健康診断で「メタボリックシンドローム」や「メタボ予備群」と指摘されて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。メタボリックシンドロームは自覚症状がほとんどないまま進行し、放置すると心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。
本記事では、メタボリックシンドロームの診断基準から原因、そして具体的な改善方法まで詳しく解説します。早期発見と適切な対策で、健康な体を取り戻しましょう。
目次
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積に加えて、高血圧・脂質異常・高血糖のうち2つ以上が重なった状態を指します。それぞれの数値が軽度であっても、複数のリスク要因が組み合わさることで動脈硬化が急速に進行し、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが格段に高まることが分かっています。
日本では2008年から特定健診(メタボ健診)が始まり、40歳以上の方を対象にメタボリックシンドロームの早期発見と予防に力を入れています。
メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームの診断には、まず必須項目である腹囲(ウエスト周囲径)を測定し、次に選択項目の3つの検査値を確認します。
必須項目:腹囲の基準
男性は腹囲85cm以上、女性は腹囲90cm以上が内臓脂肪型肥満の基準となります。この数値は、CTスキャンで測定した内臓脂肪面積100平方センチメートルに相当するウエストサイズとして設定されています。
腹囲の測定は、立った状態で軽く息を吐いたときに、へその高さで水平に測ります。
選択項目:3つの検査値
腹囲が基準を超えている場合、以下の3項目のうち2つ以上に該当するとメタボリックシンドロームと診断されます。
高血圧については、収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上が基準です。高血糖については、空腹時血糖110mg/dL以上またはHbA1c6.0%以上となります。脂質異常については、中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満が該当します。
メタボリックシンドロームの原因
メタボリックシンドロームの最大の原因は、食べ過ぎと運動不足による内臓脂肪の蓄積です。内臓脂肪は皮下脂肪と比べて代謝が活発で、血糖値や血圧、脂質代謝に悪影響を及ぼす物質を分泌しやすい特徴があります。
また、加齢に伴う基礎代謝の低下や、ストレスによる過食、睡眠不足なども原因として挙げられます。特に中年期以降は筋肉量が減少し、エネルギー消費が落ちるため、若い頃と同じ食生活を続けていると内臓脂肪が蓄積しやすくなります。
放置した場合のリスク
メタボリックシンドロームは自覚症状がないため放置されがちですが、そのまま進行すると深刻な健康被害を招きます。
動脈硬化が進むと血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが大幅に上昇します。また、2型糖尿病、脂肪肝、慢性腎臓病、さらには一部のがんの発症リスクも高まることが報告されています。
これらの病気は一度発症すると完治が難しく、生活の質を大きく低下させる可能性があるため、早期の対策が重要です。
メタボリックシンドロームの改善方法
メタボリックシンドロームは生活習慣を見直すことで改善が可能です。内臓脂肪を減らすことで、高血糖・脂質異常・高血圧がともに改善されることが多いです。
食生活の改善
腹八分目を心がけ、野菜や海藻類を積極的に摂取することが基本です。主食・主菜・副菜のそろった栄養バランスの良い食事を意識しましょう。
脂肪と糖分の多い食事は控え、塩分も1日6g未満を目標にします。また、よく噛んでゆっくり食べることで満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。
運動習慣の確立
ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動は内臓脂肪の燃焼に効果的です。まずは1日10分程度から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。
週に150分以上の中等度の運動が推奨されていますが、無理なく継続できる範囲で取り組むことが大切です。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活での活動量を増やすことも効果的です。
その他の生活習慣
禁煙と適度な節酒も重要な改善ポイントです。喫煙は動脈硬化を促進し、過度の飲酒は中性脂肪を増加させます。
また、十分な睡眠を確保し、ストレスを適切に管理することも内臓脂肪の蓄積を防ぐうえで欠かせません。
まとめ
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積に高血圧・脂質異常・高血糖が重なった状態であり、放置すると心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こすリスクがあります。
診断基準は男性腹囲85cm以上、女性90cm以上を必須とし、血圧・血糖・脂質の3項目のうち2つ以上が該当する場合に診断されます。改善には食生活の見直しと運動習慣の確立が基本となります。
健康診断でメタボと指摘されたら、まずは生活習慣を振り返り、できることから改善を始めましょう。早期に対策を取ることで、健康寿命を延ばし、質の高い生活を送ることができます。










