逆流性食道炎は、ストレス社会において特に働き盛りの世代で多く聞かれます。食道であることから、日々の生活に影響も及ぼしてします病気です。
今回は、この逆流性食道炎とはそもそも何か?逆流性食道炎になってしまう原因や初期症状、逆流性食道炎が悪くなるとどうなるのか、改善方法などについて詳しく解説していきます
目次
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)は、食道に胃酸や胃内容物が逆流して炎症を起こす疾患です。
通常、胃の中の食物は胃酸によって消化されますが、逆流性食道炎では胃から逆流した酸が食道に侵入し、食道粘膜を刺激します。
これにより、炎症や痛みが引き起こされることがあります。逆流性食道炎は一般的な消化器疾患であり、日常生活に多大な影響を与える場合もあります。
逆流性食道炎の原因は?
逆流性食道炎の主な原因は、食道と胃の間にある括約筋の機能不全です。
通常、この括約筋は胃酸や消化液が逆流するのを防いでいますが、何らかの原因により正常な機能が妨げられることがあります。以下に、逆流性食道炎の主な原因をいくつか挙げます。
食道括約筋の弱さ
食道括約筋が十分に収縮しないため、胃酸が逆流しやすくなります。これは、加齢や肥満、妊娠などが原因となることがあります。
食道ヘルニア
食道と胃のつながりの部分である食道裂孔(いわゆるヒエロン)が弱くなり、胃が食道内に逆流する状態を食道ヘルニアと呼びます。この状態では逆流しやすくなるため、逆流性食道炎のリスクが高まります。
食道粘膜の敏感性
個人の体質や遺伝的な要因により、食道粘膜が胃酸に対して過敏に反応する場合があります。この場合、正常な胃酸濃度でも逆流性食道炎の症状が現れることがあります。
また、日々のストレスが多い人、ピロリ菌未感染者での発生頻度が高くなっています。
逆流性食道炎の初期症状は?
逆流性食道炎の初期症状は個人によって異なる場合がありますが、以下に一般的な初期症状をいくつか挙げます。
胸やけ
胸の中心部や胸骨の後ろに熱い痛みや灼熱感があります。
食道に逆流した胃酸が粘膜を刺激するため、胸焼けと呼ばれる症状が現れます。
胸部の痛み
胸やけとは異なる鈍い痛みや圧迫感があります。
これは食道の炎症によるものであり、食事後や寝ている時に悪化することがあります。
喉の痛みや咳
逆流性食道炎の場合、胃酸が喉にまで逆流することがあります。
その結果、喉の痛みや咳が生じることがあります。
逆流性食道炎が悪化するとどうなる?
逆流性食道炎が悪化すると、症状がより重篤になり、合併症が発生する可能性があります。
以下に、逆流性食道炎の悪化に関連するいくつかの状態を示します。
食道狭窄
長期間の炎症や組織の損傷により、食道が狭くなることがあります。
これにより、食べ物や液体の通過が困難になり、食道の詰まり感や嚥下困難を引き起こすことがあります。
食道潰瘍
食道の炎症が続くと、食道粘膜が損傷し、潰瘍が生じることがあります。
これにより、胸やけや胸痛が悪化し、出血や黒色便の原因となることもあります。
バレット食道
長期間の逆流により、食道の細胞が異常な形態に変化する場合があります。
これをバレット食道と呼びます。バレット食道は食道がんのリスクを増加させることが知られています。
逆流性食道炎のときに食べてはいけないもの
逆流性食道炎の場合、以下のような食べ物や飲み物は症状を悪化させる可能性があるため、制限する必要があります。
酸性の食品
レモン、オレンジ、グレープフルーツなどの酸味のある食品は、胃酸分泌を刺激し逆流を促す可能性があります。
脂っこい食品
揚げ物や高脂肪の食品は、胃の消化を遅くし、逆流を引き起こす可能性があります。
刺激物
辛い食品、コーヒー、アルコール、炭酸飲料などは、食道の炎症を悪化させる可能性があります。
食物繊維の多い食品
大量の食物繊維を含む食品は胃の動きを促進し、逆流を悪化させることがあります。
具体的には、大豆、レンズ豆、キノコ、トマトの皮などが該当します。
逆流性食道炎の改善方法は?
逆流性食道炎の改善には、以下のような方法があります。
生活習慣の改善
食事をゆっくり噛む、食後にすぐに寝ない、食事の量を適切に制限するなど、食生活や睡眠習慣の改善が重要です。
食事の見直し
逆流を引き起こす食品を制限し、胃酸分泌を抑える効果のある食品を摂取することが推奨されます。具体的には、低脂肪の食品、消化しやすい食品、ヨーグルトなどが含まれます。
薬物療法
医師の指示に基づき、胃酸分泌を抑える薬や胃酸中和剤などの薬物が処方されることがあります。
手術治療
重度の逆流性食道炎や合併症がある場合には、手術が必要な場合もあります。
手術には、逆流を防ぐための食道括約筋の修復や食道ヘルニアの修復が含まれます。
逆流性食道炎の改善方法は個人によって異なる場合がありますので、医師の指導を受けることが重要です。自己判断せずに、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。