空腹時血糖の正常値は?上昇や高くなる原因、高値の場合の病気や下げるための食事などを詳しく

人間ドックなどで計測する「空腹時血糖」。もちろんそのものの意味はなんとなくわかりますが、実際には体のどんなことがわかるのでしょうか?

今回は、そんな空腹時血糖とはそもそも何か?空腹時血糖の正常値や基準値について、空腹時血糖が高い場合に考えられる原因や病気、下げるための方法などを詳しく解説していきます。

空腹時血糖とはわかりやすく?

空腹時血糖とは、食事をしていない状態での血糖値を測定するものです。

具体的には、8時間以上何も食べていない状態での血液中のブドウ糖の濃度を指します。

空腹時血糖値は、糖尿病やその他の代謝異常を診断するための重要な指標となります。

この測定は、主に朝起きたときに行われ、食事や飲み物の影響を受けない純粋な血糖値を得ることができます。

空腹時血糖の基準値や正常値は?

空腹時血糖の基準値や正常値は、以下の通りです:

  • 正常値100〜109 mg/dL
  • 前糖尿病(糖尿病予備軍)110〜125 mg/dL
  • 糖尿病126 mg/dL以上

これらの値は一般的なガイドラインであり、個々の患者の状況や診断に応じて医師が適切に評価します。

空腹時血糖値が正常範囲内であれば、血糖コントロールが良好であると考えられますが、異常値が出た場合はさらなる検査が必要となります。

空腹時血糖が高くなる原因は?

空腹時血糖が高くなる原因はいくつかあります。主な要因は以下の通りです:

インスリン抵抗性

インスリン抵抗性とは、体の細胞がインスリンの働きに対して鈍感になる状態です。

このため、インスリンが正常に機能せず、血糖値が高くなります。これは2型糖尿病の主要な原因の一つです。

インスリン分泌の不足

1型糖尿病では、膵臓のインスリン分泌が極端に減少するか、全く分泌されなくなります。

その結果、血糖値が上昇します。また、2型糖尿病でも進行するにつれてインスリン分泌が減少することがあります。

肝臓からの糖放出の増加

肝臓は血糖値が低いときに糖を生成し放出しますが、この機能が異常に活発になると、空腹時血糖値が高くなることがあります。

特に2型糖尿病やインスリン抵抗性の患者に多く見られます。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスホルモンであるコルチゾールや成長ホルモン、アドレナリンなどが過剰に分泌されると、血糖値が上昇します。

これはストレスや病気、睡眠不足などによって引き起こされることがあります。

食事と生活習慣

カロリーや高糖質の食事、運動不足、肥満、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣も空腹時血糖値の上昇に寄与します。

これらの要因は、インスリン抵抗性や体内の代謝バランスの乱れを引き起こします。

空腹時血糖が上昇すると考えられる病気は?

空腹時血糖が上昇することで考えられる病気や状態はいくつかあります。主なものは以下の通りです:

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリン抵抗性やインスリン分泌の不足によって血糖値が高くなる病気です。

遺伝的要因や生活習慣が発症のリスクを高めます。

1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫反応によって膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊される病気です。

その結果、インスリンが全く分泌されなくなり、血糖値が上昇します。

糖尿病予備軍(前糖尿病)

前糖尿病は、糖尿病に進行するリスクが高い状態を指します。

空腹時血糖値が110〜125 mg/dLの範囲にある場合、前糖尿病と診断されます。

クッシング症候群

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌される病気です。

コルチゾールの過剰分泌は、血糖値の上昇を引き起こします。

成長ホルモン過剰症(巨人症)

成長ホルモンが過剰に分泌されると、血糖値が上昇することがあります。

これは成長ホルモンがインスリンの働きを妨げるためです。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、代謝が活発になり、血糖値が上昇することがあります。

空腹時血糖を下げるにはどうすればいい?

空腹時血糖を下げるためには、以下の方法が有効です:

食事の改善

  • 低糖質・高食物繊維の食事: 炭水化物を減らし、野菜や全粒穀物、豆類を増やすことで血糖値の急上昇を防ぎます。
  • 規則正しい食事: 食事の間隔を空けすぎないようにし、3食きちんと摂ることで血糖値の安定を図ります。
  • 適切なカロリー摂取: 過食を避け、適正なカロリーを守ることで肥満を予防し、インスリン抵抗性の改善に繋がります。
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運動習慣

  • 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動は、インスリンの効果を高め、血糖値を下げる効果があります。
  • 筋力トレーニング: 筋肉量を増やすことで、エネルギー消費が増え、血糖値のコントロールが改善されます。

体重管理

  • 減量: 肥満はインスリン抵抗性を悪化させるため、適正体重を維持することが重要です。5〜10%の減量でも血糖値の改善に効果があります。

ストレス管理

  • ストレスの軽減: ストレスはホルモンバランスを乱し、血糖値を上昇させます。リラクゼーション法や趣味を持つことでストレスを軽減しましょう。

薬物療法

  • 医師の指導の下での薬物療法: 必要に応じて、医師が処方する血糖降下薬やインスリン注射を利用することがあります。

定期的な血糖値のチェック

  • 自己血糖測定: 血糖値の変動を自分で確認し、食事や運動の効果を把握することが重要です。
  • 定期的な医師の診察: 医師の指導のもとで、血糖値の管理を継続することが大切です。

これらの方法を組み合わせることで、空腹時血糖を効果的に管理し、健康な状態を維持することが可能です。


色々とカラダのことを調べてわかったのは、結局普段からの「健康診断」が本当に大切だということです。

私の父も糖尿病の診断を受けるまで全く健康診断をしていませんでした。手軽にしっかりとした検査をすることで、深刻な病状になる前に予防することができるのでおすすめです。