頭痛の種類と治し方|片頭痛・緊張型・群発頭痛の症状・原因・治療法を徹底解説

日本人の約4人に1人が悩んでいるとされる「頭痛」。しかし、一口に頭痛といっても片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛など種類によって原因も治療法もまったく異なります。市販の鎮痛剤でなんとかしているという方も多いですが、誤った対処を続けると頭痛が慢性化するリスクもあります。

この記事では、代表的な頭痛の種類・症状・原因から、トリプタン製剤などの最新治療、気圧との関係、そして「この頭痛は危険?」と判断するためのサインまで、神経内科・頭痛専門外来で行われる最新の医療情報をもとにわかりやすく解説します。

頭痛の主な種類と特徴

頭痛は大きく「一次性頭痛(慢性頭痛)」と「二次性頭痛(他の疾患による頭痛)」に分けられます。日常的に悩む頭痛の多くは一次性で、その代表が片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3種類です。一方、くも膜下出血や脳腫瘍など命に関わる疾患が原因の「二次性頭痛」もあり、この見極めが重要です。

片頭痛(Migraine)の症状と特徴

片頭痛は日本人の約8〜12%にみられ、こめかみや頭の片側がズキズキと脈打つように痛む発作性の頭痛です。1回の発作は4〜72時間続き、吐き気・嘔吐・光過敏・音過敏を伴うことが多く、動くと痛みが増すため日常生活に大きな支障をきたします。

発作前に視野の一部がギラギラと光ったり欠ける「閃輝暗点(せんきあんてん)」という前兆が現れる方もいます(有前兆片頭痛)。女性は男性の約3倍多く、20〜40代に集中しています。低気圧が来る前・生理前後・睡眠不足・空腹・ストレス解放後などが発作の引き金になりやすいことが特徴です。

緊張型頭痛の症状と特徴

緊張型頭痛は頭痛の中で最も多いタイプで、日本人の約20%がこのタイプです。頭全体を締め付けられる・重い帽子をかぶっているような圧迫感が特徴で、片頭痛と異なり拍動性はなく・吐き気も少なく・動いても悪化しないのが特徴です。後頭部から首筋・肩のコリを伴うことが多く、長時間のデスクワークや精神的ストレスが主な原因です。

群発頭痛の症状と特徴

群発頭痛は発症頻度が約1%と少ないながら、「目がえぐられるような」と表現されるほどの激烈な痛みが特徴です。片側の目の奥・こめかみに30分〜2時間の激痛が毎日のように起きることが数週〜数か月間(群発期)続き、発作時には目の充血・鼻水・涙が同側に現れます。男性(20〜40代)に多く、アルコールが発作の引き金になることが知られています。

頭痛の原因:気圧・ストレス・姿勢の関係

片頭痛の発作は、低気圧の接近(台風前や雨の前日)に多く見られます。気圧が下がると血管が拡張し、三叉神経を刺激するためと考えられており、「気象病」とも呼ばれています。スマートフォンアプリ「頭痛ーる」などで気圧の変化を把握し、あらかじめ対策を取ることが有効です。

緊張型頭痛は、長時間の前傾姿勢・スマートフォンの使いすぎによる「ストレートネック」・精神的なストレスが主因です。首・肩・頭の筋肉が過緊張することで血流が悪化し、痛みが起きます。定期的なストレッチ・姿勢の改善・適度な運動が予防に効果的です。

頭痛の治療法:市販薬・トリプタン・予防薬

頭痛の治療は種類によって大きく異なります。緊張型頭痛にはイブプロフェン・ロキソプロフェン(ロキソニン)などの非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と、筋肉の緊張を和らげるストレッチ・マッサージが有効です。一方、片頭痛にはトリプタン製剤(スマトリプタン・リザトリプタンなど)が特効薬として使われます。

トリプタン製剤の正しい使い方

トリプタンは脳血管を収縮させ、片頭痛の炎症を抑える薬です。頭痛が始まったらできるだけ早く(前兆が終わり痛みが始まった直後に)服用するのが最も効果的です。ロキソニン等の市販鎮痛剤が「効かない」という方は、片頭痛に適切なトリプタンを使っていないことが多く、頭痛外来・神経内科への相談をおすすめします。

薬の飲み過ぎ頭痛(MOH)に注意

市販の鎮痛剤を月に10〜15日以上使い続けると、薬物乱用頭痛(MOH)と呼ばれる慢性頭痛に陥るリスクがあります。「薬を飲まないと頭が痛い」「効果が弱くなってきた」と感じたら要注意です。この状態になると、薬を減らす「離脱」が必要になるため、専門医への受診が不可欠です。頭痛ダイアリーをつけて服薬状況を把握することが、MOH予防の第一歩です。

危険な頭痛のサインを見逃さないために

日常的な頭痛とは異なる「二次性頭痛」のサインを把握しておくことが重要です。特に「これまでの人生で最悪の頭痛・突然の激しい頭痛」はくも膜下出血の可能性があり、直ちに救急受診が必要です。

その他に注意すべきサインとして、発熱・首の硬さを伴う頭痛(髄膜炎の疑い)、手足のしびれ・麻痺・言語障害を伴う頭痛(脳梗塞・脳出血の疑い)、50歳以降に初めて起きた激しい頭痛、頭痛がどんどん悪化している場合なども速やかに医療機関を受診してください。

まとめ

頭痛は種類によって治療法がまったく異なります。緊張型頭痛にはストレッチ・生活習慣改善、片頭痛にはトリプタン製剤、群発頭痛には専門医による積極的治療が必要です。市販の鎮痛剤を頼りすぎると薬物乱用頭痛(MOH)につながるため、頻繁に頭痛が起きる方は頭痛外来・神経内科への受診を検討してください。

「突然・最悪・今まで経験したことがない」頭痛は命に関わる疾患のサインである可能性があるため、こうした症状が出た際は迷わず救急受診することが大切です。自分の頭痛のタイプを知り、適切な対処で痛みのない日常を取り戻しましょう。