腫瘍マーカーCA15-3とは?基準値や上昇の原因、乳がんとの関わり・男性にも関係あるか知りたい

人間ドックで受けることのできる、腫瘍マーカーの検査ですが、CA15-3とは一体何を表す数値なのでしょうか?

今回は、腫瘍マーカーのCA15-3とはそもそも何か、CA15-3の基準値や上昇している原因、乳がんとの関わり、男性にもCA15-3の腫瘍マーカーは関係するのかという点について詳しく解説していきます。

腫瘍マーカーのCA15-3とは?

腫瘍マーカーのCA15-3は、癌の診断や治療効果のモニタリングに使用される血液中の物質です。

具体的には、CA15-3は主に乳がんの腫瘍細胞から分泌される糖蛋白で、乳がん患者の血中で高濃度に検出されることが多いです。

しかし、CA15-3は乳がんだけでなく、他の種類の癌や一部の良性疾患でも上昇することがあります。

CA15-3の役割と意義

CA15-3は、腫瘍マーカーとしての感度と特異度が比較的高いため、乳がんの再発や転移の早期発見に有用です。

ただし、乳がんの初期段階では必ずしも高値を示すわけではないため、他の診断手法と併用することが推奨されます。

CA15-3の基準値は?

CA15-3の正常値は、一般的に30 U/mL以下とされています。

ただし、基準値は使用する測定キットや機関によって若干異なることがあります。

通常、30 U/mLを超えると異常とされますが、この数値だけで癌の診断を確定することはできません。臨床的な状況や他の診断結果と総合的に評価する必要があります。

基準値の解釈

CA15-3が30 U/mL以下であれば、通常は異常なしと判断されますが、乳がん患者でも基準値以下の場合があるため、注意が必要です。

逆に、CA15-3が30 U/mLを超える場合は、乳がんの再発や転移の可能性を疑いますが、他の疾患の影響も考慮する必要があります。

CA15-3が上昇している原因は?

CA15-3が上昇する原因は様々です。以下に主な原因を挙げます。

乳がん

CA15-3の上昇は、特に進行した乳がんや再発、転移の兆候として重要です。

乳がん細胞が増殖すると、血中のCA15-3濃度が高くなる傾向があります。

他の癌

CA15-3は乳がん以外の癌、例えば肺がん、肝がん、卵巣がん、膵がんなどでも上昇することがあります。このため、CA15-3の上昇が必ずしも乳がんに特異的ではないことを理解する必要があります。

良性疾患

一部の良性疾患でもCA15-3が上昇することがあります。

例えば、肝疾患(肝炎や肝硬変)、慢性腎不全、結核、卵巣嚢胞などが挙げられます。これらの疾患では、癌以外の原因で血中CA15-3が高くなることがあります。

その他の要因

妊娠や乳腺症などの生理的変化や良性の乳腺疾患もCA15-3の上昇に寄与することがあります。

したがって、CA15-3の上昇が検出された場合は、患者の全体的な健康状態や既往歴を考慮した包括的な評価が必要です。

CA15-3と乳がんの関わりは?

CA15-3は乳がんの診断や治療経過のモニタリングにおいて重要な役割を果たします。

乳がん患者の治療中および治療後にCA15-3の値を定期的に測定することで、再発や転移の早期発見が可能となります。

診断と治療のモニタリング

CA15-3は乳がんの初期診断にはあまり役立ちませんが、治療効果のモニタリングや再発の早期発見に非常に有用です。

治療中にCA15-3の値が低下する場合は、治療が効果を示していることを意味します。一方、治療後にCA15-3の値が上昇する場合は、再発や転移の可能性があるため、さらなる検査が必要となります。

CA15-3の限界

CA15-3は乳がん患者の約70%において上昇が見られますが、乳がんの早期段階では必ずしも高値を示さないため、初期診断には不向きです。

また、他の癌や良性疾患でも上昇することがあるため、CA15-3の結果だけで診断を確定することはできません。

CA15-3の腫瘍マーカーは男性向けではない?

CA15-3は主に乳がんのマーカーとして使用されるため、男性向けの腫瘍マーカーとしては一般的ではありません。

しかし、男性にも乳がんは稀に発生することがあり、その場合にはCA15-3が診断や治療のモニタリングに使用されることがあります。

男性の乳がん

男性の乳がんは非常に稀ですが、発生することがあります。

男性乳がん患者でもCA15-3は有用なマーカーとなり得ます。ただし、男性の乳がんの診断には、他の診断手法と併用することが一般的です。

他の男性向け腫瘍マーカー

男性に特異的な腫瘍マーカーとしては、前立腺特異抗原(PSA)がよく知られています。

PSAは前立腺がんの診断や治療のモニタリングに使用されます。男性の健康管理においては、PSAをはじめとする他の腫瘍マーカーも重要な役割を果たします。

 

まとめ

CA15-3は主に乳がんの診断や治療経過のモニタリングに使用される腫瘍マーカーであり、乳がん患者においてその有用性が高いことが示されています。

基準値は30 U/mL以下とされ、上昇した場合は乳がんの再発や転移の可能性を示唆しますが、他の癌や良性疾患でも上昇することがあります。

男性向けの腫瘍マーカーとしては一般的ではありませんが、男性乳がん患者においても有用です。CA15-3の測定結果を正確に解釈するためには、臨床的な状況や他の診断手法と併用することが重要です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。