血清鉄とは?数値が低い・高い原因、貧血や病気との関連について、フェリチンとの違いはある?

血清鉄と聞くと、ちょっとイメージがわかないので、数値が高い・低いときの対処や考えるべきことがあまりよくわかりません。

今回は血清鉄について、そもそもどんなものなのか、血清鉄の数値が低い・高い場合とどうなるか、その原因について、フェリチンとの違いなど詳しく解説していきます。

血清鉄とは?

血清鉄とは、血液中に含まれる鉄のことで、体内の鉄の状態を反映する重要な指標です。

鉄は、ヘモグロビンの構成要素として酸素を運搬する役割を果たし、体のエネルギー代謝に不可欠なミネラルです。

血清鉄は、主に血清中に存在し、トランスフェリンというタンパク質に結合して運ばれます。

血清鉄の男女別の基準値は?

血清鉄の基準値は性別や年齢によって異なります。一般的な基準値は以下の通りです。

  • 男性: 54~200 µg/dL
  • 女性: 48~154 µg/dL

女性の基準値が男性よりも低いのは、月経による鉄の喪失が影響しているためです。

また、妊娠中や授乳中の女性は、鉄の需要が増えるため、さらに低くなることがあります。

血清鉄が低いとどうなる?

血清鉄が低い状態が続くと、体はさまざまな問題を抱えるようになります。

主な症状と影響は以下の通りです。

  1. 貧血: 鉄欠乏性貧血が最も一般的な結果です。ヘモグロビンの生成が妨げられ、酸素運搬能力が低下します。
  2. 疲労感: 十分な酸素が全身に供給されないため、慢性的な疲労や倦怠感を感じます。
  3. 集中力の低下: 脳への酸素供給が不足するため、集中力や認知機能が低下します。
  4. 息切れ: 軽い運動や日常の活動でさえも息切れを感じやすくなります。
  5. 免疫力の低下: 鉄は免疫系の機能にも関与しているため、感染症にかかりやすくなります。

血清鉄が低い原因は何?

血清鉄が低くなる原因はさまざまですが、主に以下の要因が考えられます。

  1. 食事による鉄不足: 鉄分が不足した食事や、鉄の吸収が妨げられる食事を続けると、血清鉄が低下します。
  2. 出血: 消化管出血や月経過多など、体外への出血が多いと鉄が失われます。
  3. 吸収障害: セリアック病やクローン病など、腸の吸収能力が低下する疾患が原因となることがあります
  4. 妊娠・授乳: 妊娠中や授乳中は、胎児や乳児に鉄を供給するため、母体の鉄が不足しがちです。
  5. 慢性疾患: 慢性炎症や腎不全など、一部の慢性疾患は鉄の利用や代謝に影響を与えます。

血清鉄が高いとどうなる?

一方で、血清鉄が高い状態も健康に悪影響を及ぼすことがあります。主なリスクと症状は以下の通りです。

  1. ヘモクロマトーシス: 遺伝性の鉄過剰症で、鉄が過剰に吸収され、臓器に蓄積します。肝臓、心臓、膵臓にダメージを与えることがあります。
  2. 肝障害: 肝臓に鉄が蓄積すると、肝硬変や肝臓がんのリスクが増加します。
  3. 心疾患: 鉄が心臓に蓄積すると、心筋症や不整脈を引き起こす可能性があります。
  4. 糖尿病: 鉄の蓄積が膵臓に影響を与え、インスリンの分泌が阻害されることがあります。

 

血清鉄とフェリチンの違いはある?

血清鉄とフェリチンは、どちらも体内の鉄の状態を示す指標ですが、その役割と測定する意味には違いがあります。

  • 血清鉄: 血液中を循環している鉄の量を測定します。これは、体が利用できる鉄の即時の供給状態を反映しています。
  • フェリチン: 体内の鉄の貯蔵量を示すタンパク質です。フェリチンの値は、体全体の鉄の蓄積量を反映し、鉄欠乏の早期診断や、鉄過剰の評価に役立ちます。

これらの指標を総合的に評価することで、医師は患者の鉄の状態をより正確に把握し、適切な治療を提供することができます。

まとめ

血清鉄は、体内の鉄の状態を示す重要な指標です。

男女別の基準値を理解し、血清鉄の低下や上昇の原因と影響を把握することは、健康管理において非常に重要です。

また、血清鉄とフェリチンの違いを理解することで、より正確な診断と治療が可能になります。鉄のバランスを保つためには、適切な食事、定期的な健康チェック、必要に応じた医療機関での相談が不可欠です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。