この記事を読んでくださる方の多くは、健康に気を使っている方が多いと思います。しかし、ABC検査って実はよくわからないですよね?
今回は、このABC検査のそもそもの内容や、検査で何をするのか、ABC検査って毎年やる必要があるの?という疑問や、初めての方に向けて、ABC検査の判定基準や費用について詳しく解説していきます!
ABC検査とは?
このABC検査、別名では、胃がんリスク層別化検診と呼ばれます。
少し堅苦しい名前ですが、ABC検査よりも胃がんリスク層別化検診のほうが何を調べるかわかりやすいですね。
そうです、ABC検査とは、胃がんのリスクを調べる検査なんです。
胃がんリスク層別化検査は、胃がんの発症リスクに応じて、検査を行うことを目的としたものです。
この検査は、年齢、家族歴、生活習慣などから算出されたリスクスコアに基づいて、各リスク層ごとに検査方法が異なっています。
例えば、リスクが低い層では、一定期間ごとに内視鏡検査を受けることが推奨されます。
リスクが高い層では、頻繁に内視鏡検査や血液検査などを受けることが必要かもしくは推奨されます。
ABC検査の内容は?
ABC検査が、胃がんについて調べることというのは理解できましたが、一体どんな検査をするんでしょうか?
ABC検査では、大きく分けて2つのことを調べます。
- ピロリ菌
- ペプシノーゲン
この2つは胃がんの発症に大きく影響をしていると言われており、ABC検査でこの2つを調べることで胃がんのリスクを判定することができます。
検査の方法は簡単で、血液検査によって上記のリスクを知ることができます。
胃カメラやバリウムが苦手、、という人でも検査できるのがABC検査の大きなメリットと言えるでしょう。
ABC検査の判定基準は?
ABC検査によって、胃の状態を4つの状態で判定します。
A群
健康な胃粘膜です。胃の病気になる可能性は低いと考えられます。胃がんの危険度はほぼなく、1年間の胃がんの発生頻度もほぼゼロの分類です。
- ピロリ菌 陰性
- ペプシノゲン 陰性
- 胃の状態:胃粘膜委縮なし
また、5年に1回は内視鏡検査を推奨されています。
B群
少し弱った胃粘膜で、潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気に注意する状態です。
ピロリ菌に感染していますので、胃内視鏡検査を受診後、除菌をお勧めします。
胃がんの危険度はありとされ、1年間の胃がんの発生リスクは1,000人に1人という状態です。
- ピロリ菌 陽性
- ペプシノゲン 陰性
- 胃の状態:胃粘膜萎縮軽度
また、2-3年に1回は内視鏡検査を推奨されています。
C群
弱った胃粘膜の状態で、胃がんなどの病気になりやすいタイプであるといえます。
ピロリ菌に感染していますので、胃内視鏡検査を受診後、除菌をお勧めします。
胃がんの危険度は高いとされ、1年間の胃がんの発生リスクは500人に1人という状態です。
- ピロリ菌 陽性
- ペプシノゲン 陽性
- 胃の状態:胃粘膜萎縮進んでいる
また、1年に1回は内視鏡検査を推奨されています。
D群
かなり弱った胃粘膜です。胃がんなどの病気になるリスクが非常に高い状態にあります。
定期的な胃内視鏡検査をお勧めします。また、胃粘膜の萎縮が進みすぎてピロリ菌が逆に住めないような状態です。
胃がんの危険度はきわめて高いとされ、1年間の胃がんの発生リスクは80人に1人という状態です。
- ピロリ菌 陰性
- ペプシノゲン 陽性
- 胃の状態:胃粘膜萎縮高度
また、1年に1回は内視鏡検査を推奨されています。
E群・G群(判定不確定群)という2つのカテゴリもあり、問診(既往等)により判定が確定できない方
、胃切除された方、ピロリ菌の除菌治療を受けたことがある方などは、検査をしても正確な判定ができないためこの分類になります。
(出典:GHN:Gastro-Health Now(認定NPO法人 日本胃がん予知・診断・治療研究機構 機関紙)
ABC検査って毎年必要?
もちろんそれぞれの方の状況によって異なるのですが、ABC検査は一生に一度でいいと言われています。
A群だった人
胃がんリスクが低い=ピロリ菌陰性・ペプシノゲン陰性の場合、将来の胃がんリスクは極めて低いと言えますのでABC検査以外にバリウム検査などは受けなくてもOKと言われています。
B,C,D群だった人
胃がんリスクがある~高い状態と言えますので、定期的に内視鏡検査を受けて、ピロリ菌除菌療法お受けになることをおすすめします。ABC検査を受けるというよりも、ピロリ菌の除去を行ったほうがよいでしょう。
ABC検査の費用はどのくらい?
ABC検査の費用は、3,500~5,000円程度と言われています。
ピロリ菌が発見された場合、ピロリ菌除去には別途料金が必要となります。