血糖値のコントロールは大切だと知っているものの、人間ドックでよく見る「空腹時血糖」がどういうものかあまりピンとこない、という人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな空腹時血糖とはそもそも何か?どんなことがわかるのか、そして、空腹時血糖の基準値や正常値、高くなってしまう理由と下げるための方法について詳しく解説していきます!
目次
空腹時血糖とは?
健康診断や人間ドックの前日、朝食をとらないでくださいねー、というのは空腹時血糖を正確に測るためのものです。
そのため、空腹時血糖というのは、食事から 8 時間以上経った状態で測定された血糖値を指します。空腹時血糖は、糖尿病や糖代謝障害の検査の一つの指標となります。
空腹時血糖値が高い場合は、糖尿病の可能性が高くなりますが、単独では確定的な診断はできません。糖尿病の診断には、空腹時血糖値だけでなく、他の検査も含めた評価が必要です。
空腹時血糖値が高い場合、医師に相談して適切な治療方法を決定することが大切です。食生活の見直しや適度な運動、薬物治療など、個々人の状況に応じた改善策を行うことが大切です。
空腹時血糖の基準値は?
空腹時血糖の基準値は年齢や性別によって若干異なりますが、以下が一般的です。
80-90 mg/dL
40歳以上が対象となる特定健診では、空腹時血糖100mg/dL以上となると特定保健指導の対象となるとされています。
また、以下は空腹時血糖値の数値別で判断される状態です。
日本では、空腹時血糖値の数値別の状態を以下のように判定することが一般的です。
- 70 mg/dL~99 mg/dL:正常
- 100 mg/dL~125 mg/dL:空腹時血糖値上昇 (IFG, Impaired Fasting Glucose)
- 126 mg/dL以上:糖尿病
空腹時血糖値が126mg/dL以上となると、糖尿病の診断基準に該当してしまいます。
126mg/dL未満でも、空腹時血糖値が110〜125mg/dLの人は「境界型」と呼ばれ、いわゆる糖尿病予備群の状態です。
空腹時血糖値上昇 (IFG) は、糖尿病に向かっている可能性があります。
空腹時血糖値上昇者は、糖尿病になる可能性が高いとされており、適切な治療や生活習慣の改善が必要です。
糖尿病の場合、空腹時血糖値だけでなく、2時間後の血糖値も見なければなりません。
糖尿病は早期発見・早期治療が大切であり、適切な治療によって症状の改善や合併症の発症を防ぐことができます。
空腹時血糖値が高い原因は?
やはり、空腹時血糖値が高くなっているのは、糖尿病予備群または糖尿病になっている可能性が一番高いと言えるでしょう。
空腹時血糖値が高くなる原因は以下のようなものが考えられます。
糖尿病
糖尿病は、インスリンの機能が低下して、血糖値を適切に調節できなくなる疾患です。
代謝異常
肥満、高脂血症、高尿酸血症などの代謝異常は、空腹時血糖値を高める原因となります。
ストレス
ストレスや不安、緊張などの心理的要因は、空腹時血糖値を上昇させることがあります。
食生活
過剰なアルコールや糖分の摂取、空腹時間が長いなどの食生活は、空腹時血糖値を上昇させる原因となります。
薬剤
糖尿病治療薬やホルモン剤など、血糖値を上昇させる薬剤の影響もあります。
これらはあくまで一部の原因となります。空腹時血糖値が高い場合は、医師に相談して原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
空腹時血糖値を下げるための対策はある?
空腹時血糖値は、必ずしも下げ過ぎるといいというものではありません。空腹時血糖値が低すぎるときには、ホルモンの病気や肝硬変も疑われます。
ただし、一度糖尿病と診断された方や、空腹時血糖値が高いと指導が入っている場合には、以下のことを気をつけてみるといいでしょう。
適切な食生活
適量のタンパク質、野菜、脂質を摂取し、糖分やアルコールの摂取を抑えましょう。また、定期的な食事を心がけます。
適度な運動
適度な運動は、血糖値のバランスを保つ上で重要です。毎日の歩数を増やしたり、運動を習慣化することを検討しましょう。
ストレスの軽減
ストレスは、血糖値に影響を与えます。ストレスを感じたときは、リラックスするための方法(瞑想、散歩、読書など)を探しましょう。
寝たきりを避ける
寝たきりは血糖値のバランスを悪化させます。十分な睡眠をとり、常に活発な生活を送ることが大切です。
健康的なライフスタイル
喫煙やアルコールの使用は、血糖値に影響を与えます。健康的なライフスタイルを心がけましょう。
これらはあくまで一部の対策となります。空腹時血糖値に関しては、医師に相談して適切な治療を受けることが大切です。
20代のとき父親が糖尿病の診断を受け、日々の生活習慣からこんなにも深刻な状態になってしまうのかという経験を経て、人間ドックや健康診断を猛勉強。
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