リパーゼの働きを簡単に?正常値や高値・低値の場合はどうなるのか、検査でわかる病気について

健康診断や人間ドックでわかるリパーゼ。聞き慣れない言葉なので、一体何がわかるのかいまいちよくわからないですよね。

今回は、リパーゼとはそもそも何か、どんな働きをしているかについて、リパーゼを検査することで何の病気がわかるのか、リパーゼが高値・低値の場合、どんな病気の可能性があるのかについて詳しく解説していきます!

リパーゼの働きをわかりやすく?

リパーゼは、私たちの体内で重要な役割を果たす酵素の一つです。

消化酵素として働き、脂質(脂肪)の分解や吸収を助ける役割を担っています。

リパーゼは主に膵臓で合成され、小腸で活性化されます。食事から摂取した脂質は、胆汁によって腸内に放出され、そこでリパーゼが作用して脂質を分解し、吸収可能な形に変えます。

リパーゼの主な働きは、中性脂肪(トリグリセリド)をグリセロールと脂肪酸に分解することです。

この過程によって、脂肪は体内でエネルギー源として利用されるだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収も促進されます。また、リパーゼは脂肪の消化と吸収に関与するだけでなく、細胞膜やホルモンの合成にも関与しています。

人間ドックのリパーゼの検査で何がわかる?

人間ドックの検査において、リパーゼの値を測定することで、膵臓の状態や膵炎(すいえん)といった疾患の有無を評価することができます。

膵炎は膵臓の炎症を指し、慢性膵炎や急性膵炎などがあります。リパーゼの検査は、膵炎の早期発見や病状の経過観察に役立ちます。

通常、リパーゼの検査は血液検査によって行われます。血液中のリパーゼのレベルが上昇している場合、膵臓の細胞が損傷を受けたり、炎症が起こっている可能性があります。

ただし、リパーゼの上昇は膵炎だけでなく、他の疾患や膵臓以外の問題によっても引き起こされる場合があるため、他の検査との組み合わせが重要です。

リパーゼの基準値は?

リパーゼの基準値は、検査を行う医療機関や地域によって異なることがあります。

一般的には、正常範囲は血液中のリパーゼの濃度が11~53ユニット/リットル(U/L)程度とされています。

しかし、これはあくまで一般的な目安であり、検査結果を評価する際には医師の判断が重要です。

また、リパーゼの基準値は年齢や性別によっても異なる場合があります。一般的には成人の基準値が適用されますが、子供や高齢者の場合は別の基準値が設定されていることがあります。

検査結果を正しく評価するためには、検査を受ける際に医師に相談し、適切な基準値を理解しておくことが重要です。

リパーゼが高値の場合は?

リパーゼの検査結果が基準値を超えて高値である場合、次のような状況を考えることができます。

膵炎

リパーゼの上昇は、急性膵炎や慢性膵炎といった膵臓の炎症を示すことがあります。

膵炎は膵臓の細胞が損傷を受け、リパーゼが血液中に漏れ出すことで起こります。

膵管閉塞

膵臓の膵管が閉塞されると、リパーゼが正常に分泌されず、血液中に留まることがあります。

これにより、リパーゼの値が上昇することがあります。

また、膵臓以外の疾患や問題、胆道の障害、胆石、胆嚢炎などもリパーゼの上昇を引き起こす可能性があります。

リパーゼの検査結果が高値であった場合は、追加の検査や医師の診断が必要となります。医師は病歴や他の検査結果と照らし合わせながら、適切な処置や治療を行います。

リパーゼが低値の場合は?

リパーゼの検査結果が基準値よりも低値である場合、次のような状況を考えることができます。

膵臓機能の低下

リパーゼの低下は、膵臓の機能低下を示す可能性があります。

膵臓が正常にリパーゼを分泌できない場合、消化機能が低下し、脂質の分解と吸収が妨げられます。

膵炎の後遺症

長期間の膵炎や膵臓手術の結果、膵臓の機能が低下し、リパーゼの分泌量が減少することがあります。

また、糖尿病や膵臓以外の疾患や要因、例えば脂肪吸収障害や栄養不良なども、リパーゼの低下を引き起こす可能性があります。

リパーゼは消化酵素として重要な役割を果たし、膵炎や膵臓の疾患の評価に用いられる検査です。

正常範囲や上昇・低下の要因には個人や状況による変動があります。リパーゼの異常値が検出された場合は、医師の指導のもとで追加の検査や適切な治療を受けることが重要です。

膵臓機能の改善に効く漢方薬は?

膵炎は放置すると膵臓の壊死に関わってくるため、早めの治療が肝心です。ここでは、膵炎に効く漢方をいくつかご紹介します

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

延年半夏湯(えいねんはんげとう)