糖尿病の食事療法とは?考え方や食べてはいけないもの・いいものや注意点について

私の父も糖尿病で重度の状態から、食事療法によってある程度普通の値まで持ち直し今ではその状態をキープしています。一度、糖尿病と診断された人にとっては、日々の食事から見直す必要があるため少し不安かとおもいます。

今回は、糖尿病の食事療法についての考え方、どんなことに注意していけば良いのか、食べてはいけないもの・いいものなどについて詳しく解説していきます。

糖尿病とは?

糖尿病は、血液中のグルコース(血糖)が正常範囲を超えて上昇し、体内の細胞に十分に取り込まれないことによって引き起こされる代表的な疾患の一つです。

糖尿病は、糖質や脂質の代謝に関わるホルモンであるインスリンの分泌不全、またはインスリンが十分に働かないことによって引き起こされます。

糖尿病の食事療法は、血糖値を正常範囲に保ち、合併症のリスクを減らすために非常に重要です。

食事療法の考え方

糖質制限

糖尿病の食事療法において、最も重要なのは糖質制限です。

糖質は、体内でブドウ糖に変換され、血糖値の上昇を引き起こします。糖質制限は、血糖値の上昇を抑え、糖尿病の管理に役立ちます。

糖質制限の方法は、炭水化物の種類や量を制限することです。具体的には、炭水化物の摂取量を1日あたり45〜60グラムに制限することが推奨されます。また、高GI(グリセミック・インデックス)の食品、つまり血糖値を急激に上昇させる食品を避けることも重要です。

食物繊維の摂取

食物繊維は、糖尿病の食事療法においても重要な栄養素です。

食物繊維は、腸内細菌によって分解され、糖質の吸収を遅らせる効果があります。また、食物繊維は、腸内の健康にも良く、便秘や肥満の予防にも効果的です。

糖尿病の食事療法において、1日あたり25〜30グラムの食物繊維を摂取することが推奨されます。食物繊維を多く含む食品としては、豆類、野菜、果物、穀物などがあります。

脂質の摂取

脂質は、糖尿病の食事療法においても適切なバランスで摂取することが重要です。

脂質の種類によっては、血糖値を上昇させることがありますが、適切な量で摂取することで、健康な脂質代謝を促進し、心血管疾患のリスクを低減することができます。

糖尿病の食事療法においては、1日あたりの脂質摂取量は全体の20〜30%以内に抑えることが推奨されます。また、健康的な脂質としては、オメガ-3脂肪酸を多く含む魚介類やナッツ、オリーブオイルなどを積極的に摂取することが望ましいです。

タンパク質の摂取

タンパク質は、筋肉や臓器の修復に必要な栄養素であり、糖尿病の食事療法においても重要な役割を果たします。ただし、過剰に摂取すると、腎臓に負担をかけることがあるため、適切な量で摂取する必要があります。

糖尿病の食事療法においては、1日あたりのタンパク質摂取量は全体の15〜20%程度に抑えることが推奨されます。また、タンパク質源としては、鶏肉や魚、豆類、ナッツなどが適切です。

食事の回数とタイミング

糖尿病の食事療法においては、食事の回数とタイミングも重要です。

食事の回数を増やし、一度に摂取するカロリーを減らすことで、血糖値の上昇を抑えることができます。

また、食事のタイミングも、朝食をしっかりとることで、一日のエネルギー摂取量を調整し、血糖値のコントロールをしやすくすることができます。

糖尿病の食事療法において、食事の回数やタイミングは個人差があります。医師や専門家と相談し、自分に合った食事の回数とタイミングを決めることが大切です。

飲み物の選び方

飲み物も糖尿病の食事療法においては、適切に選ぶことが重要です。

甘い飲み物やアルコール類は、血糖値の上昇を引き起こすことがあるため、控える必要があります。

水や無糖の飲み物、または低カロリーの飲み物を積極的に摂取することが望ましいです。

また、コーヒーや紅茶などに含まれるポリフェノールやカフェインは、血糖値のコントロールに効果的な成分として知られています。

食事のバランス

糖尿病の食事療法においては、食事のバランスと多様性も大切です。

単一の食品や栄養素に偏らず、食品グループや栄養素をバランス良く摂取することが重要です。

また、同じ食品でも調理法を変えたり、食材を組み合わせることで、食事のバリエーションを増やすことができます。

糖尿病で食べてはいけないもの

やはり一番気にしていかなければならないのは、糖質です。

糖質の多い食品を多く摂取すると、血糖は上がりやすくなります。特に甘いものなど単純糖質を含む食品は、急激な血糖上昇の原因になります。食べる量に注意しましょう。

具体的には、

  • 白米
  • 食パンや菓子パン
  • 麺類(うどん、ソーメン、冷麦、そば、ラーメン、焼きそば、スパゲティなど)、
  • 芋類(じゃが芋、さつまいも、里芋など)
  • 大豆以外の豆類(小豆、インゲン豆、おたふく豆など)、
  • スイーツなど

が挙げられます。先程まで解説した食事療法の考え方にそって、きちんとバランスのよい食事を摂るようにしましょう。

糖尿病で食べて良いもの

逆に食べることを推奨されるものとしては、血糖値が急激に上昇しないものが望ましいとされています。

低GIと呼ばれる食品は、血糖値の急激な上昇を抑えるためおすすめと言えるでしょう。

具体的には、

  • 玄米や胚芽米
  • 豚肉(脂身の少ないもの)
  • アジ、サバ、サンマなどの青魚
  • 豆腐類
  • きのこ類
  • 食物繊維が豊富な野菜(ブロッコリー、小松菜、トマトなど)

が挙げられます。偏って大量に摂取するのではなく、バランスのよい食事を心がけましょう。

まとめ

糖尿病の食事療法においては、炭水化物の量や種類、食物繊維、脂質、タンパク質の摂取量、食事の回数やタイミング、飲み物の選び方、食事のバランスと多様性などが重要なポイントです。

これらのポイントを遵守しながら、医師や栄養士と相談しながら、自分に合った食事療法を行うことが大切です。

糖尿病の食事療法を通じて、血糖値のコントロールや健康的な生活を維持し、合併症の予防にもつながります。

ただし、食事療法だけでは糖尿病を完治することはできません。適切な運動や薬物療法などと併せて、総合的な治療を行うことが重要です。

また、糖尿病になったからといって、何も食べられないわけではありません。食事を楽しみながら、バランスの良い食事療法を行うことができます。

自分に合った食事療法を見つけ、継続的に取り組むことが大切です。

最後に、糖尿病の食事療法に関しては、個人差があります。

専門家の指導や、自己管理のための血糖値の測定などを行いながら、自分に合った食事療法を行うようにしましょう。

また、健康的な生活習慣を心がけ、糖尿病を予防することも重要です。定期的な健康診断を受け、糖尿病やその合併症の早期発見・治療につなげていきましょう。