造影CT検査とは?検査でわかることや検査する理由、CT検査との違いや食事で気をつけること・糖尿病薬との関連

人間ドックで検査後、CTを受けたほうがいいですと言われたことはありますか?私も一度受けたことがありますが、緊張して夜も眠れなかったことがあります。

今回は、そんな造影CT検査について、造影CT検査でわかることやCT検査をする理由、造影CT検査前の食事で気をつけるべきことや、糖尿病薬と造影CT検査との関連について詳しく解説していきます。

造影CT検査とは?

造影CT検査は、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)に造影剤を用いることで、体内の血管や臓器をより詳細に映し出す画像診断法です。

通常のCTスキャンでは、X線を用いて体の断面画像を作成しますが、造影CT検査では、造影剤という特殊な薬剤を静脈に注入し、血管や臓器をコントラスト(対比)を持たせて鮮明に映し出します。

これにより、異常の有無や病変の正確な位置を把握しやすくなります。

造影剤の役割

造影剤はヨードを含んでおり、血管や組織に分布することでX線を吸収しやすくします。

その結果、CT画像上で血管や臓器が明るく映し出され、腫瘍や血管障害、炎症などの異常がより鮮明に確認できます。

造影CT検査は、特に癌の診断やステージング(進行度の評価)、血管の異常や内臓の詳細な評価に有用です。

造影CT検査の手順

  1. 準備:検査前に医師や技師から説明を受けます。場合によっては、アレルギー歴や既往歴についての確認があります。
  2. 造影剤の注入:検査台に横になり、腕の静脈から造影剤を注入します。造影剤が体内に広がると、温感や違和感を感じることがあります。
  3. 撮影:造影剤が体内を巡る間にCTスキャンが行われ、連続的に画像が撮影されます。この過程は通常数分で完了します。
  4. 終了:撮影後は安静にし、異常がなければ通常の生活に戻ります。

造影CT検査でわかる病気は?

造影CT検査は多くの病気の診断に用いられます。以下は主な病気や状態です。

1. 癌

造影CTは癌の診断、進行度の評価、転移の有無を確認するために広く使用されます。

特に、肝臓癌、肺癌、膵臓癌、大腸癌、腎臓癌などの評価に有用です。

造影剤によって腫瘍と正常組織のコントラストが強調されるため、小さな腫瘍でも発見しやすくなります。

2. 血管疾患

動脈瘤、動脈硬化、血栓症などの血管疾患の評価にも造影CTは有用です。

造影剤が血管内を流れることで、血管の形状や流れ、閉塞や狭窄の有無を詳細に観察できます。

3. 内臓疾患

肝臓、膵臓、腎臓、脾臓、消化管などの内臓の異常も造影CTで評価できます。

例えば、肝硬変、膵炎、腎結石、腸閉塞などが該当します。

4. 外傷

外傷による内臓損傷や出血の評価にも造影CTが用いられます。

出血箇所や損傷の程度を詳細に確認できるため、治療方針の決定に役立ちます。

造影CT検査の前に食事はどうすればいい?

造影CT検査の前には、通常は絶食が求められます。

以下に一般的なガイドラインを示しますが、具体的な指示は医療機関によって異なるため、担当医師や技師の指示に従ってください。

1. 絶食

造影CT検査の前には、6時間から8時間程度の絶食が必要です。

これは、造影剤が胃や腸に留まることを防ぎ、画像の品質を向上させるためです。また、空腹時の方が造影剤が迅速かつ均一に分布しやすくなります。

2. 水分摂取

絶食中でも水やお茶などの無糖・無脂肪の飲み物は少量であれば摂取しても良い場合があります。

ただし、コーヒーやジュースなどは避けるべきです。具体的な水分摂取のルールは医療機関の指示に従ってください。

3. 糖尿病患者の場合

糖尿病患者の場合、絶食が血糖値に影響することがあります。

そのため、食事やインスリン、経口糖尿病薬の調整が必要です。担当医師と相談し、適切な対策を講じてください。

造影CT検査で糖尿病薬が関連する理由は?

糖尿病患者が造影CT検査を受ける際、特にメトホルミンを使用している場合には注意が必要です。

造影剤と糖尿病薬の相互作用があるため、以下の理由で適切な対応が求められます。

1. 腎機能への影響

造影剤は腎臓を通じて排泄されます。糖尿病患者は腎機能が低下している場合があり、造影剤の使用によって急性腎障害のリスクが高まることがあります。

特にメトホルミンを使用している場合、造影剤による腎機能低下がメトホルミンの排泄を遅らせ、乳酸アシドーシスという重篤な副作用を引き起こす可能性があります。

2. メトホルミンの一時中止

メトホルミンを使用している糖尿病患者は、造影CT検査の前後にメトホルミンの一時中止が推奨されます。

具体的には、検査前の48時間と検査後の48時間、または腎機能が正常に戻るまでの期間中止することが一般的です。この期間中は、血糖値の管理を他の方法で行う必要があります。

3. 血糖値の管理

メトホルミンを中止している期間中、他の糖尿病薬やインスリンを使用して血糖値を管理することが必要です。

具体的な管理方法については、担当医師と相談し、適切な対応を行ってください。

造影CT検査とCT検査の違いは

CT検査と造影CT検査は、どちらもコンピュータ断層撮影技術を用いた画像診断法ですが、それぞれの特徴と用途には違いがあります。

以下に、CT検査と造影CT検査の主な違いを詳述します。

CT検査とは

CT検査(Computed Tomography)は、X線を用いて体の断面画像を作成する検査法です。

患者は検査台に横たわり、X線管が体の周りを回転しながら連続的にX線を照射します。

これにより、体内のさまざまな部位の詳細な断面画像が得られます。CT検査は、以下のような多くの医療分野で広く使用されています。

  • : 脳卒中、脳出血、脳腫瘍の評価
  • 胸部: 肺の病変、肺癌、肺炎、肺気腫の診断
  • 腹部: 腹部の臓器や構造の評価
  • : 骨折、骨腫瘍、骨粗鬆症の診断

造影CT検査とは

造影CT検査は、通常のCT検査に造影剤を用いることで、体内の血管や臓器をより鮮明に映し出す検査法です。

造影剤は静脈から注入され、血流に乗って全身に広がります。造影剤はX線をよく吸収するため、血管や臓器が通常のCT画像よりも明るく映し出されます。

造影CT検査は、以下のような場合に特に有用です。

  • 癌の診断: 腫瘍の位置、大きさ、形状を詳細に評価
  • 血管疾患の診断: 動脈瘤、血管狭窄、血栓症の評価
  • 内臓疾患の評価: 肝臓、膵臓、腎臓などの詳細な評価

まとめ

造影CT検査は、体内の血管や臓器を詳細に評価するために非常に有用な画像診断法です。

癌や血管疾患、内臓疾患、外傷の評価に役立ちます。検査前には絶食が求められ、特に糖尿病患者はメトホルミンの一時中止が推奨されます。

これにより、検査の安全性と精度を確保することができます。検査の準備や注意点については、必ず担当医師や技師の指示に従い、適切な対応を行うことが重要です。