脂質異常症とは何?診断基準や原因を知りたい、具体的な症状や関連する病気は?

よく健康診断の情報を調べると「脂質異常症」というキーワードを見ることがあります。なんとなく食生活に関わってそうだな、、くらいのイメージは湧きますがあまり詳しく知らないですよね。

今回は、そんな脂質異常症とはそもそも何か、脂質異常症の診断基準や原因、脂質異常症の症状や関連する病気などを深堀りしていきます。

脂質異常症とは?

脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールやトリグリセリド)の濃度が異常に高くなる病態を指します。

この状態は動脈硬化や心血管疾患のリスクを高めるため、健康管理において重要なポイントです。脂質異常症には、以下の3つの主要なタイプがあります。

  1. 高コレステロール血症:LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い状態。
  2. 高トリグリセリド血症:トリグリセリド(中性脂肪)が高い状態。
  3. 低HDLコレステロール血症:HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態。

これらの脂質の異常は、単独で発生することもあれば、複数が同時に存在することもあります。

脂質異常症は無症状であることが多いため、定期的な血液検査が重要です。

脂質異常症の診断基準は?

脂質異常症の診断基準は、血液検査の結果をもとに決定されます。日本動脈硬化学会のガイドラインによれば、以下の基準が用いられます。

  1. LDLコレステロール
    • 140mg/dL以上
  2. HDLコレステロール
    • 40mg/dL未満
  3. トリグリセリド
    • 150mg/dL以上

これらの数値は、個人のリスクプロファイルや他の健康状態に応じて解釈されます。

例えば、糖尿病や高血圧などの既存の健康問題がある場合、診断基準はより厳しくなることがあります。

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脂質異常症の原因は何?

脂質異常症の原因は、多岐にわたります。主な原因は以下の通りです。

1. 遺伝的要因

家族性高コレステロール血症など、遺伝的な要因が脂質異常症のリスクを高めることがあります。

これらの遺伝的疾患は、LDLコレステロールやトリグリセリドの異常な蓄積を引き起こします。

2. 食生活

高脂肪食や高コレステロール食、糖質の多い食事は、血中脂質の異常を引き起こす主要な要因です。

特に、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食事は、LDLコレステロールやトリグリセリドの増加を促進します。

3. 運動不足

運動不足はHDLコレステロールの低下を招き、脂質異常症のリスクを高めます。

定期的な運動は、血中脂質のバランスを整えるために重要です。

4. 体重過多および肥満

肥満は、特に腹部肥満がトリグリセリドの増加とHDLコレステロールの減少を引き起こします。

肥満はまた、インスリン抵抗性を高め、これがさらに脂質異常を悪化させます。

5. その他の病態

糖尿病、甲状腺機能低下症、腎疾患、肝疾患など、他の健康状態も脂質異常症の原因となることがあります。

これらの病態は、脂質代謝に影響を与えることがあります。

脂質異常症の症状は?

脂質異常症は多くの場合、初期段階では無症状です。

しかし、症状が現れる場合、それは通常、動脈硬化や心血管疾患の進行によるものです。主な症状には以下のようなものがあります。

1. 胸痛(狭心症)

動脈硬化により冠動脈が狭くなると、心臓への血流が制限され、胸痛(狭心症)が発生します。

2. 息切れ

心筋梗塞や心不全が進行すると、息切れが生じることがあります。

これは、心臓が十分な血液を全身に送ることができなくなるためです。

3. 脳卒中の症状

動脈硬化により脳への血流が阻害されると、脳卒中の症状(片側の麻痺、言語障害、視力の低下など)が現れることがあります。

4. 周辺動脈疾患の症状

下肢の動脈が狭くなると、歩行時に足の痛みやしびれが生じることがあります。

これらの症状が現れた場合、すぐに医療機関を受診することが重要です。

脂質異常症はどんな病気と関連がある?

脂質異常症は、以下のような重大な健康問題と強く関連しています。

1. 動脈硬化

脂質異常症は動脈硬化の主要なリスク要因です。

動脈の壁に脂質が蓄積すると、動脈が狭くなり、血流が制限されます。これが進行すると、冠動脈疾患や脳卒中のリスクが高まります。

2. 冠動脈疾患

動脈硬化により冠動脈が狭くなると、心臓への血流が制限され、狭心症や心筋梗塞のリスクが増大します。

心筋梗塞は、心臓の一部が酸素不足に陥り、壊死する危険な状態です。

3. 脳卒中

脳の動脈が動脈硬化により狭くなると、脳卒中のリスクが増加します。

脳卒中は、脳の血流が突然途絶えることで発生し、迅速な治療が必要です。

4. 周辺動脈疾患

四肢の動脈が動脈硬化により狭くなると、周辺動脈疾患が発生します。

これは、歩行時の痛みやしびれ、重度の場合には組織の壊死を引き起こすことがあります。

5. 糖尿病

脂質異常症は糖尿病のリスクを高める要因でもあります。

糖尿病患者は、脂質異常症を発症しやすく、逆に脂質異常症が糖尿病の悪化を促進することもあります。

まとめ

脂質異常症は、血液中の脂質の異常な増加により動脈硬化や心血管疾患のリスクを高める重要な健康問題です。

診断基準や原因、症状を理解し、適切な予防と管理を行うことで、健康リスクを大幅に低減することができます。

定期的な血液検査と健康チェックを怠らず、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることが、脂質異常症の予防と管理において最も効果的です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。