脳梗塞や心筋梗塞は、突然発症して命に関わることもある重大な疾患です。
これらの疾患を予防するためには、動脈硬化のリスクを早期に把握し、生活習慣を改善することが重要です。
本記事では、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを予測できる「LOX-index検査」について、仕組みや基準値、結果の活かし方を詳しく解説します。
目次
LOX-index検査とは
LOX-index(ロックス・インデックス)は、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを予測する血液検査です。
動脈硬化の原因となる「酸化変性LDL」と、それを血管壁に取り込む「LOX-1」という受容体の量を測定し、両者を掛け合わせた値(LOX-index値)を算出します。
この値が高いほど、将来的に脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクが高いと考えられています。
LOX-index検査でわかること
動脈硬化の進行リスク
動脈硬化は、血管の内壁にコレステロールなどが蓄積し、血管が硬くなったり狭くなったりする状態です。
LOX-index検査では、動脈硬化の初期段階で起こる「酸化LDLの血管壁への取り込み」を評価できるため、従来の検査では見つけにくい動脈硬化の「なりやすさ」を把握することができます。
脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク
研究によると、LOX-index値が高い人は、低い人に比べて脳梗塞の発症リスクが約3倍、心筋梗塞の発症リスクが約2倍高いとされています。
この検査は将来のリスクを予測するものであり、現在の動脈硬化の程度を直接測定するものではありません。頸動脈エコー検査などと組み合わせることで、より総合的な評価が可能になります。
LOX-index検査の基準値
| LOX-index値 | リスク判定 |
|---|---|
| 0〜500 | 低リスク |
| 500〜900 | 中リスク |
| 900〜1,200 | 高リスク |
| 1,200以上 | 非常に高リスク |
リスク判定はあくまで目安であり、他の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙など)と合わせて総合的に評価することが重要です。
LOX-index検査を受けるメリット
LOX-index検査の最大のメリットは、症状が現れる前にリスクを把握できる点です。
従来の健康診断では、コレステロール値や血圧などの数値は測定できますが、それらが将来的にどの程度の発症リスクにつながるかを直接示すことはできませんでした。
LOX-index検査を受けることで、自分の将来的なリスクを数値で把握し、生活習慣改善のモチベーションにつなげることができます。
検査の受け方と費用
LOX-index検査は血液検査で行われ、特別な前処置は必要ありません。人間ドックのオプション検査として追加できる医療機関が増えています。
費用は自費診療となり、10,000〜15,000円程度が目安です。医療機関によって異なるため、事前に確認しましょう。
結果は通常1〜2週間程度で届きます。
リスクが高かった場合の対応
LOX-index値が高かった場合は、生活習慣の改善が重要です。
食事面では、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控え、野菜・魚・大豆製品を積極的に摂取することが推奨されます。
運動面では、ウォーキングなどの有酸素運動を週に150分以上行うことが目標とされています。
喫煙者は禁煙が最も効果的なリスク低減策です。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症がある場合は、適切な治療を継続することが重要です。
まとめ
LOX-index検査は、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを予測できる血液検査です。
酸化LDLとLOX-1受容体の量から算出されるLOX-index値により、動脈硬化の「なりやすさ」を把握できます。
リスクが高いと判定された場合は、食事・運動・禁煙などの生活習慣改善に取り組み、必要に応じて医療機関で治療を受けましょう。将来の健康を守るために、LOX-index検査を活用してみてください。










