尿素窒素とは?基準値や高い・低いときの原因は?クレアチニンとの関連やbunとの関連について

尿素窒素は人間ドックの検査項目となっているものですが、検査項目はどれも見慣れないのでどんなことがわかるのかピンときませんよね。

今回は尿素窒素について、そもそも尿素窒素とはどんなものか、尿素窒素の基準値について、尿素窒素が高いとき・低いときの原因、尿素窒素とクレアチニンとの関連とbunとの関連について詳しく解説していきます。

尿素窒素とは?

尿素窒素(Blood Urea Nitrogen, BUN)は、体内のタンパク質が代謝される過程で生成される尿素の窒素部分を指します。

尿素は肝臓で生成され、主に腎臓を通じて尿として排泄されます。

尿素窒素の測定は、腎臓の機能や肝臓の健康状態を評価するために重要な指標となります。

尿素窒素の濃度は血液検査で簡単に測定でき、腎臓の健康状態を示す一般的なマーカーとして利用されます。

尿素窒素の基準値は?

尿素窒素の基準値は、一般的に成人で8〜20 mg/dL(ミリグラム/デシリットル)とされています。

ただし、年齢、性別、食事、運動習慣、全体的な健康状態などにより、正常範囲は若干変動することがあります。

また、検査を実施する医療機関によっても基準値に若干の差異が見られることがあります。

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尿素窒素が高い原因は?

尿素窒素が高い場合、これは「高BUN」と呼ばれ、腎機能の低下や他の健康問題の可能性を示唆します。

以下に尿素窒素が高くなる主な原因を挙げます:

  1. 腎不全:急性または慢性の腎不全は、尿素窒素の排泄を妨げるため、血中のBUN濃度が上昇します。
  2. 脱水:体内の水分不足は、尿素窒素の濃度を増加させることがあります。これは、血液が濃縮されるためです。
  3. 高タンパク食:食事で摂取するタンパク質の量が多いと、体内で生成される尿素も増加し、結果としてBUN値が高くなります。
  4. 消化管出血:消化管内の出血は、体内でタンパク質の分解が増加するため、尿素窒素の濃度が上昇します。
  5. 心不全:心臓の機能が低下すると、腎臓への血流が減少し、尿素窒素の排泄が妨げられることがあります。
  6. 尿路閉塞:尿路のどこかで閉塞が生じると、尿の排泄が妨げられ、BUNが上昇します。
  7. 薬剤の影響:特定の薬物(例:利尿薬や抗生物質)は、尿素窒素の濃度を上昇させることがあります。

尿素窒素とクレアチニンの関連は?

尿素窒素とクレアチニンは、どちらも腎機能を評価するための重要な指標です。

クレアチニンは筋肉の代謝産物であり、尿素窒素と同様に腎臓を通じて排泄されます。

通常、これら二つの値を組み合わせて評価することで、腎機能の状態をより正確に把握できます。

  • BUN/クレアチニン比:通常、この比率は10〜20の範囲にあります。比率が高い場合(例:>20)、これは腎前性(腎臓に至る前の原因)による腎機能障害を示唆することが多く、脱水や消化管出血などが考えられます。一方、比率が低い場合、腎性(腎臓自体の問題)または腎後性(尿路の閉塞など)の原因を示唆します。

尿素窒素とBUNの関連は?

尿素窒素(BUN)と尿素は同じ物質を指していますが、視点が異なります。

BUNは血液中の尿素の窒素部分に焦点を当てた指標であり、尿素全体の測定値とは異なります

具体的には、尿素分子は2つの窒素原子を含むため、BUNの値は尿素全体の値の約半分に相当します。

尿素窒素を正常値にするための方法はある?

尿素窒素が正常値から外れている場合、まずその原因を特定することが重要です。

原因に応じて適切な対策を講じることで、BUNを正常範囲に戻すことが可能です。以下に一般的な対策を挙げます:

  1. 水分摂取の増加:脱水が原因である場合は、十分な水分摂取が必要です。水分摂取を増やすことで、尿素窒素の濃度を低下させることができます。
  2. 食事の調整:高タンパク食が原因である場合は、食事内容を見直し、適切なタンパク質摂取量を守ることが重要です。
  3. 薬物の調整:BUNを上昇させる薬物を使用している場合は、医師と相談して薬物の調整を行うことが必要です。
  4. 基礎疾患の治療:腎不全や心不全などの基礎疾患が原因である場合は、その治療が最優先されます。適切な治療を受けることで、BUNの値も改善する可能性があります。
  5. 運動と生活習慣の見直し:適度な運動と健康的な生活習慣は、全体的な健康を改善し、腎機能の維持に寄与します。

まとめ

尿素窒素(BUN)は、体内のタンパク質代謝の副産物であり、腎機能や全身の健康状態を評価するための重要な指標です。

基準値は8〜20 mg/dLであり、これを超える場合は様々な健康問題が考えられます。

尿素窒素とクレアチニンの関係を理解することで、より正確な腎機能の評価が可能となり、尿素窒素とBUNの違いを認識することで、より深い理解が得られます。

最後に、尿素窒素を正常値に戻すためには、原因に応じた適切な対策を講じることが必要です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。