしょうか?
前日から準備をして、当日の検査をどんどんこなしていくと、何をやったか覚えていないし、結果も数値だけなので、よくわからないで放置・・なんてこともありますよね。
今回は、健康診断で行われる主な検査項目について総復習し、前日からだけではなく、日頃の生活のこんな部分を見られているんだ、という気付きにつなげてもらえるとうれしいです。
目次
- 1.これまでのカラダの状態をチェックする「既往歴・業務歴」
- 2.いまカラダにどんな異常があるのかを知る「自覚症状・他覚症状」
- 3.内臓脂肪や肥満度をはかる「身長・体重・BMI」
- 4.目や耳の異常をたしかめる「視力・聴力」
- 5.肺結核や肺がんを見つけるための「胸部X線撮影・喀痰検査」
- 6.心臓病や脳卒中のリスクを知るための「血圧測定」
- 7.貧血であるかどうかをチェックする「血色素量・赤血球数」
- 8.肝臓の状態をチェックする「AST・ALT・γGT(ガンマジーティー)」
- 9.動脈硬化のリスクをチェックする「HDLコレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪」
- 10.糖尿病のリスクをチェックする「血糖検査」
- 11.糖尿病や腎臓病の可能性をチェックする「尿糖・尿蛋白」
- 12.不整脈や狭心症など心臓の病気をチェックする「心電図検査」
- まとめ
1.これまでのカラダの状態をチェックする「既往歴・業務歴」
既往歴や業務歴でわかるのは、その人それぞれの素因と呼ばれる性質です。
素因とは、どんな病気にかかりやすいかという意味で、これまでの病気にかかった履歴や、働いていた環境や内容によって病気のかかりやすさを判断するという意味があります。
2.いまカラダにどんな異常があるのかを知る「自覚症状・他覚症状」
自覚症状は自分のカラダの違和感や不安な部分を伝えることで、関連する病気の可能性を知ることが出来ます。
また、顔色、皮膚の色つや、血管の浮き具合、爪の状態を視診したり、心臓や呼吸器の状態を聴診によって確かめることで、他覚症状がないか判断することができます。
脈を見たり、腹部の触診での胃腸や肝臓の状態をみる検査も、他覚症状をはかる検査のひとつです。
3.内臓脂肪や肥満度をはかる「身長・体重・BMI」
身長、体重から導き出されるBMI(ボディマス指数)は、肥満度の測定に使用される指標です。男性女性での基準値の違いはあるものの、一般的な肥満度をはかる数値としてなじみのあるものです。
また、腹囲をはかることで、内臓脂肪やメタボであるかどうかを知ることもできるため、重要な検査項目の一つです。
4.目や耳の異常をたしかめる「視力・聴力」
視力や聴力は日常生活のなかで大きく影響するため、重要な検査項目です。
眼については、視力・眼圧・色覚異常・視野の検査を行います。耳については、聴力検査によって、難聴や聴力障害をみつけます。
5.肺結核や肺がんを見つけるための「胸部X線撮影・喀痰検査」
胸部X線撮影では、心臓や大動脈の状態がわかるほか、肺がんや肺結核などの病気も発見することが出来ます。
また、喀痰検査は、痰(たん)を採取して顕微鏡で観察して行う検査で、肺がんや肺結核などの発見をすることができる検査項目です。
6.心臓病や脳卒中のリスクを知るための「血圧測定」
血圧測定は、基準値を元に高血圧や低血圧であるかどうかを判断する検査項目です。高血圧の場合、心臓病や脳卒中、腎臓病や糖尿病などの病気のサインとなるため、重要な検査項目の一つです。
7.貧血であるかどうかをチェックする「血色素量・赤血球数」
血色素はヘモグロビンとも呼ばれ、低い値が出た場合には貧血である可能性が高くなります。また、赤血球数については、低い場合カラダに酸素を十分に送ることが出来ないため、貧血状態になってしまう場合があります。
上記をあわせて貧血検査とよび、基準値からの高いか低いかによって判断していきます。
8.肝臓の状態をチェックする「AST・ALT・γGT(ガンマジーティー)」
血液検査により測定する項目である、AST・ALT・γGT(ガンマジーティー)ですが、それぞれ基準値からの高低で肝臓の病気のリスクを判断する指標です。
ASTやALTといった数値は、肝臓や心臓、骨格筋に多く存在しています。この数値が血液検査で増加すると、肝臓内の細胞が破壊され、血中に漏れ出している可能性があると判断でき、肝機能障害や肝硬変などの病気の可能性をチェックすることが出来るのです。
また、γGT(ガンマジーティー)は、飲酒と大きく関わっており、アルコールが原因で障がいが起こると、肝臓内のγGTが血中に漏れ出てくることで数値が増加してしまいます。
9.動脈硬化のリスクをチェックする「HDLコレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪」
血中の脂肪量が多い場合、動脈硬化になる可能性が高くなります。そのため、善玉コレステロールのHDLコレステロールや、悪玉コレステロールのLDLコレステロールの基準値から、現在の血中のコレステロールの状態を知ることが出来るのです。
また、中性脂肪も動脈硬化のリスクを高めるため、総合的に判断しチェックしています。
10.糖尿病のリスクをチェックする「血糖検査」
血糖検査は、その名の通り、血中の糖質がどのくらいあるかを検査する項目です。血糖値が基準値よりも高い場合、糖尿病の可能性が高くなります。
食生活の乱れなどが大きな原因となるため、日常の食生活と密接な関わりを持った重要な検査項目の一つです。
11.糖尿病や腎臓病の可能性をチェックする「尿糖・尿蛋白」
尿検査で測定される尿糖や尿蛋白といった指標は、糖尿病や腎臓病、また、泌尿器の病気のサインをチェックするために行われます。
尿糖が陽性の場合は糖尿病の可能性が高くなり、尿蛋白が陽性の場合は、腎臓機能が低下している可能性が高いという点を覚えておきましょう。
12.不整脈や狭心症など心臓の病気をチェックする「心電図検査」
心電図検査は、心臓の状態を把握することで、狭心症や不整脈、心筋梗塞、心肥大といった心臓に関わる病気の早期発見などに利用されます。
心臓が収縮するときに出る微弱な電気を見ているのが心電図のため、異常値が出た場合は何らかの不整脈の可能性があるということになります。
ただし、健康の場合も異常値が出る場合もあるので、お医者さんの判断を仰ぎましょう。
まとめ
ここまで定期健康診断の項目を確認してきましたが、あくまで基本項目となります。その他にも、がん検診や便潜血検査、呼吸機能検査、歯科検診などの項目が追加されることもあります。
自分のカラダをすべて把握するのは難しいですが、ポイントを抑えて健康診断をいいきっかけとして日頃の生活を見直してみてはいかがでしょうか?